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【小話】「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」の女神転生シリーズへのリスペクトを探してみる

こんにちは、なるぼぼです。

ただいまペルソナ5に思いっきりハマっています。
ゲーム内で感じた諸々はSteamの方で大方話してしまったので、Noteでは小話なんかを中心に色々やっていこうと思っています。
今回は「他女神転生シリーズとの関連性」について。
本作を遊んで思ったのがとにかく過去作へのオマージュやリスペクトが多いこと。
本当にメガテン好きなんだな、と伝わってくるぐらいにリスペクト盛りだくさんだった気がします。
丸出しのものからこじつけだろってレベルの細かい部分まで、余すことなく話していこうと思います。
なお、本作のストーリーと女神転生シリーズの関連性については、LNCの方式を踏まえながら別記事で書く予定です。
ボリュームが凄いことになりそうなので…。
よろしくお願いいたします。

本記事にはペルソナ5ザ・ロイヤル及び旧作ペルソナ(1~4)、他女神転生シリーズのネタバレが含まれます。
お気を付けください。

1.悪魔の顕在化

さて、まずお話したいのが悪魔化した敵の話。

ペルソナ3以降、シリーズでは敵キャラは「シャドウ」に統一されていました。
人の裏側の存在というやつですね。
シャドウはペルソナ2の時点から登場していますが、当時はペルソナ4みたいな「人の見たくない部分」を象徴するボスキャラであり、一般雑魚敵として「シャドウ」という名称が扱われるようになったのは3以降です。
そんなシャドウはオリジナルのイラストで描かれており、基本的に会話もできずただ倒すだけの存在でした。

しかし、本作からはそんなシャドウに今までの悪魔イラストが追加されました。
言ってしまえば元々悪魔と戦っていたペルソナ2からの原点回帰とも言えるような展開なのですが、それでも悪魔が登場してくれるのは個人的にも非常に嬉しい展開でした。
おそらく開発側からすると「悪魔会話の復活に合わせて」というような理由だと思うのですが、やはり敵が悪魔だと懐かしさを感じてとてもいいです。
あと、ペルソナ3や4では色違いで別の敵、とかいう使いまわしが結構あったので、バリエーション的な面からも評価できると思います。

モロクさん、他作品にあまり出てこないので「こいつ誰だっけ…?」ってなってました。

そして、悪魔が出てきたことによって、様々なイベント戦闘で積極的なリスペクト要素が伺えるようになりました。
例えばメメントスのサブクエスト。
サブクエボスにオベロンとティターニアが出てきたり、ラストパレス近辺ではスカアハとクーフーリンが出てきたりと、なんだか懐かしい組み合わせで敵が出てきてくれたのは良かったです。
葛葉ライドウvsアバドン王の妖精の国を思い出したり、アバタールチューナーのポイント136を思い出したり…。
序盤のボス格でベルフェゴールが出てきたときは懐かしすぎて声出しました。(ペルソナ2罪以来の敵対ボス)
シャドウ中野原の見た目でオバリヨンが出てきたときには笑っちゃいましたね。髪一緒やん!

トイレ王のベルフェゴールさん。真5で出たのも実はペルソナ5の功績だったりする…?

ボスだと「シャドウ金城」がとても印象的でした。
蠅の見た目で例の蠅王を思い出しましたが、バエルらしいので概ね間違いはないのでしょう。
ネズミ状態にしてくるところとかもろリスペクトなんでしょうね。(蠅にしてくる敵で印象的なのはバアルアバターの方なのですが…。)
あと「ブタトロン」
モロ機械の天使をもじった名前で、もうアマラ深界そのものだろって思いました。
本当に懐かしい。物理攻撃しかしてこなかったのはちょっと物悲しいところがありましたが。
まぁあの段階でシナイの神火とか撃たれようものなら全滅必死なので無理もないんでしょうね。

メカでブタトロンってもうまんまなのよ。羽根生やしてたら満点だったかも。

あとこれはLNC関連でも話そうと思うのですが、12月のボス手前に出てくるセラフ4大天使は、本当に強いリスペクトのもとに出したんだな、とちょっと感動しました。
ガブリエルが慈悲を見せるところもしっかり出してあって良かったです。
アバチュ2も隠しボスでセラフ4大天使と戦えますが、アレに似た感動がありましたね。
もちろんペルソナで戦っているので、「お前出てくるの!?」と思いましたが。

めちゃくちゃそれっぽいことを言ってくるミカエル。もしかして真1から出張してきた?

さて、悪魔会話の話もここで。
本作は簡易的にはなりましたが悪魔会話が追加されています。
会話で敵を仲魔にするのは実家のような安心感がありました。
さらには敵も結構それっぽい会話を入れてくれるので、結構メガテンに近い感じで会話を楽しめました。
アークエンジェルだと「我らが父の御名の元~」なんて言ってくれたりします。
某4文字さんのことですかね…?
会話の量としてはボリューム不足を感じますが、正直追い詰めている状況下でしか悪魔会話できないので、無理もないと思います。
あくまでおまけ程度ですが、ペルソナファンもこういうところから女神転生の魅力を感じてくれているのかな…なんて思っちゃいます。

合体時も特徴的な悪魔はそれっぽいことを話してくれます。スピードの向こう側へ…!

悪魔についてはこんなところで。
各作品のリスペクトを多大に感じられるのは良いものですね。

2.選ばれた「東京」

さて、次は舞台の話。

本作は舞台として「東京」が選択されています。
今までペルソナシリーズは架空都市を舞台としていたのに、ここにきて思いっきり東京になりました。
しかし、東京になったことで本作にはリスペクトを多大に感じられる要素が含まれています。

渋谷駅も丁寧に再現されています。ポスターにはP4のりせちーやP4Dのかなみがいます。

やっぱり本作の重要点と言えば「吉祥寺」でしょう。
吉祥寺は真1の主人公の住んでいたところ、まさにメガテンシリーズの「スタート」ともいえるような場所です。
アーケード街がある吉祥寺、カフェでコーヒーを買う展開なんかがあれば最高でしたが流石にそこまではなかったですね。
とはいえダーツクラブで「Kichijoji 199X」として真1の吉祥寺のリメイク版が流れるなど、意識的に女神転生を思わせるような部分はあるので、あえて出しているんだろうなとは思います。
凄い有難い。
あとイベントから井之頭公園にいけるのも、なんとなく真1を思い出して懐かしくなりました。

吉祥寺と井之頭公園と言われるとね…。あとこの文章、「コダワリ」がカタカナなのってコトワリのもじりなのかな?

あとモロ出ししてる場所と言えば「東京ディスティニーランド」でしょう。
真1でエキドナがいたカオス勢の拠点の一つであり、アバタールチューナー1のポイント136のもととなった場所(あっちは世界がアメリカ規準なので、本家のディスティニーランドかも…?)です。
概観はモロ現実にある例のあれですが、久しぶりに名前が出てくると盛り上がるものですね。
しかもペルソナシリーズで出てくるとは思わなかったので本当にありがたかったです。
女神転生の方だと真1以降はお台場方面に行く機会がなかったり、千葉県あたりが壁でおおわれて先に進めなかったりと出てくることがなかったので…。
懐かしかったです。

あの城、東京版とは言えどもポイント136なのか…?

あとはモロ出しってほどではありませんが、新宿や市ヶ谷があったり、スカイツリーに行けたりと、場所的にちょっと懐かしいところに行けたのは良かったなと思います。
やっぱり新宿歩けるのはいいですね。
地下アーケードではないものの、新宿というだけで何かこう思い出すような懐かしさがありました。

3.音楽への圧倒的リスペクト

さて、僕が注目してやまない音楽の話。
既にちょっと話していますが、別の切り口から見ていこうと思います。

本作の音楽の重要性の一つに、「覚醒戦闘のBGMが違う」というものがあります。
基本的に本作の戦闘で流れるのは「Take Over」か「Last Surprise」の二曲なのですが、仲間のペルソナが覚醒した時の戦闘だけ「Will Power」という曲が流れます。
これ、おそらく「女神異聞録ペルソナ」のリスペクトです。
異聞録ではペルソナの覚醒シーンで「神話覚醒」という専用BGMが流れ、ペルソナがカッコよく登場して敵を薙ぎ払います。
南条くんのペルソナ覚醒が印象に残っている人も多いと思います。
しかし、それ以降の作品はペルソナ2は覚醒時も通常戦闘の曲、3は覚醒時のタイミングで戦闘が発生しない仕様、4はペルソナ覚醒がボス撃破後になっている仕様と、今までは覚醒のタイミングで曲が変わることはありませんでした。
しかしここにきて覚醒時に別のBGMが流れるようになったのです。
明らかな原点回帰。当時の作品にあったカッコよさを感じました。
アツい曲と共に敵を薙ぎ払う新しい仲間。最高です。

今作は「覚醒」の意味合いがしっかりあって、リスペクトを感じました

音楽の方向性だと、強制戦闘の「Keeper of Lust」とかはしっかりメガテンらしいハードロックになっていて好きです。
とはいえこれはペルソナ3の「避けられない戦い」に近いような曲調だと思うので、今までの伝統を引き継いでいるといったところだと思います。
とはいえ「Tokyo Daylight」とかは今までになかったようなベースの主張がハッキリした音楽なので、独自性もしっかり出ていてすごいです。
本作は基本的にベース強めの曲が多いので、渋くていいんですよね。
凄い好みです。

昼間に都会歩きながら流す「Tokyo Daylight」はマジで最高

あとこれは僕が好きというだけで関連性は一切ないと思うのですが、マジでダンジョンの曲が良すぎます。
今までだとペルソナ2の「蝸牛山」、ペルソナ4の「Secret Base」や「Heaven」なんかが好みではあったんですけど、本作は全部のダンジョンのBGMがいい。
班目パレスの「A woman」、金城パレスの「Price」あたりでダンジョンBGMも結構いいなと思っていたのですが、爆発したのは「母のいた日々」と「The Whims of Fate」の二曲。
特に「The Whims of Fate」はヤバすぎます。オシャレすぎる。
ペルソナ3の「Deep Breath, Deep Breath」とも違ったカッコよさ。
挑発的なメロディーとノリノリで進めるような音楽に、カジノを模したパレスの煌びやかさが合わさってもう最高でした。
「母のいた日々」はエジプト調の世界にあった曲で、泣きのギターがパレスの主にあったいい曲だと思います。
雰囲気とかも相まってちょっとだけアバチュを思い出しました。
元となってる宗教は全然違うけど…。

インスト曲なのにキャラの心情が伝わってくるの、ホントにすごいと思います

4.DLCの服と映画館、DVDについて

最後にDLCの服と映画館の話。

本作、DLCが40本ほど存在し、ほぼ全てのコンテンツがリマスター版に収録されています。
そんな中には過去作の服を装備することのできるコンテンツもあります。
そのコンテンツ量が凄い。
真・女神転生ifからペルソナ4まで、PQ2の衣装もあれば真・女神転生Ⅳのサムライ衆の服まで、色々な装備品があります。
特筆すべきものをいくつか話していきましょう。

SHOW TIMEもこの通り

まず、明智の衣装の話。
実は明智だけ主人公たちの服ではなく、作中のボスに相当するキャラクターの衣装が割り当てられていることがあります。
真・女神転生ifの魔神皇ハザマの服、ペルソナ2の春日山高校の制服(おそらく淳をイメージしている?)、ライドウの宗像将校の服など、ボスの中でも印象的な奴らに当てられています。
残念ながら世界同時販売の関係上ライドウの服は収録されていないようなのですが、そのほかでも懐かしさを感じる衣装になっていて良かったです。
ホントを言えば春日山の制服を他メンバーが着てたりしてほしかったのですが、ハザマや淳は境遇が明智とどことなく似ていることもあってか、なんとなく似合ってると感じました。
ハザマも淳も苦労した人物ですし、敵対する意味付けもしっかりあるキャラなので…。

明智だけ装備できる服がちょっと違います

次に音楽リマスターの話。
ペルソナ2の七姉妹学園の制服と真・女神転生ifの軽子坂高校の制服を装備した際に流れるBGMは、過去の使いまわしではなく本作からの書下ろしになっています。
2015年を超えても愛される真・女神転生ifのアキラ編ボス戦のテーマ「宿敵」はともかくとして、まさかこの時代にペルソナ2の戦闘が作り直されるとは思っていませんでした。
最初にプレイしたメガテンシリーズと言うこともあってペルソナ2、特に罪にはかなりの思い入れがあるので、素直にうれしかったです。
プレイ中はペルソナ5の音楽を聴くことを意識して衣装替えはほとんどしていなかったのですが、ところどころでアクセント的に着替えをしてはいたので、2周目からはちゃんと装備したいなと思います。
実際「宿敵」の方も真・女神転生Ⅲの「戦闘-アマラ経絡」以来の登場になるので10年ぐらいは経過している分とんでもないことなのですが…。
どちらかというとアマラ経絡寄りの作り直しだった気がします。
結構真ifと真3でメロディーは違うので…。

懐かしさと新しさ、どっちも感じられる戦闘になっています

こんなところですかね。
ライドウの服はかなり作り込まれていた(声優繋がりで祐介もライドウの服になっているところなど、細かい部分にこだわりが見える)ので、収録されていなかったのは悲しかったです。
BGMも超力兵団の方が収録されていたのもこだわりを感じましたし。
こればっかりは映像で我慢するしかなさそうですね…。
ただその他の衣装は大満足です。
欲を言えば軽子坂のCOMP搭載は主人公だけにして欲しかったとか、真3の衣装とかも入れてほしかった(5人しかいないので無理そうですが…)とか色々言いたいことはありますが、旧作への愛を感じられたのでおおむね満足です。
P4の月光館の制服も戦闘後モーションがP3のものになるなど強いこだわりがあったので、こういう目線で旧作出してくれるのは嬉しいです。

原作ならあり得ない配置だけど、P5Rならできるんです!

忘れてました、映画館の話。
本作では昼間に映画を見たり夜にDVDを見たりすることができるのですが、そこにも旧作のBGMが扱われています。
特に印象的だったのがペルソナ2に収録されていた「岩戸山」と「安らぎ」の採用です。
どっちもペルソナ2の根幹を占めるような超印象的な曲だったので、まさかの登場におったまげました。
特に岩戸山。
ペルソナ2罪の岩戸山は、仮面党の真実やジョーカーの真相など本作の謎のすべてが明らかになる超重要ダンジョンです。
そんなダンジョンの曲は当然印象に残るわけで。
それがペルソナ5やってたら急に流れてくるんです。
椅子から倒れました。マジで。
なんというかペルソナ2罪を遊んでいた当時を思い出しました。
安らぎの方もエンディング後に流れるエピローグのBGMなので、聴いたときには達哉を思い出して悲しくなりました。
こういうところで出してくるのホントにズルいと思います。

モルガナ、それ以上はいけない

5.終わりに

いかがでしたでしょうか。

とんでもないボリュームでありながら、メガテンやペルソナ旧作への愛を忘れない本作は、メガテンファンから見てもまごうことなき神ゲーであると思います。
旧作を忘れないリスペクト精神。
素晴らしいと思います。

さて、ここまで語ってきたうえで申し訳ないのですが、僕はこのメガテンリスペクトはストーリーとキャラクターにこそ本質があるのではないかと思っています。
次回はそんなストーリーとキャラクターの話をしようと思います。
中心となるのはやはり「獅童正義」。
獅童のキャラクターやラスボス、ロイヤルで追加された真のラスボスの存在も交えながら、本作をLNC的観点を用いて色々と考えていく予定です。
お楽しみに。

それでは、今回はこの辺で。
さよなら~。

この男を徹底解説!(予定です)

※12/11追記
続きの記事が完成しました。
よろしければ合わせてお読みください。


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