『雪血風花』主要参考文献

赤穂市市史編さん室『忠臣蔵』第1・3巻

赤穂市史の赤穂事件に特化したシリーズ。第1巻は概説。第3巻は浪士の手紙や関係者の手記など、いわゆる一次史料を収録。
第3巻には堀部安兵衛が同志との手紙のやり取りや手記をみずから編纂した「堀部武庸筆記」も収録されている。武林唯七の討ち入りまでの動向が一番よくわかる史料。
ただ、「堀部武庸筆記」は岩波『日本思想大系27近世武家思想』に収録されているもののほうが注がついていて読みやすかったです。

斎藤茂『赤穂義士実纂』

赤穂事件の事典のような大著。

山本博文『「忠臣蔵」の決算書』

討ち入りまでに大石が遣った金を分析。映画『決算!忠臣蔵』の原作。
武林唯七への出金は『雪血風花』ですべてエピソードとして拾ったはず。

谷口眞子『赤穂浪士の実像』
谷口眞子『赤穂浪士と吉良邸討入り』
谷口眞子『武士道考-喧嘩・敵討・無礼討ち-』

谷口眞子先生の御著書は江戸時代の武士のメンタリティーについて特に参考になりました。

日本放送出版協会「吉良を討った中国人三世」『NHK歴史ドキュメント5』収録

1986年放送のNHKドキュメンタリーを書籍化したもの。武林唯七について、現時点で最も詳しく書かれた書籍と思われます。

中島貴奈「江戸時代後期における豫譲の評価について 赤穂事件論評との関わりから」『国語と教育』44号

中国古代の仇討ちといえば『史記』刺客列伝に名高い豫譲(よじょう)。
中国人の血を引く浪士が主人公ということで、『雪血風花』には豫譲の名がたくさん登場します。

垣内景子『朱子学のおもてなし』

朱子学研究の権威である著者が、巷の朱子学入門書は難しすぎるという問題意識から「朱子学入門の入門」を著した名著『朱子学入門』。本書はそれにつづく「朱子学入門の入門」第二弾。
武林唯七の先祖とされる孟子についての解説も豊富。

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