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イヤイヤ期

とうとうその時が来た。

最近、ちゅけまるがパパとねんねすることを拒絶し始めた。今までそんなことはほとんどなかったのだが、だだっ子になる瞬間が増えてきていた矢先の出来事である。

いついかなる時も、絶対にママがいないとイヤ。そうかと思えば、日中自宅で2人っきりの時はとんでもなく機嫌が悪い。恐らく息子は、悪魔の手下にでもなったのだろう。あまりにもうるさいので、こちらが根負けして身支度をしている間も、のけ反りひっくり返りながら全力で暴れわめいている。

支度が終わり、泣き喚くちゅけまるをチャイルドシートに乗せ、車で10分ほどの距離にある義実家へ。大好きな祖父母のもとへお邪魔するお決まりのパターンが定着しつつある。毎回受け入れてくれる義父母には、感謝しかない。

そしてついに愛するじーじばーばを見た瞬間、天使に豹変するわが子。甲高い猫撫で声で「じーじー!!」と叫びながら、猛スピードで走っていく。さっきまでの出来事がウソのように、満面の笑みを振りまいている。ついでのようにママにも微笑みかけて、そこからは楽しい楽しいお遊びの時間が始まるのだ。

対して私はと言うと、敗北したボクサーのようにボロボロである。ひっつめの髪は乱れ、よれよれになった襟元を直しながら「よろしくお願いします」の言葉を後に、やり残した家事の完遂のために家へと帰る。その後ろ姿はきっと、哀愁漂っているに違いない。

だがこうして考えると、頼れる先があるだけで幸せである。数人の子を抱えながら、身近に頼れる人がいない子育て世帯が沢山いることを考えると、恵まれた環境にいることを再認識させられる。応援のいないさなか、子育てや仕事に奮闘する父親母親たちは一体どんな苦労を重ねていることだろう。
自分ばかりが大変だと思ってしまいがちだが、同じような月齢の子どもを抱えている親は皆一様に苦労や努力を重ねていると考えると、少し勇気づけられる。

だが、ここで謙遜するのは少し違う気もする。子どもが1人であろうと何であろうと、少し大袈裟に大変であることをアピールすることも必要であると思う。なぜなら彼らは確実に「天使の仮面を被った小さな悪魔ちゃん👿」なのだから。

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