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異次元その84◉勾配意識

私はトップとの点差を詰める時に坂をイメージして詰めに行く。
例えば東1局に4000オールを引かれたとしたら点差は16000。それを残り局数で割り1局あたり何点必要かで考える。ざっと考えても2000点あがっておけば充分なので16000点差だろうとこの場合は2000のアガリが問題ないとする。
これが南1局だとそうはいかない。オーラスまで4局くらいとなると同じ点差でも目標到達までの上り坂の斜度が違う。
残り局数を考えたら1局あたり3900点は欲しい所なので2000の仕掛けは極力しない方針となる。
ラス前くらいになったら誰でも、嫌でも計算してると思う。8000を2回アガるとトップだな。とか。
そういうのを東1局から計算しておく。
ゲーム序盤から意識していることで不要な焦りを排除する。

所詮は緩やかな坂だ、逆転不可能な点差じゃない。と思うことで冷静さを維持して戦う。

冷静さを欠いてしまうとダマでいい手をリーチしたり鳴くべき手を門前にしたりしてしまう。

卓内の誰よりも落ち着いて戦うこと。
それは、南場親なし持ち点0点飛び寸前という崖のような急勾配でもだ。


実際の話。私は南1局西家で14000持ちラス目の4巡目にこのような手になった。

四四四六七八③⑤3488北

ドラは③
2と5は親が1枚ずつ捨てている。トップとの点差は17200。

ここで上家から④が出た。喉から手が出るような牌だがスルーして門前にした。鳴けば2000点はすぐにアガれそうだ。待ちはいい。しかし、2000点では点差的に不満なのだ。これを2000にしてもまだしばらくラスという現状維持をするだけである。
であればこれは見送り門前でリーチが力強い。その後2を引きリーチをして④をツモアガり満貫にした。 

これが正しいかはわからない、今回はこれが上手く結果に繋がったから正解だと思えるだけかもしれない。この局をアガれなかったら失敗だったと思ったかもしれないような微妙過ぎる④スルーではあるが、自分らしい戦略を成功させて印象に残った1局ではあったのである。

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