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だれのニーズなのか?

コロナ後の景気の冷え込みと物価上昇により、経済を活性化させるために各地でイベントが盛んに行われています。同時に、安売りも進められています。このような状況の中で、注目すべき二つの現象があります。一つは、商品をシンプルにして手頃な価格で提供することで、必要のない余分なものを省いたり、合理化したりする取り組みです。もう一つは、アウトレット店などで在庫過剰や品揃えのバラつきを解消し、直接仕入れによるコスト削減や流通・店舗経費の削減などを行う試みです。
 
これらの動きは新しいように見えますが、実は過去にも何度も繰り返されてきたものです。最初は商品の機能性が重視され、多様化や高度化が進みましたが、再びシンプルな形態に回帰するというサイクルがあります。また、過剰な付加価値追求が価格上昇を招くことに対する反省も生じています。
 
しかしここで重要なのは、常にマーケットのニーズに耳を傾けることです。ニーズを把握し、潜在的な需要を見つけ出し、新たな需要を創造することで、市場から取り残されることや競合相手に負けることを防ぐことができます。
 
ただし、競争相手に勝つことだけに注力し、無益な付加価値の追求やサイクルの短縮化は、消費者を混乱させるだけでなく、彼らに困惑をもたらす可能性があります。
 
現在の状況は、消費者のニーズではなく、供給側の都合に基づいた動きになっています。これは消費者の論理ではなく、供給の論理です。しかし、供給側も自らの首を絞める結果となるかもしれません。少量化による合理化について追いつけず、コストが上昇し、その結果、価格に反映させようとする試みは市場の信頼を失うことにつながります。
 
将来も価値観の多様化は続くでしょう。大衆が分業化し、ニーズも多様化する傾向は変わりません。しかし、重要なのは、「消費の本質を見極めること」です。競争相手に勝つためだけに多様化や高付加価値化に飛び込むのではなく、常に消費の本質を考え、それに合わせて行動基準の策定を計らなくてはならないと考える。

インダストリアルデザインにおいてのニーズは、「人は何に困っているか」の探求から始まり、「人は何に感動するか」で終わると言えるでしょう。
しかし、至誠を尽くして、物事をシンプルに顧客に届けることも大切な要件であると考えています。然るに企業側の統合的な視点において消費の本質と商品をお届けするまでの見極めについて傾注し、規矩標準の準備が必要と考なければならない時代になりましたね。

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私はこれまで、様々な業界や分野の製品開発に関わってきましたが、フロントローディングを行うことで、製品の品質や競争力が大きく向上したことを多く目撃してきました。逆に、フロントローディングを怠ると、製品の開発が遅れたり、予算が超過したり、ユーザーの満足度が低かったりすることがあります。そのため、フロントローディングは製品開発プロセスの中で最も重要な段階だと言えます。

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