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【6分で読める】イジる力。イジられる力。(木戸)

*博報堂時代の『心・技・体』…心その⑰

HDAの木戸です。

今日は、営業的、社会人的心得として大切にしてることをシェアします。

組織形成において「イジる」というコミュニケーションについて大いに価値を感じています。

その起源は大学時代で、200人以上のサッカー部で活動する中で、お互いにイジり、イジられ、先輩には勇気をもってイジることで懐に飛び込み、後輩をイジり、またイジらせて絆をつくってきました。

今日は、それを「イジる力」「イジられる力」の2つに分け、エピソードも交えながら紹介していきます。

●イジる力。

イジる力の冒頭に確認したいのが、イジるは「イジメ」とか、「相手を否定する」とは全く違うということです。

基準は、
・相手がイヤがっているかどうか と、
・その場が盛り上がっているかどうか。

の2つです。この両方が共存している場合、イジり合いは機能しています。

よくあるのが、場は盛り上がっていますが、そのイジられた対象の一人だけが楽しくない。それはイジメです。

イジられてる人も「オイシイ」。それが非常に大切な大前提です。

●イジる力は仕事でも重要です。

仕事の打ち合わせの中で、たとえ相手が大先輩でも、上司でも、小さな「イジり」を入れていくことで、上下関係のピラミッド型だった組織が、上司をリーダーとした輪になっていきます。

●商談などの現場でも、イジる力は非常に有効になってきます。

イジりは、誰も否定せず、場を盛り上げるアクションだ、と説明しました。普段からイジるのを意識することで、「気の利いた返し」をするトレーニングになり得ます。

商談の場でクライアントと対峙した時に、色んな話がフられることがありますが、その際に気の利いた返しができるかどうかは非常に重要です。

1対1の時、特に経営者やマネジメント層の方に対しては特に有効です。なぜなら、立場のある方は、同じようにイジる力がある方が多いので。

その際に、逆にコチラが気の利いたイジりを差し込めると、一気に懐に飛び込めます。

イジる力があれば、ポジティブに、誰も否定することもなく、場を盛り上げるのですから、クライアントに一目置かれます。クライアントに一目置かれると、チーム内でも株は上がります。

普段から先輩や上司も含め同僚をイジることは、組織をつくるうえでも、組織内で輝くためにも良いトレーニングになります。


●イジられる力。

●まずは、先ほど紹介した、クライアントとの商談の場での「イジられる力」の価値から話します。

商談で、クライアントのキーマンに、代理店の新人くんが質問されることは意外にもよくあります。

商談の中では、”箸休め”的な、新人イジりです。

その時に、「いや、はい、まぁ。。。」としか返せない新人と、うまく周りにイジらせる返しをする新人とを比べると、スタートダッシュを決められかどうかの差がつきます。

入社当初は、クライアントに名前を覚えてもらうことが仕事みたいなところがありますから、早々にそのお題はクリアできることになります。

●イジられ力について個人的に今でも覚えてるのが、学生時代に、寮でサッカー部の仲間と遊んでた時の話です。

その時の僕は、無駄にプライドだけが高く、人はイジっても、人にはイジらせない空気を出していました。いや、むしろイジるよりも人を否定して自分だけが気持ちのいい笑に逃げていたと思います。

それが、大学1年の入学したての時に、ひょんなやりとりから、ちょっとイジられたのが気に障ったかでその部屋を出て、自分の部屋に帰ろうとしました。

高校までだと、その場がシーンとして終わり。というシチュエーションです。

そんな時に、その場にいた仲間が、

「あ、切れた!笑 木戸帰るで!帰るで!木戸が怒って帰るで~!」って、輪をかけてイジってきたんです。

実際、切れて帰ろうとしていた僕は、そのイジりに対して、

「・・・って、ウッソ~♪」と言って友達の輪に戻りました。

この時の出来事を、今でも、よく思い出します。あれは、自分の人生の分岐点だと感じています。

あそこで戻ってこなかったら、僕は一生イジってもらえてなかったかもしれません。

一般的な表現をするとしたら、イジられる力とは「素直になること」と言い換えられるかもしれません。

イジられることの価値は、それからも色んなところで感じることになります。

●博報堂に入社してからも随所に感じました。

博報堂時代に出会った上司の中で、ある局長は超体育会系出身の非常に厳しい方でした。HDAのnoteでも何度か紹介していますが、非常にアクが強くキャラが濃い、社内外で非常にファンの多い方でした。

ただ、その一方で、仕事以外のところでどこかヌケていたり、ツッコミどころが残っている方でした。

何と言うか、母性くすぐられる感じです。僕は母性はありませんが、はたから見てもそんな感じでした。

イジられる力は、言い方を変えると「周りに頼る力」と言い換えることができるかもしれません。

そのヌケ感がうまく作用して、ミーティングではかなり発言しやすい空気がありました。それが、普段からの決断力と、「イジられる力」との共存で、素晴らしく信頼のできる上司でした。

逆に、ただただ厳格で、イジられ力が皆無な能力主義的な上司だと、会議では非常に発言できる空気ではありませんでした。

その方は、今でも、僕の理想の上司像の1つです。

●リハビリ病院でも、こんな女性PT(理学療法士)さんとの出会いがありました。

同い年で、いつも楽しく一緒にリハビリしていました。

リハビリ室では、いつも上司にイジられていました。その方は、ミスや失敗は、全て”てへぺろ”で乗り切っていました。

僕は、いつも一緒になって、作戦会議をして、どうやって上司の課題を越えていくかを考えることで、リハビリをいかに効果的に進めるか考える時間こそが非常に濃密でした。

また、何かあればいつも先輩PT、上司のPTにも気にかけてもらう方だったので、結果的に僕自身も、色んなPTさんの指導を受けることができました。

以上、エピソードを通して、イジる力とイジられる力を

イジる力は、常に相手がオイシく、その場が盛り上がるような「切り返し」を考えておくことが非常に重要。

イジられる力は、「周りに頼る」「素直さ」を意識することが非常に重要だというまとめができるのではと思います。

少し長くなりましたが、今日は、以上です。

では、また次回。

このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。

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