乃木坂5期生事件への考察②

さて、今回は、秋元康氏の存在について考えてみる。

今回の件も、中西アルノをゴリ押ししたのは秋元氏であるとか、平手友梨奈の影を追ったのだろうとか、ネットではいろいろ言われている。良くも悪くも、そしてファンもアンチも、秋元氏に対する感情は強いことが伺えるが、果たしてそうだろうか?

NGT48における、山口さん暴行事件とその後の運営の記者会見において、秋元康氏のAKBグループにおける影響力はかなり縮小され、楽曲の提供に限定されていることがはっきり報じられた。山口さん事件においては、すったもんだの末脱退を選んだ彼女たちへ曲を提供することで、プロデューサーとしての体面と、運営への批判をちらりと見せ、存在感を出したものの、前田敦子や松井珠理奈、そして形は違うが指原莉乃へ対する思い入れというものは、現在のメンバーに対しては影を潜めていると言って良い。

平手友梨奈と欅坂に関しては、かなりストレートに自分の思い入れをうかがわせたような気もするが、平手の脱退を見ると、もはやプロデューサーとして、グループを牽引する意図は失われつつあるように思うのだ。

かつてAKB劇場のカフェで公演終わりのファンと意見を交換し、なんとか軌道に乗せようと熱くなっていた情熱や、「〇年に一度の逸材」といって、松井珠理奈や兒玉遥をプッシュしていた積極性はないと私は見ている。今はむしろ、ドラマのプロデュースのほうに軸足をうつしているのではないだろうか?(まあ、「考察ドラマ」とか、あまり私は好きではないんだけど)

さて、そうなると中西アルノセンターは、スキャンダルは関係ないとして、運営主導の人事だったと思われる(元々坂道も最近のAKBGも選抜フォーメーションは運営が出して秋元氏が承認する形らしい)。

秋元康プロデュースの特徴として、NMBの山本彩だけは例外であるが、基本的に歌唱力に秀でたメンバーはセンターにおかないという傾向がある。

乃木坂でも、2大歌姫だった生田絵梨花の単独センターの表題曲は『何度目の青空か』1曲のみ。川村真洋や2期の歌姫、伊藤純奈にいたってはアンダーセンターすらない。また、まだこれからの可能性は高いが、3期の久保も単独センターの表題曲はないのである。

むしろ、歌唱力に関しては不安定な生駒里奈や堀未央奈をセンターに置き、衛藤美彩や桜井玲香、高山一実や白石麻衣といった安定感のあるメンバーで挟むという形を好んでいたように思う(齋藤飛鳥は経験を積み上げて上手くなってからのセンターという印象。突き抜けた歌唱力というわけではない)。

そう考えると、ヴォーカリストとしての可能性の高い中西アルノをセンターにもってきたということは、やはり10年目のスクラップ&ビルド計画の一端ではなかったか? とも思うのである。


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