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裏裏未来なひよこ日記。控えめじゃない方の大和撫子。

我が家の奥さまは大和撫子というらしい。

そういう事を部下に言われた。

大和撫子?

はい。そうですよ。かの国の女性は大和撫子といわれていますよ?

えっとですね、

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。というのが彼の国の美人の代名詞らしいです。


第3外国語を勉強し始めたらしい部下が教えてくれた。

やまとなでしこ…

芍薬、牡丹、百合…

イメージで湧くのはとてもお淑やかで健気な感じがするのだが、どうにもうちのにしっくり当てはまらない。気がする

イマイチ意味が良く掴めなくて調べてみた。

…ううーん。そうか。

なんとか意味は掴めた。
清楚で健気とかいろいろ書いてあるものの、一部はわからないでもないけど控えめって書いてるぞ?

いかん、時間だ。今日は娘のジョゼを迎えにいかなければならない。
会社に併設されている幼稚園兼保育園で今日もオレの娘は何かやらかしているかもしれない…
こんなに子供の事で幼稚園の先生にしょっちゅう平謝りする日が来ようとは誰が予想しただろう。

大和撫子の娘は全然大和撫子の欠片も見当たらないものすごいお転婆娘だった。

お兄ちゃんのジョッシュのが控えめで大変利発な優しい子なのに対してジョゼフィーヌはちょっと舌足らずできれいで可愛いものが大好きで持ち物一つにもこだわりがあり、小さいながらもわたしはこうしたい!がはっきりしている。

先日も自分のシャンプーの香りが幼くてイヤだといいだし、ママのを使いたいとダダをこねた。それはママの香りであって、ジョゼが使うとまた違う香りになっちゃうんだよ?と説明したがぶすくれていた。

あたち、ママみたいなかおりがいいのっ!!
とバスルームで泣き出してエライことになった

5歳に満たない女の子がひよこの化粧品やバスグッズや香水を隙あらば使おうとするので毎回説得するのに骨が折れ、そしてぐったりする。

ジョゼはママが大好きなくせにママに対してものすごいツンデレムーブを展開するので
アルベルトから毎回笑われている。

アルベルトパパ、めっ!!
とジョゼが憤慨して言うのでアルベルトは困ったフリをして大げさにああ、プリンセスを怒らせてしまった…と落ち込んで見せるのをみて単純なジョゼはアタチ、アルベルトパパが大好きよ?と頭をなでなでしてハグしてあげる。と偉そうにいい、ああ、僕のプリンセスからハグしてもらえるなんて何たる幸福!と恭しくアルベルトがいい、抱き上げてアルベルトの膝に乗せてもらい、ご機嫌を直してからパパのがいい。と言い出して駆け寄ってくる。というのが一連の流れ。

それが済んでからのママの登場で、
あら。私のお姫様はまた私のお化粧品使おうとしたの?とジョゼに聞く。
すると、アタチのほうが似合うもん!という。

で、暫定大和撫子はえー、だってこれわたし専用の香りだからだめでーすっ!

アタチかわいいもん。だから使う。

はいはい。ジョゼは大変かわいいですけどね、これはダメー。なぜならこれはパパが選んでくれたママだけの香りだからダメなんですう!使っちゃダメー。ジョゼはジョゼのためにパパが超真剣に選びに選んでくれた大事な香りにしときなさい。とジョゼに言い妙に納得させるのだ。5歳の女の子に真っ向勝負を挑む大和撫子。

アタチだけのパパが選んでくれたいい匂い?
とキラキラしい瞳でみてくる

そうだよ。今のジョゼにふさわしい香りにしたつもりなんだけど気に入らなかったらしょうがないね。

と悲しそうにいうと

アタチこれ使うからママ使っちゃだめー!
で、ヤレヤレとなったばかりだ。



いやはやほんと子育てって大変。
それを料理しながら。とか、仕事しながら。とかやりながらしなくてはならないので
しれっとやってのけているひよこはタフだと思う。

そんな大和撫子はソファにひっくり返って爆睡している。さっきジョッシュとジョゼのそれぞれの寝かしつけに成功して、ひよこは残りの仕事片付けた。

仕事に育児に今日は家事もあって
疲れ果ててるっぽい。アルベルトは今日から出張で彼女は在宅で仕事をして家事をひと通りこなしてジョッシュの学校の送り迎えに習い事の送迎にとあちこち頑張っていた。

そんなうちの大和撫子にブランケットをかけてあげた。

横に座ってニュースをみてるとモゾモゾと起きた。

は、やばい化粧落とさないと…でも眠い…

お前知ってるか?

ん?

化粧落とさないで寝たら雑巾顔に乗っけたまま位の汚れになるらしいぞ?

…うそ?

…ウソじゃない。

あー、頑張ってシャワー浴びてくる。

その方が賢明だな。

…撫子って花言葉なんだっけ?

ひよこがシャワーを浴びてる時にふと思い調べてみた。

ふーん、へえ。純粋、無垢、長く続く愛情。
長く続く愛情。いいね。うん。

あ、大胆、勇気、勇敢とかもあるのか。

どっちかていうとこっちのがしっくりくるな。
家の大和撫子、勇敢だし。

でもどっちかていうと芍薬とか百合の香りのがアイツ似合うんだよなあ。

…あ。そうだ。今度は大和撫子てラベルにして芍薬と百合のブレンドにして…て、今使ってるのピオニーとリリーのブレンドじゃなかったっけ?オレ冴えてるなー。わかってんじゃん。

控えめじゃない大和撫子さん今日もお疲れ!

バスルームから出てきたひよこにそんな風に声をかけるとひよこは??みたいな顔をした。

髪乾かしてやるからここ座りな?

ありがとー!!

うん、やっぱりこの香りはジョゼには違うな。

そ?

そ。これはジョゼに使われたくない

へえー。そうなんだ?

そりゃやっぱりそうさ。

激アマだから良いよというかと思いきやちがうんだ?

だめだね。

なんで?

成分が違うていうのもあるけどさ。

うん。

やっぱりこれはキミの香りなんだよ。
一番似合う人が使わないと

ありがとう。

どういたしまして。

はい。乾いた。よし。寝るぞ
明日が辛くなる。

ほんとそれ。

















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