BNT325/DB-1305(BioNTech&DualityBio)
本日はファストトラック指定を受けたBNT325/DB-1305を掘っていきます!
概要と作用機序
BNT325/DB-1305は、BioNTechとDualityBioによって共同開発されている新世代の抗体薬物複合体(ADC)です。
この薬剤のメカニズムは、Trop-2という細胞表面タンパク質をターゲットとする点に特徴があります。Trop-2は多くの正常組織に発現していますが、さまざまな腫瘍でも過剰発現しており、腫瘍細胞の増殖、アポトーシス(自然死)、侵入に重要な役割を果たしています。
BNT325/DB-1305は、ヒト化された抗Trop-2免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体と、可溶性リンカーを介して結合した第三世代のトポイソメラーゼ1阻害剤をベースとしたADCで、このTrop-2を標的とします。
また、BNT325/DB-1305はDualityBioの独自のDuality Immune Toxin Antibody Conjugates(DITAC)プラットフォームをつかっています。DITACはDualityBio版デルクステカンテクノロジーです。
第一三共のダトポタマブ デルクステカンやギリアドのトロデルビィとバチバチの競合です。
また兄弟薬にHER2対象のBNT323/DB-1303があります。トラスツズマブ デルクステカン=エンハーツを兄弟薬にもつダトポタマブ デルクステカンと、こんなとこも同じです🤔
【HER2ターゲット】
トラスツズマブ デルクステカンvsBNT323/DB-1303
【TROP2ターゲット】
ダトポタマブ デルクステカンvsBNT325/DB-1305
こんな関係になってます。
第一三共のバリバリ後追いです。
ただ開発中の適応疾患に差があり、 ダトポタマブ デルクステカンは主に肺がんや乳がん、BNT325/DB-1305は卵巣がんや卵管がんなどに焦点を当てています。(後述します。)
臨床試験
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