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楽天入団疑惑のルスネイ・カスティーヨの成績を予想する

 なんかルスネイ・カスティーヨが楽天に入団するという情報が出たようです。本当に入団するのかどうなのか、非常に気になるところですが今回はルスネイ・カスティーヨについて書いていきたいと思います。

 前回記事にしたテームズなんですけど、巨人が一塁と外野の補強を目指してるらしいのでテームズの来日あり得ると個人的に思ってます。

1.はじめに

 ルスネイ・カスティーヨなんですがもし実現すれば楽天の二人目の外国人野手ということになります。

 前回のブランドン・ディクソンに関する記事はこちらです。

 カスティーヨについてですが、彼は現在33歳と年齢的には全盛期を過ぎている部分がありその辺の数字を加味して予想していきたいと思います。

 動画でも同じような話をしているのでそっちも見ていただければと思います。

2.基本データ

 カスティーヨはキューバ生まれの外野手ですがドミニカ共和国に亡命した上でメジャーリーグに挑戦しています。1987年7月9日生まれの現在33歳で来シーズンには34歳になるという年齢的なネックが気になる部分です。右投げ右打ちで亡命後はレッドソックスで出場を重ね2015年には80試合に出場したものの7年7250万ドルもの大型契約を結んだにもかかわらず贅沢税を減らすためにマイナーに落とされています。それ以後もマイナーでの数字が伸び悩んだ結果メジャーでの出場機会は得られず、レッドソックスの豊富な外野陣に割って入ることはできませんでした。そして今年契約が終わることからNPB入りの可能性が示唆されており、楽天の獲得報道も可能性がゼロとは思えません。
 楽天はロメロとの契約が不透明な形になっており、もしカスティーヨ獲得となる場合にはロメロとの契約を諦めた形になるのではないかという気がします。

3.通算成績

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 通算成績ですがさっき言ったように2017年以降はAAAでのプレーが続いており、年俸12億円のマイナーリーガーという非常に微妙な立場でした。
 2019年のAAAはボール変更の影響で打者成績がインフレしたという話はちょくちょくしていますがカスティーヨは2019年も例年とあまり変わらない打撃成績で、その辺では数字の信頼感があると言えそうです。打撃成績はかなりの早打ちでフォアボールはあまり選ばず、打球傾向としては中距離ヒッターで長距離砲というわけではありません。

4.打球の傾向

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 2015年の数字が一番信頼できる数字かと思われますが、基本的にバレル率はあまり高くないバッターです。ただ95mph以上の打球の割合を表すHardHit%はそこまで悪くない数字であり、打球に角度をつける部分、いわゆるフライボールレボリューション的なプレイができなかった部分が長打力不足に繋がってしまったと思われます。
 実際打球の打ち出し角度であるLaunch Angleも0.9とかなり低い数字になっており、打球に角度をつける技術に問題がありそうです。

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 通算の数字を見てもゴロの多さが目立つ選手で。GB/FBは常に1を超えています。一方で2017年からはラインドライブ性の打球が増えていて数字で言えばメジャーの平均を上回る数字です。彼のバッティングスタイル的にはラインドライブヒッターと評価することができそうです。
 HR/FBについても15%台でこれはメジャーリーグ平均と同程度の数字になっており、パワーに関しては特筆すべきものはなさそうです。

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 打球傾向については4割近い打球が引っ張り方向にある一方で逆方向への打球もコンスタントに3割を超えていてセンター方向への打球はあまり多くない形です。広角に打ち分ける打撃技術を持っていると評することはできそうです。

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 広角に打球を打ち分けつつ逆方向へのフライの多さが目立つ感じで飛距離的な部分を考えると逆方向へホームランを打つこともできそうです。

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 左右別の成績を見ていくと左投手に対して常に優位な数字が残っているのが分かります。打率OPS共に高い数字を残しており、左投手を得意にする一方で右投手相手にはフォアボールも三振も増え慎重なバッティングをしているようです。BB/K的には右投手の方が少しだけいい数字を残していて右投手に対する問題もなんとかなる余地を残しています。

5.球種・コース

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 こうして見ていくと変化球に対する対応力の高さを感じます。横に曲がる変化球に対して少し数字が悪い部分がありますが落ちるボールに対しては適応力を見せています。直球に対しても強く対応力という部分は期待できそうです。
 具体的に数字を見ていくとチェンジアップとカーブに対する対応力はあるもののスライダーやフォークといったボールに対してはあまり良くない数字が残っており、前後の揺さぶりに対しては対処できるもののそういった変化の鋭いボールに対しての対応力が課題となりそうです。

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 フォアボールを選ばないだけあってボール球スイング率は高い数字を記録しつつもボール球へのコンタクト能力は備えており、フリースインガーという感じがあります。初球のスイング率も高くかなり積極的に打っていくタイプのバッターです。

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swing%

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contact%

 インローとアウトハイについてはボール球でも振っていく積極性を見せています。アウトハイのボール球はコンタクト能力がありますがインローのボール球については積極的に振っていく上に当たらないという傾向になっており、気になる部分です。加えてインハイのコンタクト率にも不安があり、インコースが全体的に弱点と言えるかもしれません。
 アウトローのコンタクト率に不安がありますがアウトローについてはまだ多少見極めができていると言え、ここは評価できるポイントといえるのではないでしょうか。

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 コースについてですが全体的に低めに強いという傾向があり、真ん中高めに弱点がありそうです。低めに関してはインコース寄りにツボがあるようですがインコースになってくると良くない数字が並んでおり、NPBのインコース攻めに対して対処するソリューションを提示できるかどうかが大事だと思われます。

6.走力

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 2015年の数字になりますがMLB平均を上回るsprint speedを記録しており、身体能力の高さを伺わせますが年齢的な衰えもあると思われ、どこまで走れるかは不明です。
 加えて盗塁についてですがこれも成功率が低い数字にとどまっており、盗塁を期待するのは難しいかと思われます。特に2019年は5盗塁9盗塁死とかなり悪い数字となっています。

7.守備位置

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 守備については2015年の数字ではかなりポジティブな数字が残っていて、特にレフトとしては217イニングでDRS+9、UZR+5.4、ARM+3.6と非常に高い守備力を見せています。
 ライトとしても356イニングでDRS+7、UZR+3.1、ARM+0.5と両翼を守らせるという点において不安はなさそうです。2019年もライトでの出場がメインとなっており、ライトを任せる点において大丈夫そうです。しかしここ数年マイナーでのレンジファクターは低下傾向にあり、年齢的な守備の衰えがあると考えられます。

8.守備位置

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IL基準 140試合/15HR/打率.254/出塁率.297/長打率.394/OPS.691/RC27 3.733
MLB基準 140試合/16HR/打率.246/出塁率.290/長打率.388/OPS.678/RC27 3.493

 今回の予想にあたってはマイナー基準とメジャー基準で成績の予想をした上で年齢による衰えとパークファクターを加味した数字となっています。2020年はマイナーの試合がなかったことでブランクの部分でも気になるところです。

 基本的にはフリースインガーでどんどん打っていくタイプのバッターなので出塁率についてはどうしても伸び悩んでしまいます。長打力については楽天生命ドームはホームランが出やすい球場ではあるもののどうしてもこれぐらいの数字になってしまう部分があります。どうしても得点貢献などの部分では伸び悩む部分はありますが、ロメロとの契約が不透明な以上カスティーヨの獲得は面白いかもしれません。
 何よりキューバから亡命してその才能を期待されたプロスペクトであった以上カスティーヨのその実力は非凡な部分があると言え、その才能が日本で輝くとなればかなり楽しみな選手となりそうです。

 そういった感じでもし楽天入団となればかなり面白い補強となりそうなルスネイ・カスティーヨの記事でした。以上です。

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