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【感想】CLANNAD 人と向き合うための勝平+椋ルート

こんにちは、なるぼぼです。

ことみルートの時点で勝平ルート書くかも、と思っていましたが、やっぱり書こうと思います。
メインヒロインよりはショートな話のため普段ほど濃ゆい記事を書くつもりはありませんが、よろしくお願いします。

※例にもれず、この記事はCLANNAD勝平ルート、藤林姉妹ルートのネタバレがございます。
気になる方はブラウザバックで。
オールクリア前であることにもご注意ください。

それではいきましょう。

1.天真爛漫な男の子

勝平のイメージは天真爛漫。
とにかくお調子者であるという部分が抜けないキャラだと思います。
バイトで失敗したにしてもどこか普通じゃない失敗をするあたり、天然ボケが凄いと思いました。
ドでかいボケをかましまくりながら、椋と付き合うと死ぬほど惚気てきます。
誰かこいつをどうにかしてくれ…。

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一方の椋。
とにかくべた惚れです。
とてつもない弁当を作るところは相変わらずですが、彼氏に尽くすタイプなんでしょうかね。
春原にも若干キレ気味で行く辺り、本気度が伺えます。

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正味メインルートほどではないんで、恋愛に持ち込む雰囲気がなかった分あんまりキャラには深堀しないで行こうと思います。
響いたのは間違いなくストーリーです。次行きましょう。

2.諦めた命と悲しみの命

勝平ルートでは、勝平と椋が付き合っていくところから話が始まっていきます。
順風満帆かと思われた二人の生活も、椋の持ち込んだ相談と雑誌の情報によって大きく変わっていきました。
それは勝平が癌を患わっているにもかかわらず、手術を行う意思を見せなかったという問題でした。

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勝平は元々陸上で大会に出るほどの優秀な選手でした。
しかし、足に癌を患わってから自身の生きる意味を失ったと感じていました。
それはただ単に走れないことへの失望という意味だけではなく、親の愛を受けずに孤児として育った彼の、過去の出会いに理由がありました。

「ただ一つのことを、やみくもに突き進むこと」

勝平が孤児院にいたころに出会ったミュージシャンの言葉。
彼はこの言葉に縛られていました。
そしてこの言葉に縛られていたからこそ、椋の言葉を聞かずに自らの死を受け入れようとしていました。

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椋の「一緒にいたい」という気持ちが勝平に届かないことに、主人公は悩むことになります。
椋自身も深い悲しみに打ちひしがれており、胸の中で泣いてもいいかと度々主人公に頼むほどでした。
椋はメインヒロインとして登場する機会がないのですが、こんなにも救われない展開が続くと悲しい気持ちになりました。
杏ルートしかり。

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そこに偶然現れたのが芳野祐介。
彼は椋が泣き続けているのを見て、主人公たちに「自分に相談してみたらどうだ?」と提案します。
そこで彼の出した答えは「支えていてくれる人がいて、人は初めて立つことができる」という、シンプルながら的確な言葉でした。
それを聞いていた椋は、とある作戦を考えつきます。

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3.「二人で歩くこと」の答え

翌日、椋と主人公は勝平の病室を訪れます。

そこで彼女が口にしたのは、「できちゃった」というワード。
これは速攻嘘だとバレるのですが、その後彼女は未来の話を続け、勝平を説得します。
それは勝平と一緒に生きていたいという彼女の素直な気持ちであり、勝平の命がなければそれは叶わないと伝えます。
そして、勝平は彼女の気持ちを受け入れ、手術をすることを決意します。

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5年後、椋と病院で再会した主人公は、術後の勝平との面会に向かいます。
物語はここで終わりを迎えますが、二人の幸せが丁寧に、そして静かにつづられていました。

4.考察:「言葉を否定すること」で見えてきたもの

このルート、僕が響いたのは二つあります。
一つはこのルートの肝となる「支え合っていくことの大切さ」
主人公が当事者にはなりませんが、勝平と椋のすれ違った感情をプレイヤーが友人の一人(主人公)として見ていくことで、よりルートの主題に触れやすくなっていると感じました。

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それよりも僕が凄いと思ったのが、祐介の存在。
彼は椋にアドバイスを渡すという立ち位置のキャラですが、その中で大事な発言を一つします。
それが、「一つのことをやみくもに突き進め」と言ったミュージシャンの言葉(勝平の信念)に対して、「無責任な言葉だ」と切り捨てたことです。

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「一つのことに向かって邁進しよう」という言葉は、とても重要な言葉です。
何かに向かって一つでも努力し続けることで明るい未来は見えると思いますし、その信念をもとに成功した人もいると思います。
ただ、それは勝平にとっては逆説的な意味となり、「他人を必要とせずに自分の力だけで生きていかなければならない」という言葉にも取れるようになってしまいました。
事実勝平にとって陸上は生きる意味であり、それがなくなることは新年の崩壊に他なりません。
それこそ彼の死であったのです。

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そんな言葉を一蹴した祐介。
彼の言葉の重みは他人の言葉を簡単に切り捨て、自身の思うままに「他人に支えてもらっていることを忘れるな」と伝えました。
それは勝平にとってのベストワードであったことは間違いないでしょう。
肝心なことは、このルートの主題は「支えてもらうこと」ではなく「支え合っていくこと」にあるという点です。
つまり祐介の言葉は勝平のベストワードでありながらも、それを昇華して「支え合い」という互いの幸福となる結末に繋げていけることを、「二人だけの灯りがともった世界」というワードに込めたのです。
兄貴かっけぇ…

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言葉の本質はいつも一方向的、直接的に捉えられがちですが、それが人を伝っていくことで変質することがあります。
このルートは言葉が繋がってよりいい方向に向かい、結果として二人を幸せにした。
そんなところに、このルートの素晴らしい部分が詰まっているんじゃないかと僕は思いました。

5.終わりに

いかがでしたでしょうか。

勝平ルート、短いうえに主人公の介入があまり強くないというサブルートらしい独特差を持っていましたが、伝えたい主題が強く伝わるいいルートだったと思います。
あと祐介のポジションがずるい。イケメンやん。

次回はおそらく有紀寧ルートです。
またクリアしたら更新しま~す。よろしくね。

それではまた次回。じゃあね~。

—他ルートの感想は以下のリンクからどうぞ―

・渚ルート

・風子ルート

・藤林姉妹ルート

・智代ルート

・ことみルート



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