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『ブルーヘロンのいる森で約束したこと』小説 第1話

奥深い森の入り口にある青深い小さな湖の前にやってきた
入り口からみる光景はお世話にも綺麗な森とは言いがたい
まるで獣が森を支配しているような気配すら感じた

行こうか行くまいかハヤトは迷っていた
日没まで時間がない
それでもここを進む以外 外の世界に戻る方法を探せずにいたからだ

ハヤトひとりなら迷いもすぐに打ち消し進んでいたかもしれないが。。
ハヤトとハヤトの小さな妹も一緒だった

「お兄ちゃん!私なら大丈夫だよ。早く行こう」
妹サヤカはこちらが案ずるよりもあっけらかんとしていた
ハヤトは不意をつかれた
サヤカはお兄ちゃんの手を引っ張り歩き始める
「サヤカ 怖くないのか?」
「ううん 全然」
2人は鬱蒼とした森の中へと消えていった

森の入り口に入ると何やら木立の上にある摩訶不思議な小屋が目に飛び込んできた
その小屋は藻で覆われていて まるで魔界の住処のようだ
サヤカは小さな肩を震わせていた
「やっぱり怖いんだろ?」
ハヤトは見逃さなかった
「違うよ!怖くなんかないよ」
サヤカは強がってみせた

それはサヤカの心の奥にあるクセでもあったのだ

怖くても怖いとは言えない。。
家族ですらも甘えられずにいた

いや家族だからこそ甘えられずにいるサヤカだった

ハヤトはその小屋の前を足早に通り過ぎていくことに決めた
妹の手をしっかり握りながら歩いていると、突然 小屋から大きなヤシの葉を持った妖怪らしき怪人が現れた
「わっー」
ハヤトもサヤカも腰を抜かしそうになった
すると相手も2人を見て腰を抜かしそうになっていた

。。なんで俺らを見て驚いているんだろう?
ハヤトは意表を突かれた気分だった

「お前らは何者だ!」
その怪人は言った
「俺らは怪しい者じゃない。外の世界に戻りたいだけだ。お前こそ何者なんだ」
ハヤトは強気で言った
「俺か?俺はこの森の住人だ」
怪人は上の小屋からひとっ飛びで降り立ち、ハヤトたちの前までやってきた

ハヤトはサヤカをかばうように自分の背後に寄せた
「変なの!!」
サヤカはハヤトの背後から飛び出して言った
「サヤカ!」
ハヤトは慌ててサヤカの言葉を遮るように 再び自分の背後に引き寄せようとした
「お兄ちゃん、私大丈夫だよ」

怪人は急に大きな声で笑い出した
「だって このオバケ、可愛いよ」

            ♡♡♡続く♡♡♡

私は自分の親との関係が良好でなかった為いろんな経験をしました。その経験を活かしてお母さん、お父さんの子育てのストレスが解放される楽しい時間を、たくさんの子供たちに笑顔を提供していきたいと全国の舞台で朗読劇、楽しいパフォーマンスをやる事を目標にしています。応援よろしくお願いします♡