マガジンのカバー画像

古いモノ好きの日常

21
日常の他愛もない出来事、考え事などを綴ったものをまとめています。過去の記事もおりおり更新しています。
運営しているクリエイター

#明治時代

副業で古物屋を開業

古物屋開業のきっかけ去年の6月から古物屋を始めてみました。独立とか店を構えるなんて大層なことではなく、単にネットショップや骨董市で購入した余りを手放したいと考えたからです。 私は趣味で日本陶器會社等の食器を収集しています。フルセットで購入すると、お皿は5、6枚、カップ&ソーサーはセットで6客に加えポット、シュガーポット、クリーマー、お盆と購入点数が多くなることが度々あります。 使用目的で購入しているため、ほんの数点を所有していれば満足なわけです。それに収納場所の確保も難しく、

昔の物売りの生活

古本屋で見つけた『甦る昭和ロマン』(昭和51年)。 昭和レトロの特集本かと思い手にしてみると、戦前昭和を取り上げた内容でした。すでに本の発行から半世紀近く経っており、昭和51年が昭和ロマン時代になっているような気がします。 本の中で、昔懐かしい「街の物売り」が紹介されていました。玄米パン屋、ゆで卵売り、金魚売り、下駄の歯入れ屋、羅宇屋、拡大器売り、今では聞き慣れない生業ばかりで、新鮮ですらあります。どうやら東京の町は、昔にさかのぼるほど、行商や露店という屋外の商人が多かったと

しばしのお別れ 江戸東京博物館その2

前回の江戸ゾーンに続いて、今回は東京ゾーンの中の明治時代について綴っていこうと思います。個人的に興味津々なのは東京ゾーンで、江戸ゾーンよりも写真をたくさん撮影しました。 今回は気に入った写真を選定したにも関わらず、予想以上に写真過多となってしまいました。なので感想・余談を控えめです。 明治時代明治東京の風俗 しかも配達は無料サービスでした。 スコットランド風の衣装は、チェック柄のキルトに羽飾りのついた帽子を斜めに被ったスタイルでした。大阪三越でも3年後に少年音楽隊を新設

紳士と流行-明治・大正期の紳士Ⅱ-

前回からの続きで第二部紳士と流行について考察を進めていきます。 1.紳士と流行第一部では明治・大正期の日本における「紳士」という概念が、理想像としての紳士を目指し、努力によって達成可能なものだと考えられていたことを確認した。これを証明するような現象が当時の三越などの百貨店で起きていた。それを確認していこう。 明治末に新中間層が都市に流入し、彼らは工場労働者や会社員になっていく。中でもホワイトカラーと呼ばれる会社員は新しい都市の消費文化の担い手となる。都会特有の現象として匿

紳士と流行 -明治・大正期の紳士Ⅰ-

なぜ紳士と流行か紳士という言葉は今の日本ではどんな意味、ニュアンスで使われているだろうか。一定以上の裕福さと社会的地位、ある種の規範にしたが身なりの立派さ、ある種の道徳性(暴力的でない、粗野でない)といった意味内容が主であると思われる。これらの内容は、歴史上の「紳士」という存在・概念にどのくらい根差しているものなのだろうか。 また、他方では、紳士という言葉は今日(「紳士服」という言葉もある通り)男性一般の丁寧な呼び名になりうるほどに一般性をもった概念になっている。特定のカテ