見出し画像

【感想】CLANNADの大作すぎるルート、伊吹風子の話

※記事の整理してたら間違えて消しちゃいました。
速攻復元しましたが、スキ!つけてくれた方、申し訳ないです…

こんにちは。なるぼぼです。

なんやかんやでCLANNAD、順調に進んでおります。
この記事の執筆開始現時点では風子→美佐枝→藤林姉妹と進んでいます。
今藤林姉妹の終盤です。

で、まぁちょこちょこっっと進めたわけですが、現時点で風子ルートだけは怪物級の大作であったこと、そしてこのルートだけは明確に記事にしておかないと納得がいかないという気持ちがあったので、記事にまとめておこうと思います。
美佐枝さんルートの話もするかも。関係性あるっぽいし。

※いつものことながら、本記事には渚ルート、風子ルート及び美佐枝ルートのネタバレがあります。お気を付けください。
また、Afterクリア後に自分の意見も変わるかもしれないので、まだ途中で書いている記事だ、ということをお忘れなく。

それではいきましょうか。

1.すっとぼけた子供みたいなキャラクター

渚ルートの時点で大半のキャラに触れていた自分は、風子って言われると「あの木彫ってた女の子かぁ」ぐらいには印象がつけられていました。
風子ルートの序盤では風子の「子供っぽさ」が随所に現れているように感じました。

画像1

早口言葉で噛んだり、妄想の世界に飛んでいる間に主人公に悪戯されたり、辛辣な言葉を投げかけたりと、結構純粋でそれでいて可愛がられやすそうな印象の風子。
後輩キャラ感も強いとは思いましたが、何より悪口を言い合えるぐらいのふざけた距離感がいいなぁとは感じました。
序盤は普通に嫌われてるだけのようにも見えましたが、色々あって徐々に主人公に心開いていく姿は幼い印象も受けますし、そこが魅力のようでもあると思います。

画像2

もう一つ上げるなら、感性の独特さでしょうか。
渚に似て、ヒトデが好きなところを譲らないという点では、風子の感性も独特であると思います。
あとすっごい変な夢見るところとか。
これは恐らく別の意味があるとは思いますが、そんな夢見るか?みたいな意味わからん夢を見るシーンがあります。
キャラの主張が強すぎるため僕は「この子超好き!」とまではいきませんでしたが、こういった所も風子ならでは魅力の一端だと思います。

正直こんな子とわちゃわちゃするルートもありだなって思ってました。最初は。
やっぱりこのルートも渚と春原がいて、4人で楽しく時間が流れていく…。
そんなルートがあることを、本当に期待してプレイしていました。
見事に結果は裏切られたわけですが。

2.急激に変わる雰囲気と明かされ続ける真実

正直なところ、このルートの魅力は完全にストーリーラインにあると思っています。
途中何度も驚かされましたし、最後の30分は泣きっぱなし状態でした。
おさらいも兼ねて、中盤から見ていきましょう。

姉の結婚を祝ってもらうために、木で彫ったヒトデを全校生徒に配り歩いている風子。
ひょんなことから主人公、渚、春原は彼女の力になろうと協力を始めます。
特に渚は、風子の姉である公子先生にお世話になっていたこともあって、友達のように接しながらも風子のことを気にしていました。
ただ、その公子先生に会いに行った頃から、物語の歯車が悪い方向へと回り始めます。

画像3

公子先生の口から伝えられた言葉は「風子は今も病院のベッドで眠っている」という事実であり、学校にいる風子は病院のベッドで眠っている風子の願いをかなえようとしている存在でした。
渚と主人公がこの事実を知った後、彼らはより親身に風子を助けようとします。
風子自身も古河家に泊めてもらったことで、使命としてのヒトデ作り以外の行動も考えるようになります。
でも、時間の流れとともに風子の存在は人々の記憶から不自然なほどに早く抜け落ちていきました。
木製のヒトデも、それに込められた彼女の願いも。

画像4

そして、主人公は「実際に公子先生と風子を会わせてあげよう、それが一番いい」と考え、渚の協力を取り付けたうえで、学祭の日に公子先生を呼び出します。
そして二人は会いますが、公子先生は風子が見えない中、病院にいた風子の容態が著しく悪化しているという事実を告げました。
ここまでで、物事が徐々に、徐々に悪化していくことを、時間の流れと公子先生の言葉の現実性が如実に伝えていくシーンは、胸に突き刺さるような苦しみを覚えました。

画像5

さらに拍車をかけるのが、渚と春原、そして古河家からも風子の記憶が抜け落ちていくという描写。
春原はかろうじて風子という名前だけを最後に思い出し、嫌いじゃなかったと言い残します。
渚は自身のルート同様、学祭後病床に伏してしまいます。
風子がそばにいてくれても、渚は時間の流れの中で彼女を忘れつつあることを自覚しており、自分が風子の存在を意識しなくなっていることに悲しみを覚えます。
そして秋生さんは完全に忘れ去ってしまいましたが、早苗さんの方は名前と存在だけを覚えており、ずっとここにいていいと伝えます。

画像6

実はこの手の描写を別のギャルゲで見たことがあるのですが、そのゲームのあるヒロインのルートでは、主人公自身の存在が身近な人に忘れ去られていくという描写がありました。
僕は、その残酷な現実を伝える描写が苦手過ぎて、そのヒロインだけはあえて避けていました。
今回こうして似たようなシーン、しかもヒロインが忘れ去られていくという展開を見て、僕は正直凄く心に来ました。胸が締め付けられるような感じ。
そして何より厳しかったのが、周りの人間が忘れていくことに対して、主人公が対策を練っても練っても効果が得られないまま時間だけが過ぎていくというやるせなさ。本当にしんどいです。
願いがかなえられなくなっていくという現実と残酷さが、深い悲しみを生み出しているのは、間違いなく風子ルートの大きな一要素だと思います。

3.二人きりの前祝と意外な重要人物

風子が様々な人に忘れ去られていく中、風子の願いだった公子先生の結婚式の段取りは順調に進んでいきました。
式は学校で開かれることとなりました。
その二日前に風子と主人公は二人っきりの結婚式前祝を行います。
この時間は楽しくも儚く過ぎていき、いつしか主人公は眠りに落ちます。

画像7

その後、目覚めた主人公は風子の記憶を失っていました。

最悪の展開の中、結婚式前日の日を主人公は何気ない一日として消費しようとします。
そんな中で出会うのが、幸村先生です。
幸村先生は演劇部の顧問もしてくれるような不思議な先生であり、公子先生の恩師でもありました。
そして彼は風子ルートでは主人公たちの「風子に授業をさせてあげたい!」という願いや、公子先生の結婚式会場を学校で行いたいという主人公の願いをかなえてあげていました。
幸村先生は結婚式準備をしており、行動を疑問に思った主人公に「その年でボケたか」と言うとともに、この行動が「主人公が願ったことである」ものと、「風子の願いでもある」ことを伝えました。
これによって、主人公は完全に風子のことを思い出し、彼は結婚式を風子と共に迎えることになります。

画像8

幸村先生の存在はちょこちょこ出てきましたが、ここまで大きな役割をするとは思わなかったので、正直本気で驚きました。
かつ、この人がいなければ何も知らないまま時間だけが流れていくという残酷さに飲み込まれていたんだ、という恐ろしい事実がありました。
それを回避させてくれたのは幸村先生で、ここでも僕は泣きじゃくってました。
なんというか、幸村先生が出てきてくれたおかげで、僕自身の心が救われたような気がしたんです。
そんなもう涙腺ボロボロ状態で、物語はラストシーンに入っていきます。

4. 大どんでん返しで迎える結末

そうして行われた結婚式。
式はやはりと言えばやはり公子先生たちの知り合いしかいない…と思われました。

式の終盤、校門に向かうとたくさんの在校生たち。
彼らは風子の存在を忘れても、彼女が願っていたことだけは覚えていました。
結婚式に集まったたくさんの人たちに見送られながら、公子先生夫妻は式場をあとにしようとします。

画像9

彼女は願いが叶った環境の中で、主人公と二人で語らいます。
彼女の見た「ヒトデ祭り」という意味の分からない夢は、主人公の存在の大きさを表していたかもしれない、というしょうもないのか大事なことなのかよくわからない話をした後、彼女は「一緒に過ごした時間は楽しかった」と告げて、少しずつその姿を消していきます。

画像10

主人公は風子の名前を忘れながらも、結婚式にこんなに人が集まってくれたのは、ヒトデを配り続けた風子の努力が実っていることであると同時に、風子の気持ちを知った人たちが風子のことを好きでいてくれたからだと公子先生に語ります。
そして最後、公子先生がついにその場を離れようとしたときに、木彫りのヒトデが主人公と彼女に手渡されます。
間違いなく彼女はその空間にいたんだ。
その事実を伝え、結婚式は幕を下ろします。

画像11

最後まで大号泣でした。
風子が願いをかなえたと同時に、一番大切な人に一番大切な思いを伝えられたことは、本当に素晴らしいことだと思います。
本当に良かった。

5.ちょっと考察:風子の存在について

風子がどうしてこうして姿を見せたのか、結局風子の存在はなんだったのか。
美佐枝さんルートでは志麻くんとしてその描写が少し描かれていましたが、彼らの存在が確実にこの街にあることは事実でしょう。
志麻くんは若き日の美佐枝さんの夢をかなえようとした人物ですが、作中で死んでいることが発覚し、美佐枝産の前の志麻くんは「死んだ志麻君の願いをかなえようとした存在」として表記されています。
おそらく風子と同じ存在でしょう。

画像12

端的に事実をまとめると「死ぬ、もしくは死に瀕している人間の願いをかなえるために、別の存在が行動を起こすという現象が町に起こっている」といたことでしょうか。
僕は、勝手な想像でこの事実は「幻想物語」と繋がっているような気がしています。
幻想物語のガラクタ君は心を与えられ感情を知る中で、願いをかなえる存在になろうとしていました。
その世界に元からいた少女の願ったことではないのですが、その世界でどうにかして外の世界を見せてあげたい、という意思は二人の間で共有出来ていたんじゃないかと思います。
僕は、「願いをかなえたい」という意思が幻想世界でガラクタになる前に、現世で不確実な存在として現れるんじゃないか、と思っています。

画像13

そして風子たちの行方。
志麻くんは猫になったという描写がしっかりと残されていました。
風子は起きたかな?みたいな描写がありましたが、これに関しては何とも言えないなぁと思っています。
可能性としては本当に戻ってきて主人公に告白した(もしくは友達になった)説と、公子先生に渡したヒトデになった説があるような気がします。
前者はそのままストーリーを捉えた場合。
ただ呼吸困難から生還してすぐにこっちの学校に戻ってくるって結構不自然だと思うので、個人的な予測は後者の方かな~って思ってます。多分。

画像14

これに関しては状況証拠が一切ないことや、まだ話の全容が理解できていないこと、幻想物語の話をしながら渚の病状に関わる問題に触れていないこと、なにより主人公との関連性が一切ないことが問題として挙げられるので、かなり不透明です。
何一つあってないような気さえします。まだ序盤だしね…。

終盤になったらもう一度思い出して考察してみたいですね。
考察の余地がないほどに説明されたらアレですが。

6.まとめ

ホントにこのルート半端なかった。

この手のギャルゲではありがちな話題ではあったものの、大きなどんでん返しをバシバシと続けていったことや、一言一言に係る現実的な重みが見事に表現されていたことで、強烈に印象に残るルートになっていました。
皆に忘れられていくってルートは本当に恐ろしいですよね…。
ただそれを乗り越えてのドでかい感動があるのもまた事実ですが。

さて、次は藤林姉妹のお話をしようと考えています。
正直あのルートは感動した、ってほどではないのですが、やっぱり思うところはあるので、また色々とお話しできればいいなと思っています。

それではまた。失礼します。

—他ルートの感想は以下のリンクからどうぞ―

・渚ルート

・藤林姉妹ルート

・智代ルート

・ことみルート


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?