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博報堂時代の『心・技・体』…『体』その①:最初のポジショニング(木戸)

このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。

こんにちは。HDAの木戸です。

先週から、自身の博報堂時代の経験を、『心・技・体』のテーマに分けて紹介しています。量から生まれる質、という考えをもとに100連発くらいで投稿することを目指していきます。

『体』で伝えたい内容

3つ目のテーマ、『体』では、、、

●体力・・・集中治療室よりもキツイと思った経験的エピソードに触れながら、(ただ、体力だけでなく、)
●”タイ”ム・・・時間の使い方で工夫していたこと、
●”タイ”度・・・どんな態度・行動、どんな生活習慣を送っていたか(反省も含めて)、
●”タイ”遇(待遇)・・・どの程度のお金をもらっていて、どんな生活をしていたのか、

みたいな感じで、”タイ”縛りでをエピソードをまじえて紹介できればと思います。1回目の『体』は、

”タイ”プ:自分の差別化、ポジショニングを1年目にどうつくっていったか

という点について、整理できればと思います。

博報堂時代の初任配属は、大手アルコール・飲料メーカーの制作営業(制作営業については『技その①』参照)を担当しました。

配属を希望した理由は、「広告のいろはを学びたい」と思っていたので、車メーカーか、アルコール飲料メーカーの担当営業を志願しました。同期を見渡しても、慶応のSFC出身です、とか、早稲田のゼミではマーケティング学んでました、という同期も多かったので、まずは酸いも甘いも、厳しい環境に飛び込んで広告を学び、自分を磨いてみたい気持ちが強かったのです。

制作営業時代は、毎年、全国放送のTVCMを複数本制作するブランドを複数担当させていただいたので、平均レベルよりは間違いなく忙しく、稼ぐ営業部署の中で希望通り、というか希望以上にもまれたことは間違いありません。

基本的に、大きな営業局は体育会系のノリがベースで、新人は「とにかく頭で考えるよりも動け」という指導方針でした。

当時、営業局の局長に言われたことですが、「ウチの局は、殺しても死なない奴をとってる」と言っていたくらいなので。ま、冗談だとは思いますが、顔は全く笑ってなかったです。笑

その、体育会ノリは、僕も体育会出身なので全く違和感もないのですが、問題は、周りが全国レベルの名だたる体育会出身者が集まっているので、体育系ノリだけでは全くキャラが立たないという問題がありました。周りの営業の諸先輩方、一緒に配属された同期、のちに入ってくる後輩も含めてかなりの個性派ぞろいでした。

そういう意味でも、配属された営業局で、自分がどんなキャラ、どんな立ち位置で生きていくか、まず最初の難関でした。いわゆる”自分のポジションニング”が定まるまで、精神的にも非常に難しかったです。

一緒に入った同期も、国立大のアメフト部で全国レベルに有名な、2m近くある奴だったので、身長169cm、体重68㎏程度の僕が体力勝負だけでいっても到底かなう訳がありませんでした。

一方で、東大・京大はじめ国立大や有名私立の理系出身の方で、超ロジカル思考の人たち、といった感じで二極化しているメンバー構成でした。もちろん、超ロジカルにいってその先輩方を凌駕するようなデキるキャラがつくれるイメージは全く湧かなかったです。

結論から言うと、”馬力はあるけど、ミスしても憎めない奴”くらいの立ち位置を1年目で確立していた気がします。

そんなイメージを構成する要素を因数分解していくと、、、

●素直

●誠実

●全力

●こだわり

●てへぺろ

あたりがキーワードとして挙げられるかと思います。

まずは、「素直」にやってみる。四の五の言わない。屁理屈こねない。自分が逆の立場になったときに、頼んだことをまずはやってみる、とにかくすぐ行動にうつす後輩はとても気持ちイイです。相手の立場を想像しながら、まずは新人として素直さを大切にしていました。
ミスした時こそ「誠実」に。人間の本性はミスしたときにでます。普段から誠実なのは当然。だた、特にミスをした時、苦しい状況の時に非常に大切な意識です。社会人になるとなかなか謝れないもんです。色々、理論武装をして、自分が窮地に立った時に言い訳できるよう誰しも生きています。僕は1年目、「とにかく今はミスをしても仕方ない。でも、2年目でミスのない営業になろう。と、メモを欠かさず、絶対に2回同じミスを繰り返さないことを心がけていました。
最初から「全力」疾走。もちろん、何事も全力で。当たり前のようですが、精神論だけではありません。これは広告業界に限らずかと思いますが、仕事のパフォーマンスも、見積もりなどお金に関することも、「最初にあまり頑張りすぎると自分の首を絞める」と指導されることもあります。だいたい、7割か8割くらいであまり期待させず、納品するときにそれを少し上回って喜んでもらえと。周りがそうだからこそ、自分が最初から全力投球していれば、注目されやすくなります。もし、時に息切れしても、必ず誰かが助けてくれます。うまくいけば、自分のキャパが拡大、成長する可能性もあります。だからこそ、常に最初から全力疾走で臨む。それは今も同じスタンスです。
学ぶスタンスの中にも「こだわり」を持つ。もちろん、新人なので学ぶことの方が多いですが、その中でも、自分の意志を持つこと。目の前の業務を自分ごと化すること。博報堂時代にも、新人の頃によく言われました。「お前はガキの使いか。」って。コレは、今、一緒に仕事をする学生にもよく言うことですが、「どうすれば良いですか?」ではなくて、「どうしたいか?」を常に考えること。新人でも、少ない経験値の中でも、どうしたいか?は常に自分なりの意見を持つことは意識次第でできます。それを主張できる営業になること。
最後に「てへぺろ」。コレ、最強のツールだと思うんですよね。
誠実さ、とも重なる部分ですが、仕事をしていると、大なり小なり、失敗が積み重なることもよくあります。些細な失敗の度に、深刻に考えすぎるとメンタルが持ちません。だからこそ、小さい「ごめんなさい」を舌をぺろっと出すことですり抜けられる能力が、このてへぺろ感。笑
皆さんはできますか?コレはコレで、結構センスがいります。
あとは、「アホになれる」という点においてもてへぺろ精神は非常に大事。広告マンはアホになれないと乗り切れないシーンが多々あります。どれだけ真面目で理系でエリートな人でも、”ココっ!”て時にはアホになれます。度合いは人それぞれですが、こうした”抜け感”が無いと、人間面白みや哀愁が感じられなくなります。

1年目のポジショニングマップ

当時のポジショニングをポジショニングマップに落とし込むと、こんなイメージかと思います。

(画像:1年目のポジショニングマップ)

ポジショニングマップ

ポジショニングマップのように、普段は、自分の意志、時には我を通すようなこだわりを持った「馬力のある奴」とは評価されていたかと思います。

一方で、時と場合によっては素直に、誠実に人の意見や考え方を尊重する。

その両立のために「てへぺろ」感を絶妙に使いこなす、それが自分の最初につくったタイプだったかな、と振り返って思います。

どういうタイプの自分を大事にし、どいうタイプの自分をを捨てるか、このあたりを意識して継続していると、自分のキャラクター、ポジショニングが定まってきます。僕の場合は3か月くらいだったかな。遅くても、半年くらい経ってくれば立ち位置ができています。

ポジショニングが定まってくると、だいたい、周りの方が「アイツはああいう感じ」というのが浸透していくので、人間関係が楽になってきます。

ただ、タイプは人それぞれ、異なります。自分が居心地いいタイプでないと、続きません。営業にも、色んなタイプがあるので、正解、不正解はありません。自分なりの正解を探すことが唯一の正解だと思います。

人それぞれタイプは違う

人それぞれ、タイプは違うという例を、1つ挙げましょう。

スポーツ局時代に、全く違うタイプの上司がいました。その方も、元大手アルコール・飲料メーカー(僕とは別のメーカー)担当の営業出身の方でした。

超ゴリゴリの体育会系。学生時代はその競技の日本代表になった競技歴のある方です。実際の営業スタイルも、パワープレーが超得意。プレゼンを最後着地させる決定力がピカイチでした。尊敬する上司の1人です。

めちゃくちゃキャラが濃いので、スポーツ界にもファン、支援者、協力者がかなり多い人で、そういう意味でも、非常に優秀な広告マンです。何か頼み事があると、直電一本で済む。そんなタイプの人です。

ただ、その方本人の言葉を借りると、「俺のことを好いてくれている人間と同じ数だけ嫌われている人間がいる。」そんなタイプの広告マンです。

ただ、その方は、熱狂的に好かれてる自分のキャラも、一定数の人に嫌われる自分も気に入っているように見えました。

*そもそも、「自分には嫌われてる人がいる」と部下に言える上司、という時点でかなりの度量と器量があるなと、僕としては思っていますが。

その上司が、僕のことを「お前は嫌われない才能があるな」と言っていたのは、その方には無い部分を持っている奴、という意味である一定程度評価されていたのかな、と自己評価しています。その言葉が、僕のポジショニングを表しているのかな、とも思います。

繰り返しになりますが、ポジショニングマップのように、常に、自分の意志、時には我を通すようなこだわりを持ちつつ、時と場合によっては素直に、誠実に人の意見や考え方を尊重する。

その両立ができる「てへぺろ」感を絶妙に使いこなす、それが自分の最初につくったポジショニング、居心地のいいタイプだったかな、と思います。

ま、誰にも嫌われない=八方美人は、それはそれで、結局嫌われるので、皆さんは真似しないように。笑

では、また次回。

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