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ひとり旅

思い立ったら即行動するたちである。そこに思考が追いついていることは、ほぼない。勢いと気持ちだけであることがほとんどだ。

学生時代、時間にはかなりの自由があった。特に学年が進むにつれ、授業のコマはどんどん少なくなっていった。

ある日、突然どこかへ行きたくなった。とにかく、今の自分が行ける範囲のところで1泊2日を楽しめる場所ならどこでもよかった。
とてもワクワクした。とにかく今いる場所を離れ、なんのあてもなく知り合いもいない所に行ける。それだけでよかった。

早速高速バスを予約し、荷造りもそこそこに家を出る。宿は特に決めていない。駅に着くと、少し早めに到着していたバスに乗りに旅行誌をひらく。窓側の席からスーツでいそいそと動いている人たちをぼんやりと眺めながら。旅はもう始まっているのである。





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