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『ブルーヘロンのいる森で約束したこと』第7話

♡第6話続き♡

「ハヤトだったな。。安心しろ。本物の蛇だとしてもお前らを襲うつもりは毛頭ない。お前らを待っていたのは、あのブルーヘロンからの使いが俺の所へやってきて、お前らの道案内を頼まれたからだ。ここから先は鬱蒼とした道が続くからな。言葉を使えるようになった理由はそこにいるヤシムンに聞いてくれ」

ハヤトとサヤカはヤシムンの方を見て その口が開くのを待った
「ゴールドと知り合ったんはブルーヘロンの紹介や。ゴールド その名の通り、金色の蛇。。つまり神の使いや。金色の蛇に会った者はみな幸せになると言われておる。ブルーヘロンはな 困った者を放っておけん性分なんやな。そやからゴールドを見た瞬間に閃いたそうや。
もし万が一、この森に迷い込んできた者がおったら そして、その者たちが勇者なら森のみなでバトンしながら無事外の世界へ辿り着けるよう案内してやろう言うてな」

「ブルーヘロン 本当にいいやつなんだな」
ハヤトはぽつりと言った

「ま そんで外の世界の者が来ても話せるよう この俺がおまじないをかけ神様にお願いしたっちゅうわけや。。わかったか?」
「わかった。俺たちこの森に来るべくして来たのかもしれないっていうことも。ずっと何かに守られているもんな」
ハヤトは自身を納得させるかのように呟いた

ゴールドは己が来た道を 今度はハヤト サヤカ、そしてヤシムンを引き連れて戻り始めた

ハヤトはこの時何事もなく帰れるだろうと考えていた
ほっと安堵の胸を撫で下ろしていたのである

ゴールドはそんなハヤトの心持ちを知ってか知らずかハヤトにこう言った
「もし今、安堵の胸を撫で下ろしていたんだったら それはそれで良し。だが、これだけは伝えておこう。いつでも人生を決めるのは自分だ。もちろん時に他力に頼ってもそれは一向に構わない。それでもだ。。最後に行方を決めるのは自分自身の何者でもない。
俺が幸せの使者としても、それを決定づけるのはお前だ ハヤト」
ゴールドは強く、だが優しく諭すように言った

「自分で決める そうだね。わかったよゴールド。。 ありがとう」
ハヤトはしばらくの間、沈黙していた
(こんなに自分の内側と向き合ったことなんて今までなかったな)

鬱蒼とした森の中でも時折、細く光が差し込んできた
その光が暗い森の中で一層光を放ってハヤトにはそれが眩しく感じられた

突然ゴールドが声を上げた
「何か来る。。いいか ここにいて俺を待て。ヤシムンこいつらを頼んだぞ」
「わかった 任せときや。ゴールド気ぃつけや」

あっという間にゴールドの姿は見えなくなった

「何がいるの?」
サヤカは心細げにヤシムンに聞いた
「俺にもわからんが確かに異様な雰囲気を感じるわ」
「ゴールド大丈夫かな?」
サヤカは心配そうに小声で言った
「大丈夫や サヤカ」
ヤシムンの言葉に少し気が楽になった気がした

「ありがとう。。」
ヤシムンはまたサヤカの頭を優しく撫でていた

              ♡続く♡

私は自分の親との関係が良好でなかった為いろんな経験をしました。その経験を活かしてお母さん、お父さんの子育てのストレスが解放される楽しい時間を、たくさんの子供たちに笑顔を提供していきたいと全国の舞台で朗読劇、楽しいパフォーマンスをやる事を目標にしています。応援よろしくお願いします♡