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【感想?レビュー?】ポケットモンスターバイオレット オープンワールドの宿命

こんにちは、なるぼぼです。

ポケモンSV、買ってしまいました。
実はそこまで買う気がなかったのですが、皆やる!って言ってたから買っちゃいました。
スプラの二の舞みたいになってる…
とはいえ、色々と思うところがあったので、いつも通り簡単にまとめて話してみようと思います。
あまりネタバレしないようにはしていますが、序盤部分は若干してるかもしれないので、お気を付けください。(多分1個目のバッジまでやってれば大丈夫だと思います)。
それではいきましょう。

一応そこまで関係ないですが、前作のレビューもどきも残しておきます。
よろしければご一読ください。

1.自由なポケモン

本作を簡単に語ると、「自由なポケモン」と言えるでしょう。
それは宣伝の中にもあった、どこからでも始められるといううたい文句にも含まれていました。
どこからでも、何をしても楽しめる。
それはまさに、「オープンワールドをポケモンが選択した」ということの表れでした。

しかし、ポケモンは何も今作からいきなりオープンワールドを盛り込んだわけではありません。
前々作の「ポケモン剣盾」ではワイルドエリアというポケモンが出てくる広大なエリアがありましたし、前作の「ポケモンLEGENDS アルセウス」では実験的でありながらもオープンワールド要素が盛り込まれていました。
そうした要素を踏んだうえで、本作はしっかりと全部オープンワールドにした、といえます。

本作がオープンワールドになったことによる最大の魅力は、やはり「ポケモンと触れ合える」点でしょう。
エンカウントもシームレスになり、プレイヤーはポケモンの生き様をより正確に見れるようになりました。
追いかけてくるポケモンもかわいいし、寝てるポケモンもかわいい。
ポケモンはビジュアルがとてもいいゲームだと思うので、ずっと好きなポケモンが眺められるというのはなんとも嬉しいものです。

また、冒険感を上げ、ストーリー上の進行ともマッチしている点は見逃せないでしょう。
本作は自分だけの「タカラモノ」探しのために、プレイヤー含めた学校の皆が旅に出ます。
そうした旅の中での冒険感をあおるようなフィールドの広大さは、ゲームを進める上でモチベーションになります。
自由に広々とした野原を駆け巡るというのはオープンワールドの良い点ですが、そこにポケモンがいて、子供なりにも大冒険を繰り広げられるというのだから、本作はかなり良い仕上がりになっていると思います。
そうした意味合いでも、本作はまさに「自由なポケモン」なのでしょう。

さて、何より本作を自由たらしめるのが、「どこから攻略してもいい」という点です。
本作も例にもれずジムバッジを集め、敵のスター団を倒し、時にはデカいポケモンと対峙しながら先に進んでいきます。
しかし、その順番が本作は固定されていません。
歴代だと「この先通行止め」としてジムバッジを取ることが必須になっている、いわゆる関門的な要素がジムごとに配備されていました。
しかし、本作はそれがなくなったことで、より自由に攻略を楽しむことができます。
どこから行くか?誰に出会うか?
それを全部自分で決められる。

オープンワールドならではの楽しみですし、「旅感」を高める上で、自分で自由に選択しながら先に進めるのは本作ならではの楽しみだと思います。

2.ストーリーの妙

さて、本作はこうした自由さを追求しているゲームなのですが、そうした点はストーリーにも表れています。
本作はストーリーが3つに分岐しているのです。

一つ目はお馴染みのジム編。
ジムバッジを集め、いつも通りチャンピオンを倒しに行きます。
ネモというライバルが出てきて、いちいちバトルを仕掛けてくるあたりが、なんともいえずいつものポケモンです。

二つ目がヌシ狩り編。
各地にいるでっかいポケモンを倒しに行きます。
ポケモンLEGENDSに近い内容になっており、スパイスを求めてヌシを探すペパーとともに協力して大型ポケモンを倒します。

最後はスター団編。
問題児スター団を止めるために、主人公が奔走するという内容。
カシオペアやネルケの協力を得ながら、スター団の本質に迫っていきます。
歴代お馴染みの敵対してくる組織、○○団系のルートですね。

本作はこの3つのストーリーを同時並行で進めることができます。
それでいてどれもクオリティが高いのが特徴です。
特にヌシ編は新機軸で組み立てられており、歴代のポケモンにはなかった要素になりますが、意外とペパー周りのストーリーが練られていてとても面白い内容でした。
スター団編も、いつもの○○団とは決定的に違う内容になっていて、新しいポケモンのあり方を感じることができました。

そして何より、本作はエンディング前の伝説のポケモン絡みの話が本当にすごい。
絶対に今までやってこなかった試みだと思います。
ネタバレになるのでここでは言及しませんが、是非持っているのであればエンディングまでは進めて欲しいと思います。
あとラスボス戦のBGMがマジでいいです。おすすめ。

3.スイッチとオープンワールド

さて、ここまで本作とオープンワールドの良さを「自由なポケモン」から見てきましたが、本作はオープンワールドを選んだことによる「問題点」が浮き彫りになってしまった、悲しいタイトルであるとも感じています。
次は、そうした面に触れていきたいと思います。

本作に関しては、発売直後からある点に批判が集中していました。
それは「妙に処理落ちが多い」という点。
バグがあるのは百歩譲って仕方ないとしても、本作は最適化が完全に行えていないのか全体を通して処理落ちやフレームレートの低下が目立っています。
この理由は開発側にしかわからないと思いますが、僕なりに予測できる点をいくつか挙げていこうと思います。

まず、単純な最適化不足の説。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」は最適化がしっかりとできており、オープンワールドながらそこそこのフレームレートでちゃんと動いていました。
しかし、本作は全体を通して重たい。
最適化が不足して、ゲームの要求するスペックがSwitchの許容できるメモリ容量を超えているのではないかという予測ができます。
この場合、改善パッチで直る可能性も考えられなくはないです。

次に、ユニオンサークル含めたマルチ要素が悪さをしている説。
ユニオンサークルは、どこでもプレイヤーが最大4人で集まって一緒に旅をすることができるという新しい要素です。
本作ではそうした皆の旅もウリにしていますが、これが他の人のマップを読み込んでいる可能性も考えられます。
剣盾でもワイルドエリアが若干重たくなることがありましたが、これはおそらくレイド用の穴を読み取っていたからです。
本作はこれにユニオンサークル上でマップを共有するため、マルチでやろうとするとかなりの負荷がかかります。
こうした読み込みをなぜかシングルでもしているのではないでしょうか。
剣盾でもオフラインで若干処理落ちしていたので、多分今作もシングル状態でも読み込みしていると思います。

最後に、被写界深度が高すぎる説。
被写界深度とは、ゲーム上ではっきりと見える距離のことです。
僕は描画距離と同じ扱いで認識しています。
本作もそうですが、任天堂タイトルは特にオープンワールドで奥の方にあるものがハッキリ見える傾向にあります。
僕はこのゲームやって処理落ちが酷いとき「これ被写界深度が高すぎるからじゃないか?」と思っていました。
だからこそ下げようと思ったのですが、本作にはグラフィックの設定がない。
CSのゲーム、かつ子供向けだから当然といえば当然なのですが、本作にはグラフィック設定が一切ありません。
PCゲームのオープンワールドでは、フレームレートが低いときはとりあえず画質を下げて読み込む量を減らすのが大事だったので、何もなくて愕然としました。
要はフレームレートの低い状態で我慢しなければいけないのです。
そりゃあないだろ…、と最初は思いました。
まぁゲーム内容が面白かったのでクリアまではいけましたが、ここまで不安定になるものなのか、とSwitchにガッカリしてしまった記憶があります。

さて、本作が安定しない理由を考えてきましたが、ここで問題となるのが「Switchの限界が露呈した可能性がある」という点と「任天堂IPへの信頼が下がる」という点。
とはいえ、不安定だったタイトルは今までのSwitch作品の中には複数あるんです。
ただそれは、他社のタイトルがPS4やPCと同時発売してSwitchだけ最適化が難しいから起こってしまうことであり、ある種仕方のないものでした。
その代わり、任天堂IPはかなり高い水準でよい作品を出し続けており、流石任天堂と言われてきました。
しかし、今作は任天堂IPの一つであるにも関わらず全体を通してかなり不安定、かつバグも多く報告されており、不安が残る内容になりました。
ブレワイ2などが控えている中でこのクオリティのタイトルが出てくると、他のSwitchタイトルにも不安が残る、というのが正直なところです。
修正されればいいんですけどね…。

4.ポケモンから見えた「オープンワールドの弱点」

さて、最後も批判チックになってしまうのですが、僕は本作に関しては「オープンワールドじゃなくてよかった」と思っています。
というのも、本作を通じて僕は「JRPGとオープンワールドは相性が悪すぎる」と思ったからです。
詳しくお話していきましょう。

本作では、オープンワールドを意識して自由に攻略できることは先ほど述べました。
ところが、本作は自由に攻略できるがゆえに、「レベルによる見えない壁」が立ちはだかります。
本作は自由に攻略できるといっても、各ボスにレベルが設定されているのでそこに合わせた育成が必須になります。
もし間違ってレベルの高い所に行ってしまえば、ボスの方も構成をしっかりと作っているのでほぼ確実に負けます。
また、本作はレベル補正が強くかかっているようで、4~5レベル高い相手と対峙しようものなら、こうかばつぐんの技を当てても体力の1/4も削れないようなぐらい、レベルによるガードがかかっています。
これのせいで、「行きたくても行けない」という状態になり、プレイヤーは仕方なく順序通りの攻略を強いられるのです。

これはひとえに、この作品が「レベルと数値に依存するJRPG」であるがゆえに起きている問題であると思っています。
他のオープンワールドでもレベルによる制限はありますが、それでも楽しめるのはそれが大抵「アクションRPG」になっているからです。
アクションRPGであるならば、最悪プレイヤースキルでどうにかすることができます。
ブレワイでもすべてを無視してラスボスに直行し無理やりクリアすることが可能です(もっとも、かなりのプレイヤースキルを要求されますが…)。
しかし本作は、JRPGである以上数値に全てが依存しています。
プレイヤースキルで挽回できる要素が全くないのです。
僕はそこに「JRPGとオープンワールドの相性の悪さ」を感じました。
本作はそれが露呈しているので、多くの人から批判されているのだと思います。

ただ、僕は最悪こうしたレベルによって誘導されることは別にいいと思っています。
例えば、レベル補正によってルートが作られている「Fallout: New Vegas」という作品がありますが、僕はこのゲームが大好きです。
なぜなら、中盤以降はどこに行っても敵を倒せるようになってきていて、後半になるにつれて世界のいろいろなところを歩けるようになっていくからです。
そこで複数勢力と会話し自分の生きる道を「選択することができる」からこそ、前半の「不自由な自分」から脱却して自由にルートを進められるという点に、「Fallout: New Vegas」のオープンワールドとしての意味合いがあったと思っています。

しかし、ポケモンSVはそうした仕掛けがあるわけでもなく、純粋に「障害物として」レベル補正が立ちふさがっています。
また、そのレベルの障害がなくなるぐらいに成長した頃には、このゲームのほぼ全てをクリアしてしまっているのです。
そうなると、プレイヤーとしては結局道順通りの攻略をする羽目になり、公式が言っていた「どこからでも攻略できる」という宣伝と矛盾しているから「いや違うじゃん」という感想を持つようになります。

僕も、プレイ中にこうしたレベル補正の苦しさを経験しました。
とあるボスが、出てくるポケモンのレベルがわからない状態で弱いボスのすぐ近くに居を構えています。
実際僕は低レベルでそいつに挑み、普通に負けました。
その時思ったんです、「いつも通り順序示してくれた方がマシだった」と。
また僕が「真・女神転生Ⅴ」を通じてレベル補正自体を極端に嫌っていることもあって、本作のレベルによる調整は正直「不快」でした。
だからこそレベリングを極端に進めた結果、ジムやスター団が程よくヌルゲーとなってしまい、最適なレベルでギリギリの戦闘を楽しむ感覚はなくなってしまいました。

そうした経験をしたからこそ、僕は今までのポケモンのようにルートを固定してほしかったと思います。
ゲーム上でちゃんと誘導がなければプレイヤーは自由に色々な所に行きますし、それで失敗したところで「場所が悪かったね!」とかいうのはあまりにも可哀そうです。
それに、そうして慎重になってレベルをジムレベル+10ぐらいまでしてしまうと今度はつまらなくなります。
JRPGのレベルスケールはそうした絶妙な数値調整を前提として作られている以上、自由に攻略すること自体が間違っていると僕は思います。
もしくはレベルスケールによるボスの手持ちを、ジムを訪れたときの平均レベルに合わせて複数用意するとか。
その辺が雑だったからこそ、本作のJRPG×オープンワールドの相性の悪さは見えてしまうし、よくない点だと思いました。

5.終わりに

いかがでしたでしょうか。

個人的に本作はかなり微妙なのと、あんまりクリア後の育成もやる気が起きなかったので、これ以上は遊ぶこともないような気がしています。
タイミングよくスプラ3のアプデが来たことや、オータムセールでペルソナ5スクランブルやルインドキングを手に入れたこともあって、ポケモンは正直もういいかな…という気持ちです。
剣盾よりハマれなかったのはもったいないと思いますが、仕方がないのかな…。
改善するというゲーフリからの意思はどこかのサイトで見たので、今後のアップデートに期待しようと思います。
あと最近始めた人とか、レイドの手助けぐらいにはいこうかなと思いますが、積極的なプレイはやらないな…といったところです。

ただ、一個だけ言っておきたいのは「ストーリーはマジでいい」という点。
正直ポケモンなんて流れでクリアしてクリア後の育成に全部費やすようなゲームだと思っていたのですが、本作のストーリーだけはかなり度肝を抜かれる内容だったので、そういう点では遊ぶ価値は十二分にあると思います。
フォローみたいになってるけどそれだけは伝えておきたかった。

さて、次回の更新ですがそろそろ積んでいる記事に手を付けたいなと思っています。
「パラサイトイヴ」「ライドウVSアバドン王」あたりですかね。
新規に出すならP5Sになると思います。
ただ、年末年始が若干忙しいので更新ないかもしれません。ご容赦ください。
それではまた。さよなら~。


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