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狂雀士の徒然麻雀録その18◉大妖怪

その店には通称『妖怪』と呼ばれる常連がいて、あの手この手で勝ちに来る強敵であった。

その日、妖怪は私の下家にいた。

妖「リーチだ」

すると妖怪の袖口が手牌に当たってしまい、右手側3枚の牌が倒れてしまう。

西西九


あははは!じいさん!チートイツか
捨て牌に六も捨てて引っ掛けてたのに見えちゃったなあ!

と、お客2人は大笑いしていたが、私はあることに気付いていた。


妖怪のサイドテーブルに輪ゴムがあるということに。。


いつ外した……なぜ?

長袖を着ている人は麻雀中に袖が邪魔にならないように輪ゴムで縛る人がいる。妖怪もそのタイプだ。
だが今回輪ゴムは外されていて、それにより右側が倒れた。

なにかある。

私は1234から4を捨てた。
そして次巡テンパイ

二三四七七九③④123678から九切り。


私「当たっていいですよ。見せ牌罰則規制なしですからね。…当たりならどうぞ。」

しかし通る。

妖「……!!」
妖怪が掴んだのは②

ロン!

なんだよそれ4取っておけばタンピン三色なのにお前、とみんな不思議がる。


右手側3枚倒したのはわざとなんでしょ?上手いよね。でもさ輪ゴムは隠しておかないと。持ってるのに付けてないならおかしいなって思うよ。


妖怪はしまったという顔をして

ポジションが悪かったな〜サイドテーブルが見える位置に坊やがいたのが運の尽きかあ。

と言って見せてきた手牌は

一①⑨9東南北白発中西西九

やはり国士無双だった。

お客2人「て、天才だな。これ見抜いてタンピン三色崩したのか。。」

その日から私のあだ名は大妖怪になった。

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