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[紅葉巡り]檜枝岐村〜魚沼市 国道352号線 枝折峠

 自然とは語らずとも雄弁である。厳しくも美しい。されど、来た者には平等である。

 この道を走り終えた時、そんな言葉が浮かんだ。
今回のツーリングはその言葉がお世辞にならないほどの、絶景の連続であった。

 福島県の南端、尾瀬の入り口にある檜枝岐村。
檜枝岐村から魚沼市を繋ぐ国道352号線・枝折峠。
紅葉巡りのため、全長94km、獲得標高1,600mを堪能してきた。

道の駅尾瀬檜枝岐からスタート

 スタート時は朝8時。路面が濡れていた。
 11月初旬、1週間後には冬季通行止めという状況で走った。結論から言うと、11月前に来ることをお勧めする。理由としては、冬季休業のため、途中の山間部で補給・食事・宿泊できる場所がほぼなくなってしまうからだ。

トイレはあるが、多くはない
感謝の気持ちとして、チップを入れた

 この日は平日なこともあり、バイクや車の通行は少なかった。山をなぞるように、道路が整備されている。そのため、カーブが多く、見通しが悪い場所もある。対向車への配慮に注意して走っていく。

尾瀬 御池ロッジまでの登り坂

 スタートしてからすぐに、一番標高が高い登り坂が立ちはだかる。ログを見返すとこの先に、これ以上のキツい登り坂はなかった。国立公園かつ国道として整備された路面は走りやすい。何よりこれだけの山の中に関わらず、今回のツーリングでトンネルが1つしかない点が素晴らしい。トンネルの距離も短く500mもない。

 走りやすく、景観もよい。この道は今まで走った自転車人生の中で、一番の道だと確信した。


 御池ロッジを過ぎる際、二輪車通行止めの文字が目に入る。前日に、檜枝岐の道の駅に確認してきたが、不安になった。
 途中、唯一の喫茶店に伺い、観光課に電話するよう、助言をいただいた。冬季休業中にも関わらず、親身になってもらい、大変ありがたかった。「圏外でも、auならここに立てば繋がるよ」と、不思議な電波ゾーンの存在にも助けられた。

山中の喫茶店 いつかまた来ますと感謝を告げた
一山を越えて、新潟県魚沼市へ 越境から雨天模様に
看板には解除中の文字 目的地通行止めは避けられた

 檜枝岐村では晴れていたが、新潟県魚沼市に入ると、空模様が怪しくなってきた。看板にもあるように、工事の都合で16時までには枝折峠を越えなければならない。この時、時刻は10時前後。檜枝岐で前泊をしたため、流石に問題はないと分かりながら、程よい緊張感でペダルを回した。

有名な洗い越し 水量が少なく問題なく走れた
山を縫うように道が続く 国道の概念が覆された 
国道352号線から見下ろす奥只見川
iPhoneでも色彩が拾いきれていない 一眼が欲しい

 景色に魅了され、感覚は麻痺していたかもだけど、
この時の気温は3℃前後。冬用ジャージでも少し肌寒さを感じた。この日の翌週には天気予報は雪マーク。
防寒・防雨対策は準備しておいた方がいい。

奥只見湖遊覧船乗り場 開業中で助かった

 残り20kmを切るぐらいで、奥只見湖遊覧船乗り場が目に入った。2時間以上、雨と低音に冷やされた身体を温めたいと、自販機を見つけて立ち寄る。
 休業間近のため、補充がされず、コーヒーは最後の1本だった。いつもと同じコーヒーなのに、冷え切った身体には極上の1本だった。

地元名物の開高めし 
汁物も合わせて、最高の補給だった

 ゴールまで何も食べれないと思っていたので、
とてもありがたかった。この先の道の状況など、スタッフの人に教えていただいた。次に来る時は、遊覧船も乗らなければ。

 遊覧船乗り場を過ぎて、束の間。枝折峠に到着。
今回の目的地。ここで挙げた写真がgcnjapanの写真企画で採用されました。

あいにくの雨だか、目的地の枝折峠に到着
坂を見ても、ツラいとは思わない
こんなに美しいロックシェッドは初めて
濃霧の中、ペダルを回していく
頂上を越えて、下り坂 速度は抑えて安全に
赤のフレームと織りなす紅葉 一枚の絵画のように
いつもの愛車がよりカッコよく見える

 坂を下りきると、魚沼市街地に入る。
ツーリングの終点、小出駅まで一直線。

終点の小出駅 ここから輪行で帰る
発車時刻ギリギリ間に合う 魚沼の食事が心残り…
今年復旧した只見線に乗り、福島県へ

 16時に発車した只見線。13時発に間に合えば、この後も車窓から紅葉は見れたが、夕刻も束の間。陽が落ちた列車の中、今回の写真を整理する。
 外は真っ暗でも、色鮮やかな写真を見返すだけで、大満足。心地よい揺れに身を任せ、うたた寝へ。地元福島県が更に好きになれた、1日だった。

 長文になってしまいましたが、最後まで見ていただき、ありがとうございました。今後も色々な所に赴き、写真や記事を挙げていければと思います。
ぜひ、また今後の記事も見ていただけると嬉しいです。

記 あんころーる 
  Twitterもやってます。

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