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神奈川高校野球ニュース2021 verおふざけ

・はじめに
今回は今年度(2021年の代)をざっくり振り返って、この代で活躍した学校について紹介していきます。
本作品では、🧸と🦌と私を介してニュース番組のような形式で今年の代を紹介していきます。今年も昨年に続きコロナによる出場辞退など、さまざまな変化に見舞われた年となりました。なかでも3年生の集大成である夏に出場辞退した学校があり、それらの活躍を見ることが出来ず、また記載することが出来ず誠に残念な気持ちでございます。
記事自体は極力誰もが楽しめる記事にしたいと考えており、それらの学校についての詳細な言及や意見については述べることを控えておりますが、ご理解頂けると幸いです。
それでは私の視点に基づいた独特の世界観によって描かれる本記事をお楽しみください。
※なおヘッダーの画像はあゆさわ様(@Ayusawa_sagami)から許可を得て使用しております。



🧸「はい、ということでやって参りました。神奈川高校野球ニュースのお時間です!今回は第2回目ということで、今年の代について振り返って行きたいと思います。宜しくお願い致します!」

🦌「ようやく2回目ですか·····。前回から1年近く経過していますが、、、」

ざるそば「いや、アレだよ。忙しかったのと単純に記事書くのがめんどくさかったんだよね。」

🧸「めんどくせえのかよ!! 本音ぶっちゃけ過ぎですよざるそばさん」

🦌「相変わらず何の成長もしてませんね。冒頭の はじめに も本来なら前回の記事で記載しておくべきでは?」

ざるそば「いやなんか·····めんどくさいじゃん?読者も俺のいい加減な性格を分かってるからサボっても適当でも問題ないよなって思ってさ」

🦌「こいつどんだけ読者嘗めてんですか…。
まあ、この話はこの辺にしまして·····。今回はどんな内容なんですか?」

🧸「今回は、今年の代についてお伝えして行こうと思います。以下の6つについてお話しますね。」

・今年度3大会(20秋、21春、21夏)の16強以降の勝利数TOP10(正確には10じゃない)
・今年度の3大会の結果の簡単な振り返りとざっくりとした傾向
・ざるそば的 めっちゃ面白かったかもしれない試合
・3年ぶりに夏に帰ってきた横浜高校
・選抜を制した東海大相模
・終わりに

🦌「なるほど。これは面白そうですね。ざるそばさんは結構現地観戦されたんですか?」

ざるそば「面倒くさがって現地はあんまり見に行ってないですね。春は4試合、夏は1回も行けてませんね。暑いし。」

🧸「と、とりあえず行ってみましょう!!(大丈夫かこの記事·····。)まずは今年度3大会(20秋、21春、21夏)の16強以上の勝利数TOP10です。」
 

・今年度3大会の16強以上の勝利数ベスト10(正確には10じゃない)


1位 東海大相模 9勝
2位 横浜    8勝
3位 桐光学園  4勝
3位 横浜創学館 4勝
5位 鎌倉学園  3勝
5位 日大藤沢  3勝
7位 向上    2勝
7位 横浜商   2勝
7位 相洋    2勝
7位 慶應義塾  2勝
7位 藤沢翔陵  2勝
7位 桐蔭学園  2勝

2021年度は以上のような形になった。
この章では全体解説と個別解説に分けて書いていく。

・全体解説

1位はやはり東海大相模。秋の関東ベスト8で姿を消すもエース石田投手を軸に石川、求の投手陣などの活躍もあり2021春の選抜にて全国制覇を達成し、神奈川を制するものが全国を制した。それに次ぐ名門横浜や桐光学園も上位に顔を覗かせている。
だが、県大会において今年度の代で最も特筆すべきは横浜創学館の復活だろう。エース山岸を擁して春はベスト8、夏は2009年以来の決勝進出を果たすなど私個人の中で今年の神奈川において最もインパクトを残したチームになった。
また2020秋準優勝・関東ベスト8の鎌倉学園や2021春ベスト4の日大藤沢なども上位に食い込んだ。相模と桐光学園は北神奈川の学校であるが、ランキング全体で見ると相洋、藤沢翔陵、横浜商業等ランクインしている学校自体は南神奈川の高校のほうが多い。北神奈川では伝統の慶應義塾や桐蔭学園、練習環境の充実により期待の高まる向上がランクインした。
南神奈川を代表する伝統校の横浜商は下級生からエース格の山口塁を擁して秋、春と2シーズン連続の8強入り。秋は来季でベスト4に進出する日大藤沢を、春は夏にベスト4入りする慶應義塾をそれぞれ降した。秋春共に準々決勝で東海大相模と対戦し敗れたが春は1点差まで食らいついてしぶとさを見せつけた。相洋も前年度の代のように秋春とベスト8に進出し安定感を見せていく。またランキングには入っていないが、横浜清陵や白山も強豪校を破り県ベスト8に進出。秋に勝ち残った白山は桐蔭学園との壮絶な戦いの後に敗れるも21世紀枠の県推薦を獲得。夏に勝ち残った横浜清陵は横浜商、麻溝台ら有力な高校を破り同校史上初の夏ベスト8へ。歴史に名を刻んだ代となった。




・個別解説
次に上位の4校を個別に見ていく。


・東海大相模 
成績 秋:優勝(関東大会ベスト8) 春:優勝(関東大会1回戦) 夏:ベスト8(出場辞退) 春の選抜:優勝

神奈川の王座に座す東海大相模が秋、春と連覇を達成。県大会連覇記録を6と伸ばした。選抜を制し、春夏連覇の期待も高まったが夏はベンチ入りメンバーのコロナウイルス感染に伴い無念のベスト8で姿を消した。
それでも世代交代した2021秋に県大会優勝を飾るなど、優位は変わらない。ランキングにも変動はないので東海大相模の戦績は県大会ではずば抜けていると言えるだろう。まさに今の神奈川は東海大相模を中心に回っている。
東海大相模の選抜の活躍に関して詳しくは後述する。


・横浜
成績 秋:ベスト4 春:ベスト4 夏:優勝 夏の甲子園:2回戦

次ぐ2番手横浜は近年ベスト8で苦杯を喫する事が多かったが、今年度は秋ベスト4、春ベスト4まで勝ち進み夏は頂点に立った。
秋、春の県大会では桐光学園や相模に大敗したが、夏大は比較的順調に勝ち進み甲子園に出場。夏は1年生エース杉山、同じく1年生ショートの緒方が守備の要となる。
甲子園では緒方が広島新庄の秋山から1年生史上初のサヨナラ3ランを放ち甲子園1勝を上げた。この代の3年生は県外大会(関東大会、甲子園)の出場がなく、この1勝は横浜高校とそのファンに希望を与えたと言っても過言ではないだろう。ただ東海大相模や桐光学園といった県内最大のライバル達に勝って甲子園に出場した訳ではないので、引き続き今後が注目される高校になりそうだ。
ランキングの観点から見ると、県大会での大敗があるものの見事2位に輝いており、県内屈指のタレント、伝統で王座復権へ突き進む。


次にこの神奈川の名門2校を追う学校の桐光学園と横浜創学館を解説していく。3位が2校というのもなかなか珍しいケースだろう。
この2校は近年の成績のタイプが異なるのでそこから解説していく。

・桐光学園
成績 秋:ベスト8 春:準優勝(関東大会ベスト4) 夏:ベスト16

桐光学園はどの年も安定した成績を残しており、自分が見始めた2013年からはどの代でも3シーズンのうち一度以上はベスト4以上に進出している。ランキングでも常に3位以内に顔を出していて、今年度の代は中嶋、針谷、澁澤の3投手と持ち前の打線で秋はベスト8、春準優勝、春関東はベスト4へ進出し、県外大会でも勝ち星を収めた。春の県大会では宿敵横浜をコールドで下すなど随所で歴史に残る活躍を見せており、夏も優勝候補の一角として注目されるが、慶應義塾の打線に16安打を浴びて3-8で敗戦しベスト16で涙をのんだ。まさに激戦区神奈川である。

・横浜創学館
成績 秋:県大会2回戦 春:ベスト8 夏:準優勝

対して横浜創学館は近年ファンにとって悔しい状況だったものの、今年度の代は春ベスト8、夏準優勝という実績を残した。秋は鎌倉学園(関東大会ベスト8)に県大会本戦の2回戦で敗れたが、エースの山岸と強力打線を武器に春大はベスト8進出。準々決勝でも桐光学園と互角の戦いを繰り広げた。夏大は春にベスト4へ進出した日大藤沢や勢いに乗る慶應義塾を降し悲願の甲子園まであと一歩と迫った。決勝では前回(2009年)決勝で戦った横浜高校と再戦する。
横浜創学館は横浜高校に未勝利故に「横浜高校」と「甲子園」という2つの壁を壊してくれるのではないかと期待が膨らんでいたが、エース山岸の疲労も大きかったのか3-17で敗れた。それでも今年の神奈川、そして来年からの神奈川に大きな爪痕を残し神奈川の高校野球ファンの記憶にも記録にも残るチームになったのでないだろうか。

近年の大会で甲子園まであと一歩という所まで来た両校。残った下級生や活躍を見ていたであろう入部を考えている中学生達に未来と夢を託したい。


🧸「以上、3大会全体の振り返りでした。ありがとうございました。」

ざるそば「ありがとうございました。今年は横浜高校が夏の甲子園に戻ってきましたね。2回戦で敗れてしまいましたが、初戦の緒方選手のサヨナラ3ランは本当に見たかったです。8回まで見てたんですけどね…。」

🦌「あちゃあ…よくやるやつですね。自分が見てないときに試合がひっくり返ったり、劇的な幕切れが起きたりね」

🧸「2021年の代の神奈川はインパクトありましたよね。横浜が劇的勝利を収めたり、相模が選抜で優勝したり。神奈川ファンとしては熱くなった1年なんじゃないですかね。県大会では東海大相模が圧倒的ですが、いろんな学校が準優勝して久しぶりor初の関東出場を決めた学校も出てきました。」

ざるそば「そうですね。2022年の代もどうなるか楽しみですね。」



🧸「それでは次のニュースです。今年度の3大会&関東の結果の振り返りと傾向についてお話していきます。この章では今年の神奈川を大会別に細かくお伝えしていきます。」

・今年度の3大会の振り返りと傾向

・秋季大会 
秋季大会の結果は以下のようになった。
優勝 東海大相模
準優勝 鎌倉学園
ベスト4 横浜
ベスト4 桐蔭学園
ベスト8 横浜商
ベスト8 桐光学園
ベスト8 相洋
ベスト8 白山
ベスト16 立花学園 横浜商大 金沢 慶應義塾 日大藤沢 日大 向上 藤沢翔陵

秋の振り返りについては、下記の記事を参考にして頂けたら幸いです。


春季大会
・春季大会の結果
優勝 東海大相模
準優勝 桐光学園
ベスト4 日大藤沢
ベスト4 横浜高校
ベスト8 横浜商
ベスト8 横浜創学館
ベスト8 向上
ベスト8 相洋
ベスト16 三浦学苑 相模原弥栄 日大 星槎国際湘南 横浜隼人 光明相模原 横須賀学院 湘南学院

・簡単な振り返りと傾向
王者はさすがの東海大相模。今春の大会では選抜優勝に導いたエースの石田を極力登板させず他の投手で勝ち上がるというスタンスを取っていたようだ。
他の投手陣の底上げと経験を積ませることをテーマに挑んだ狙いだろう。平塚学園戦以外では石田の登板はなかったがそれでも神奈川を制した。苦しい戦いが多かったものの接戦を勝ち抜いてきたこの代らしい「負けにくさ」を魅せてくれた大会だったと思う。
準優勝は悲願の甲子園を狙っている桐光学園、ベスト4には横浜と、日大藤沢が進出。神奈川大会で頻繁に上位に進出する学校が顔を揃えた。


ベスト8の顔振れは横浜商、横浜創学館、向上、相洋だ。
相洋、向上は上位に頻繁に顔を出すようになって来ている。
相洋は6期連続のベスト8入りを達成。向上は過去10大会で9度ベスト16へ進出しており、今大会でも向上も2期連続の8強を決める。
対して横浜商と横浜創学館は近年神奈川のライバルに苦しめれられて来たが、見事春ベスト8に輝いた。とくに横浜創学館は春7年ぶりにこの準々決勝の舞台に帰ってきており、全シーズンで見ても2018年南神奈川大会以来の8強進出となる。
横浜商も2004年以来の春8強へ勝ち進み、慶應義塾と横浜隼人を降し、伝統校の底力を見せつけた。


ベスト16はかなり混沌としており、強豪私学と日大高校、昨夏4強の三浦学苑、星槎国際湘南など。とくに光るのは初シードを取った横須賀学院や近年上位進出が厳しかった横浜隼人だ。強豪の復権や野球に力を入れ始めた学校が夏のシードを獲得し混沌の夏が予想される。




・夏の大会
夏の大会結果
優勝 横浜
準優勝 横浜創学館
ベスト4 藤沢翔陵
ベスト4 慶應義塾
ベスト8 向上
ベスト8 日大藤沢
ベスト8 東海大相模
ベスト8 横浜清陵総合

ベスト16 厚木北 相模原弥栄 相洋 桐光学園 三浦学苑 立花学園 藤嶺藤沢 麻溝台

・簡単な振り返りと傾向
優勝候補本命の東海大相模はコロナの出場辞退によりベスト8にて姿を消し、優勝争いは混沌と化したが甲子園への栄冠を掴んだのは横浜高校である。3年ぶり19度目の甲子園を決めた。一年生エースの杉山を中心とした投手陣を複数起用し強力打線を持ち合わせ決勝で横浜創学館を17-3の大差で破った。
鎌倉学園戦以外は大差での勝利で実力を発揮した。
準優勝は横浜創学館で初の甲子園出場とはならなかったものの、数多の強豪校を破りここまで勝ち進んだ。
ベスト4まで勝ち残ったのは藤沢翔陵と慶應義塾で、とくに慶應義塾はエースの前田が練習試合で足を負傷し日常では松葉杖を使っているくらいにはコンディションが悪くチーム事情も良くなかった。しかしもう一人のエースである荒井や沖村、宮腰、田中など投手陣の継投で苦しみながらも桐蔭学園、市立橘、桐光学園等との壮絶な戦いを制し勝ち進んできた。準決勝で横浜創学館に敗れたものの、表情はスッキリとしておりやりきった雰囲気を漂わせていた。私自身今夏見ていて最も楽しく印象に残ったチームだった。初戦の桐蔭学園(この世代では練習試合含め、3戦全敗だった)に勝利を収めた試合では「やっとチームになった」と監督が涙ながらに言い残していることから、如何にこの勝利が大きかったかが伺える。

藤沢翔陵は秋ベスト16まで勝ち残り、春は県大会2回戦で湘南学院に敗れたが、法政二や相洋などを降して上位に進出した。県大会準々決勝では東海大相模の不戦敗により、想定外の結果で35年ぶりの夏ベスト4に駒を進めた。(当時の名前は藤沢商業)

他の上位の顔ぶれとしては向上が2期連続のベスト8進出。春4強の日大藤沢も強さも平塚学園との殴り合いを制し2年ぶりの夏ベスト8進出。日大藤沢はここのところ2年おきに夏ベスト8以上に進出しておりしっかりと夏に仕上げてくる。(2015年夏4強 2017年夏8強 2019年夏準優勝)
公立勢としては横浜清陵が唯一ベスト8に勝ち残った。5試合で52安打を放ち、秋春ベスト8の横浜商業や麻溝台を破って上位に勝ち進んだ。
公立勢の夏8強進出は2年ぶりの相模原以来でこの経験を糧にして来夏の神奈川も盛り上げてほしい。またベスト16では公立勢が4校勝ち残った。先程の横浜清陵に加え、横浜商大と日大高校を破った麻溝台や、安定して好成績を収める相模原弥栄、厚木北などの実力校揃いである。こうした力を持つ公立校が春夏いずれかの甲子園で何らかの形で出場してくれることを心から願っている。

実力校の藤嶺藤沢は近年夏では他校に苦杯を喫していたが、シードの横浜隼人や湘南工科大付属を降し2018夏以来のベスト16進出を果たした。
ただ一方で立花学園や桐光学園、三浦学苑、相洋などの近年上位進出の傾向がある強豪私学がベスト16にて姿を消した。
また上位進出こそ出来なかったものの川和は8回まで東海大相模と1-1で競り合うなど食らいつき、神奈川ファンや相模ファンに大きな衝撃を与えた。見る者を熱くさせる戦いぶりをまた来年も期待せずにはいられない。

結果全体と近年の傾向を踏まえると、近年惜しくも上位を逃していた高校が近年の上位の常連校に勝った夏だと思っている。戦国と化していく神奈川県、来年はどのようなドラマが待ち受けているのだろうか、それを楽しみに冬を過ごそうと思う。


🧸「以上、大会ごとにお伝えさせて頂きました。」

ざるそば「いやー正直そこまで見てないので、書けるかどうか不安でしたがなんとかなりましたね。今年の世代の備忘録みたいな感じで考えてくれると嬉しいです。」


🦌「まあざるそばさんが適当な人間なのは知ってますし、これ以上失うものや下がる株はないと思いますよ。この前なんて酔っ払って変なこと言ってたし。」

ざるそば「それについてはやめろ、死にたくなるから。」

🦌「なんて言ったんでしたっけ?」

🧸「はい、そこまで!!(これ以上変な流れにしていけない)それでは次のニュースです。2021年代の県大会の名勝負、一体どのようなものが思い浮かびますでしょうか??それではVTRどうぞ!!」

・ざるそば的 めっちゃ面白かったかもしれない試合

2021年度の神奈川も非常に激戦だった。先程述べたようになかなか上位に進出できなかった学校が上位に進出したり先輩たちの出来なかったことをやり遂げた高校や一般的に格上とされている強豪校にギリギリまで食らいついた学校が多かったと思う。
そんな中で自分が観察した範囲で2021年の代の面白かった勝負を春夏に分けて1試合ずつ試合振り返っていく。

・春
春4回戦 相洋vs湘南学院
相洋の粘り。コールド寸前からの大逆転劇。

湘南学院 012113000   8 H11
相洋   000100611x  9x H13


逆転の相洋と勝手に私は呼んでいる。前回の記事にも記載したが2020年の秋季大会にて向上を9回裏の5点ビハインドをひっくり返してサヨナラ勝ちを収めたのだ。
その相洋が今回も引き続き逆転劇を起こした。

序盤は湘南学院ペースで進み2回以降は毎回得点で試合を有利にすすめる。
相洋は4回に相手のファンブルで一点を返すも5回終了時点で湘南学院が5-1とリード、その後も湘南学院が6回に谷口、菅野の適時打、相洋のバッテリーミスで3点を加え6回終了時点で8-1とコールド寸前に追い込む。
絶体絶命かと思われた7回裏、先頭が討ち取られたものの、上位打線の1番渡邉と2番崎元が出塁。3番二宮の打席では焦りが生じたのかショートのエラーにより出塁。このミスに漬け込み一点を返す。その後、相洋の打線が息を吹き返し、4’番笠間から8番梶山までの連打で相洋が1点差へと詰め寄る。相洋はその裏を三者凡退で切り抜け、流れを渡さない。

勢いに乗った相洋は8回、9回と得点を重ね9-8でサヨナラ勝ち。
あと二死まで追い込まれたが、終盤の集中打でベスト8進出を決めた。


・夏
夏5回戦 慶應義塾vs桐光学園
優勝候補撃破!! 秋、春と苦しい結果だった慶應義塾が、優勝候補の一角である春関東4強の桐光学園を破る。

慶應義塾 010020230 8 H16
桐光学園 002000100 3 H8

夏5回戦でノーシードの慶應義塾と第一シードの桐光学園との元四天王同士の強豪校対決が実現した。
慶應義塾は前田の足の怪我もあり長いイニングを投げることは難しい。いかにして前田以外の投手で踏ん張るかそして打線が如何に機能するかが最大のポイントだと感じていた。

慶應義塾の先発はもうひとりのエース荒井。
桐光学園は澁澤。
2回表、先制点は慶應義塾が取るも3回裏に桐光学園が逆転する。
負けじと慶應義塾は5回表に2点を取り替えし、3-2とリード。その後の2イニングもしっかりと抑え、6回を投げて2失点の好投を見せる。
7回に四死球と小堀のタイムリーで2点を加え待望の追加点が入る。
打線の援護をもらった慶應は裏にエースの前田が登板。立ち上がりは四死球と連打を浴び失点を喫するも、その後はランナーを出しながらも無失点で切り抜ける。リズムを掴んだ慶應が8回に勝利を決定づける3点を加えて8-3で名門対決にて勝ち星をあげ、3年ぶりの夏ベスト8進出。
慶應が16安打で優勝候補の桐光学園を力でねじ伏せた。



🧸「以上になります。いやー両試合とも熱かったですね」

ざるそば「間違いないです。最高の1回戦、慶應VS桐蔭学園とか麻溝台やY校の活躍とかも書きたかったんですが、尺の問題で厳しかったです。」


🦌「今現在、7500字くらいなんで、結構重いですね。読者さんはついていけてるかしら…」

ざるそば「前回8000字overの記事でも、普通or短いという感想が8割を超えていたので問題ないと思いますよ。」

🦌「あの記事が普通や短いと感じた方がいらっしゃったんですか…??凄い読者さん達ですね…笑 」


🧸「それでは、次が最後のVTRになります。2021年に甲子園に出場した2校、横浜高校と東海大相模の記事です。最後までお付き合いください!」

・3年ぶりに夏に帰ってきた横浜


神奈川といえば横浜高校を挙げる方も多いだろう。高校野球ファンではなくても横浜高校の野球部が好きな方も少なくない。
近年は苦しい状況だった横浜高校が今年ようやく帰ってきた。

ではまずは勝ち上がりをざっと振り返っていく。

2回戦 vs足柄
31-0 (5回コールド)

3回戦 vs県商工
12-0 (5回コールド)

4回戦 vs鎌倉学園
3-0 

5回戦 vs厚木北
11-0 (7回コールド)

準々決勝 vs向上
11-3 (7回コールド)

準決勝 vs藤沢翔陵
9-1  (7回コールド)

決勝 vs 横浜創学館
17-3

以上の戦いぶりを踏まえると4回戦の鎌倉学園戦以外、大差で勝ってきたことが分かる。県大会では94得点7失点という鬼神の如き強さだった。
打線は活発であり、全国でも多少は戦えるのではないかと踏んでいたが投手陣は一年生エース杉山のほかに山田や宮田、金井がいたものの全国大会では厳しいとみており、1つ、あるいは2つ勝てるかどうかという見方だった。

甲子園では1回戦からの登場で初戦は広島新庄と対戦することとなる。

初戦の広島新庄は春夏連続の出場となる。経験豊富な好投手花田、秋山、そして西井の3投手を擁し、守備も堅い。横浜の打線ではそこまで多くの得点は望めないと感じていた。
試合は4回まで動きがなく、早くも投手戦の香りがした。横浜高校は投手力に不安があるだけに打っていくしか勝ち目がないと思っていたが、先発の宮田が好投を見せた。
しかし5回に1点を取られ、厳しい展開になる。毎回のようにランナーを出すも新庄の堅守に阻まれていく。
9回に相手に追加点を与えてしまい、0-2とされ厳しい状況へ追い込まれて行ったのだ。
終盤に追加点を相手に与えるということは野球においてはかなり致命的なのだが、最後にドラマが待っていた。
その後のピンチを何とか凌ぎ最後の攻撃を1点に抑えると、9回裏の反撃に出る。
横浜高校は岸本と玉城の連打でチャンス作り2死1、3塁で迎えた打者の緒方がレフト後方に大きなアーチを放ち、史上初の1年生による逆転サヨナラ3ランで待望の勝ち星を掴んだ。


続く2回戦の相手は優勝候補の智弁学園だった。
初戦のサヨナラ勝ちした勢いに乗りたかったが、大会でも注目の好投手である智弁学園の西村と小幡を攻略できず、0-5と完敗を喫した。
甲子園にて横浜高校が完封負けするのは今までなかったことであり、それもまた話題を呼び高校野球ファンの記憶に残る試合を演じた。 

様々な声が飛んだが、村田監督が就任した新生横浜にとっては甲子園初采配、初勝利を飾ることが出来た。そして広島新庄相手にもどんな形であれ勝つことが出来ており、夏の甲子園準優勝を果たす「智弁学園」を間近で感じることが出来たのだ。結果としては2回戦敗退となってしまったが、秋春の結果を踏まえて甲子園に来れたことは本人達にとっては良い思い出と自信になったと思う。
この経験がいつか横浜高校を再び全国制覇に導いてくれることを願う。



・選抜を制した東海大相模

2021年4月1日、神奈川ファンに、相模ファンに歓喜の瞬間が訪れた。
神奈川代表の東海大相模が紫紺の大優勝旗を持って帰ってきたのだ。
秋の関東の戦績は関東ベスト8。選抜の当選は非常に微妙な位置になる。
この選考では6番目として選ばれた。この6番目の選出は、東京2位校と関東8強の比較にて行われるのでこの選考テーブルに乗った学校、そしてそのファンも選抜の出場校発表まで不安と希望が交互にやってくる。
今回の相模は運良く選ばれギリギリでセンバツ出場枠を手にした。そうしたなかでの全国制覇ともあって優勝の味は格別である。
東海大相模はエース石田投手を軸に石川、求、武井がベンチ入り。投手陣とショート大塚を中心とする固い守備で、打線は近年のような破壊力はないものの、足を絡めて多彩な点のとり方ができる。打者は大塚、門馬、柴田などが軸となる。
私の印象では勝てるチームというより負けないチームである。

なかでも今大会においてエースの石田は29回1/3イニングを投げ、無失点。奪三振45 四死球がたったの2つと素晴らしい成績を残した。

軌跡は以下の通りだ。
戦績
1回戦 東海大甲府(山梨)
3-1 (延長11回)
バッテリー 石川→石田 ー 小島

2回戦 鳥取城北(鳥取)
1-0 
バッテリー 求→石田  ー 小島

準々決勝 福岡大大濠(福岡)
8-0 
バッテリー 石田 ー 小島

準決勝 天理(奈良)
2-0 
バッテリー 石田 ー 小島

決勝 明豊(大分)
3x-2 
バッテリー 石川→求→石田 ー 小島

上記の結果により10年ぶり3度目の優勝を果たした。

トータルで見ると準々決勝以外はロースコアの接戦で厳しく苦しい戦いをモノにしてきた。絶対的エース石田がいるものの、石田以外の投手もしっかりと役割を果たし、打線は苦しみながらも多彩な形で決勝点を取ってきたことから決して石田だけのワンマンチームでないことは分かる。

この選抜の激戦の中には名勝負に数えられる試合も少なくなさそうだ。
そんな東海大相模の戦いぶりをざっくりと振り返っていきたい。

vs東海大甲府
3-1 勝利
初戦の東海大甲府は先発の石川がランナーを出すも7回まで無失点で切り抜ける。相模も甲府のエース若山を捉えきれず、苦しい展開が続く中で相手のバッテリーミスに漬け込み先制点を挙げる。まさに相模らしい点のとり方である。この試合で石川は8回1失点で試合を作り先発としての役目を果たした。9回からは絶対的エース石田が登板し甲府の打者を圧倒する。
均衡を破ったのは延長11回表の攻撃だ。門馬がツーベースで出塁、キャプテン大塚の意地の勝ち越しタイムリー、続く柴田は体制を崩されながらもレフト線ギリギリに打球を運び試合を決定づける大きな追加点をあげる。
最後は石田が締め 3-1 で昨秋関東大会準々決勝の雪辱を果たした。
なおこの試合で石川は144km、石田は146kmを計測した。

vs鳥取城北
1-0 結果:勝利
相手の投手山内、広田に苦戦するも、求と石田の継投で虎の子一点を守りきり見事にベスト8進出を果たす。何度もピンチに陥りながらもうまく切り抜ける石田隼都はさすがである。昨秋の関東大会を彷彿とさせる状況でも冷静に打者を打ち取り、成長した姿を見せた。

vs福岡大大濠
8-0 結果:勝利
ここで東海大相模に大きなアクシデントが発生してしまう。
準々決勝での福岡大大濠戦では精神、守備の要である主将大塚が急性胃腸炎にて離脱してしまったのだ。深谷がショートに抜擢されそつなくこなしたが、キャプテンの穴を埋めるという精神的な負担はとても大きかったのではないだろうか。
そんな不安を抱えていたが、石田が今春初先発し序盤に門馬のホームランなどでリードをもらい、試合を有利に進めていく。最終的には福岡大大濠の打者から14奪三振を奪い、3安打完封勝利。3年ぶりのベスト4へ進出した。

vs天理
2-0 結果:勝利
続く準決勝の相手は奈良の強豪である天理。優勝候補の1つである健大高崎や仙台育英を呑み込んだ天理はエースの達ではなく仲川が先発する。相模は1回に先制するがその後相手の投手のペースに捕まり、苦しい試合展開となる。そうした状況の中で2試合連続の先発石田がこの試合でも被安打3、15奪三振の完封勝利を収め、エースとしての貫禄を見せた。6回にピンチを招くも落ち着いて対処し、3回1死から6者連続の三振を奪うなど天理打線を寄せ付けなかった。

vs明豊
3x-2 結果:勝利
決勝の先発は東海大甲府戦で先発した石川。対する明豊は継投で勝ち上がってきたチームで数々のシーソーゲームをモノにしてきた。
試合は初回から動き、明豊が1回表に1点先制し相模も負けじとその裏に点を取り返し同点に追いつく。
試合は明豊のペースで進み、苦しい中で石川(この試合でも144kmを計測)と求が最小失点(2失点)でエース石田へつなぐ。6回途中からリリーフした石田も連投、連戦の疲れが画面越しにも伝わって来たが意地と執念で押し切っていく。
試合全体を通して相模の投手陣が明豊の打者に苦労し毎回のように得点圏にランナーをすすめるもなんとか粘り切るという両校にとってもどかしい展開が最後まで続いた試合だったが、リードされた場面はあるものの失点しても早い段階で点を取り返しリードされた状況を長く作らせない試合運びはさすがの東海大相模だった。
相模は終盤、徹底したバックアップで失点やミスを防ぎ、攻めでは深谷のセーフティバントなどで好機をつくる。迎えた9回裏、1死満塁のチャンスでの小島のサヨナラ適時打により、選抜優勝を成し遂げた。

この代に関しては、神奈川ファンや相模ファンからは秋の時点では決して例年より前評判が高いチームではなかった。相模にとってはサヨナラの敗戦から始まり、サヨナラの勝利で終わった長い春だったと思う。
主将の離脱やコロナウイルスの影響で練習があまり出来ない等の苦難はあったが、2021年4月1日をもって東海大相模の輝かしい歴史にまた新たな1ページが刻まれたのである。

🧸「以上、東海大相模の記事になります。ざるそばさん、ありがとうございました。」

ざるそば「どう短くまとめても長くなってしまうので、本当にしんどいです笑 次からは分けて書こうかな なんて思ってます笑」

🦌「いや本当にお疲れさまでした。一世代まとめてやろうとするから時間かかるんですよね。ざるそばさん、夏休みの宿題溜め込むタイプでしょ?」

ざるそば「宿題なんか殆どやらない学生生活でした笑 よく先生に怒られてましたね。次からは気をつけます。」

🧸「それではそろそろお時間となってしまいました。次回は神奈川のある高校について放送する予定です。次回をお楽しみに!!」

ざるそば&🧸&🦌「お疲れさまでした~!!!」

・おわりに

非常に拙い記事で、誤字脱字などあるかと思いますが、最後まで読んで頂いて誠にありがとうございました。
お伝えした通り、新型コロナウイルスの影響もあり納得行く形で終えることが出来なかった球児も少なくなく、私如きでは掛ける言葉が見つからないような状況でした。
ただ私自身、球児たちが勝利のために躍動する姿を少しでも見ることが出来てて非常に幸せです。
最後に、大会を主催してくれた高校野球連盟様をはじめとする様々な組織、関係者に感謝の言葉を添えて終わりにしたいと思います。
一年間、ありがとうございました。

読者の方々とも、球場あるいはNoteにてまたお会いできることを楽しみにしております。



ざるそば


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