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神奈川の高校野球の勢力図 パート2 神奈川の王座に最も近い四天王たち 桐光学園編

お疲れ様です。ざるそばです。今回もまた神奈川の頂点に近い学校を紹介してきたいと思います。前回の横浜高校、東海大相模に続いて今回は桐光学園です。

リスク管理を重視。
復調の兆し "逆転の桐光"

・桐光学園

神奈川県川崎市にある学校で1978年に創立したほぼ男女別学の私立高校です。最寄り駅は小田急多摩線栗平駅。立地的にはほぼ東京で、神奈川の横浜高校よりも西東京の日大三のほうが近いと思います。
進学校でMarchや早慶に多数の合格者を輩出します。野球部の進路は六大学や東都1部、2部に進学する印象。野球の他にはサッカーが有名でよく全国大会に出てる印象ですね。
楽天の松井裕樹を生み出した学校で他のプロ野球のOBにはロッテの東條選手など。
甲子園は2000年代では01春、02夏、05夏、07夏と出場しましたが2010年代は12年夏のみにとどまっています。
目立つ成績としては2012年夏に松井裕樹を擁して甲子園8強入りしました。桐光学園と言えば松井裕樹が有名ですがそれ以外にも山田(玉川大)中川(立教大)や冨田君、谷村君などの好投手、大工原(中央大)等のリーグで活躍する打者も輩出しています。
投手を軸にチームを作っている印象でどんな相手にも5点を取る打力を身につけ、失点はしても良いからどんな相手にも2~3失点に抑えてく 「5ー3or5ー2で勝つ野球」を心掛けています。取れる点を確実に取りに行きどんな相手からもしっかりと点を取る攻め&点を取られても試合を壊さないような取られ方にとどめていると感じています(ピンチを最小失点で抑えるなど)。
肝心なとこでエラーをすることはあまりなく、流れを重視し勝負どころを落とさない野球をしているイメージです。
他にも桐光学園の特徴として、桐光学園は昔から粘り強いチームで"逆転の桐光"と呼ばれ、後半に逆境を跳ね返してきました。19春の横浜高校戦やその後の関東大会2回戦の藤代戦、19秋の慶応義塾戦などで後半の勝負となる場面でしっかりと点をとって逆転し勝利を掴んでいます。
近年は全国大会へ出場出来ていませんが、復調しあと1歩のところまで来ており、来年が楽しみです。(後述)
監督は野呂雅之監督で経歴としては早実→早稲田大です。毎年春になると早実と練習試合していたと思います。
甲子園通算成績は13戦8勝5敗

(Yahooの画像検索から拝借)

桐光学園(2014~2016)→立教大学(2017~)の中川投手です。大学日本代表候補のサブマリンで打者としても秀でています。東海大相模の門馬監督曰く、2016年の代の神奈川で最も良い打者らしいです。

・近年の桐光学園の県内成績(2015~)

2015春 4強
2015夏 4強
2015秋 準優勝 (関東初戦敗退)
2016春 8強
2016夏 4強
2016秋 4強
2017春 4強
2017夏 4強
2017秋 4強
2018春 準優勝 (関東初戦敗退)
2018夏 準優勝
2018秋 3回戦
2019春 準優勝 (関東8強)
2019夏 4強
2019秋 準優勝 (関東8強)
神奈川4強の中で唯一近年優勝がありません。しかし安定して4強以上に食い込み上位進出の常連です。 また勝負どころをしっかりと判断し、試合の流れを重視して勝負して行きますので無理をせず、流れが変わる致命的なミスをすることはあまりありません。リスク管理が徹底されており、ほぼ隙がなく、地力が下の高校には基本的に負けません。
4強以外の高校からしてみると4強の中でも、なかなか倒しにくい戦い方をする学校だと思います。
敗戦はほとんど他の神奈川4強でとくに横浜高校が多いですね。個人的には準決勝 桐光学園vs横浜 は、夏の風物詩 だと思っています笑
長い間 横浜高校に勝てませんでしたが今年は春秋と2連勝し克服してきています。甲子園には届いておりませんが、関東大会2期連続8強と県外でも勝ちはじめつつある学校です。過去5年では全国大会に出場していないので関東大会の戦績を書いておきます。

・近年の桐光学園の関東大会戦績(2015年~)

8戦3勝5敗
2015秋 初戦敗退 1ー2 木更津総合
2017秋 初戦敗退 1ー3 健大高崎
2018春 初戦敗退 3ー5 日大三(延長10回)
2019春 8強 6ー10 専大松戸
2019秋 8強 4ー10桐生第一

松井以後から2018年までの関東大会では初戦敗退が多く中々勝てませんでした。また近年だと、どの相手も全国上位クラスの強豪で早川隆久の木更津総合や歴代屈指の強力打線の健大高崎、後に夏4強入りする井上、日置ら擁する日大三でした。どれも接戦でしたので桐光学園としては非常に悔しいと思います。また全国大会に出れず関東大会で成績を残せず、県内では横浜に勝てずとここ数年は苦しい時期だったと思います。ただ近年復調傾向にあり、選抜帰りの東海大相模に勝ち、横浜に連勝し、関東大会に2期連続で出場。春は農大三、藤代を破り8強進出。秋は関東大会の常連 霞ヶ浦を下し8強進出と少しずつ県内外の甲子園射程圏内の強豪にも勝てるようになりました。これを期に甲子園へ戻ってきてくれると嬉しいですね。

・他4強との対戦成績(2015~)

横浜 2勝6敗
東海大相模 2勝5敗
慶応義塾 4勝3敗

横浜と東海大相模に負け越し、慶応義塾には何とか勝ち越しています。相模、横浜の双璧によって甲子園は阻まれていますが、近年は少しづつ勝ち始めています。これからどうなるかが楽しみですね!

※集計ミスがありましたらすいません。

・来シーズンの桐光学園

昨季のチームのスタメンやベンチ入りメンバーがある程度残り、戦力はそれなりにあると思います。投打の柱となる前チームからのエース安達君を中心に、馬込君や直井君、森田君、仲亀君など経験豊富な打者が揃い春県大会も優勝候補に挙げられるでしょう。1年生も内囿君を中心に良い選手が揃います。
課題は投手層ですね。秋大会はトーナメントの組み合わせの問題もあり神奈川初戦から関東大会まで安達君1人でほぼ投げてきましたが、あと1勝で選抜有力という関東大会準々決勝の大一番で、崩れてしまいビックイニングを作られ負けてしまいました。桐光学園としては安達君に次ぐ投手の育成が欲しいところだと思います。秋関東後の練習試合では坂東君らが強豪相手に好投したらしく、春に成長した投手陣を見るのが楽しみです。
打線は現時点では四天王の中では可もなく不可もなくと言った感じですが強力打線というよりは、どんな相手からも5点をとる野球を目指しているので、あと1点をとるために打線を仕上げてくると思います。(今回の秋関東では2試合とも4得点だったので。)

(yahooの画像検索から拝借)
桐光学園の安達君です。
2年秋にして最速143のストレート、スライダー、チェンジアップを中心に投げる左腕でどこにでも基本的に投げ分けられコントロールが良いです。カーブも秋県大会後に習得したとのこと。中でもインコースのストレートがかなり注目されてますね。
ピンチでも粘れる投手で失点をしても大崩れせず最少失点に抑える安定感が魅力だと思います。立ち上がりに不安がありますが、中盤以降はエンジンがかかり安定して相手を抑えることが多いです。
来シーズンの神奈川はおろか関東を代表する投手の1人だと思います。プロのスカウトも注目しているようです。
打者としても中軸を担い、来シーズンの桐光学園はまさに安達君のチームと言えると思います。

おまけ

やっぱりヤバい。 今秋の神奈川大会の対戦相手と戦績

神奈川予選リーグ1戦目
15ー0川崎総合科学

神奈川予選リーグ2戦目
1ー0市立橘(公立の中でもかなりの強豪で県4強進出経験もある。桐光学園が色んな意味で1番危機に瀕した試合では無いだろうか)

神奈川県大会初戦(2回戦)
6ー1横浜隼人 (神奈川の強豪で2009年に夏の甲子園出場高校。)

3回戦
12ー2鎌倉学園(2017秋に横浜にコールド勝ち、後ベスト4に複数回進出。神奈川4強に迫る強さ)

4回戦
3ー1慶応義塾(神奈川4強の強豪。去年春夏甲子園出場)

準々決勝
3ー0横浜(今春甲子園出場、神奈川を代表する名門。桐光学園が長い間勝てなかった学校)

準決勝
11ー3三浦学苑(今秋旋風起こした学校。激戦のブロックの強豪達を下し勝ち上がった。近年好投手を育成している。)

決勝
2ー6東海大相模(今年の神奈川で最強といわれる学校で、神奈川4強。全国大会の成績も良い。)

下手すればほとんどの対戦相手がシードをとれるレベルの学校と立て続けに戦ってきました。なかには甲子園に近年出場している学校とも何回か戦いました。私の中では桐光学園は主人公ですね。漫画でもなかなかなさそうな組み合わせのキツさでした笑

今回の桐光学園編は以上になります。
長文、拙文でしたが読んでいただきありがとうございました!笑
次回はこの4強シリーズのラスト
"陸の王者 "慶応義塾高校です!笑

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