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歴史&文学散歩

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各地の史跡をめぐった記録です。
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2023年2月の記事一覧

パリと下落合、広告 『佐伯祐三 自画像としての風景』

 東京駅にある東京ステーション・ギャラリーで開催中の「佐伯祐三 自画像としての風景」を見てきました。  noteでは小説や映画の感想を書いていますし、音楽も、言語化はできないのですが、好きな曲やいい曲はわかります。  でも、絵画は、優劣どころか、自分がどんな絵を好きなのかもよくわからない…。学生時代、女子美の友人たちの個展やグループ展に何度か行った時も、感想が思い浮かばずに苦労したものです。一応好きなジャンルもあるのですが、その一つ、フランドル地方の画家たちに興味を持ったき

伝通院と新選組 背景を持たない者はどう動く 【幕末歴史散歩】

 先日、徳川家の菩提寺としての伝通院について書きましたが、幕末が好きな私にとっては、伝通院といえば浪士組結成の地=新選組始動の地でもあります。  浪士組は、文久3年(1863年)の将軍徳川家茂上洛の際、将軍警護のために作られた組織で、新選組の前身の組織になります。上洛する時に、浪士234人が伝通院の塔頭(寺院内にある寺)処静院に集まったことから、そこが浪士組結成の地とされています。  幕府に浪士組の結成を提言したのは、庄内藩郷士の清河八郎でした。  私が清河八郎を知ったの

窪塚洋介の演技に圧倒される 『沈黙-サイレンス-』

 Yahoo!ニュースのトップに窪塚洋介さんの記事が出ていました。  窪塚さんといえば、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』の演技がすごかったな〜。  主演はアンドリュー・ガーフィールドなのですが、彼のファンなのに、印象があまり残っていないぐらいに、窪塚さんがはまり役でした。  この映画は、遠藤周作さんの『沈黙』が原作。江戸時代初期に、日本に来たカトリックの神父たちの物語です。神父をアンドリューとアダム・ドライヴァーとリーアム・ニーソン、江戸幕府の役人をイッ