裏裏ひよこ日記。823・ 637

ぴよぴよは朝５時に起きて軽く外を走って30分後位に戻って来てそれから10分程縄跳びしてシャワーを浴びてヨハン先生と栄養士の人が考えた食事プログラム通りの朝食を食べ、いままで絶対やらなかったに等しいメイクを会社に行くまでにきちんと仕上げ、ランチの支度をして間食用のおやつを小さなタッパーに詰め（ランチもおやつも食事面すべて。これもヨハン先生と栄養士の人が考えたひよこに必要な栄養を取らせるための甘いモノレシピの一つでオートミールとココアとナッツとドライフルーツとはちみつのシリアルバー）水筒にハーブティーを詰め、ミネラルウォーターを2本携え出勤している。

ヨハン先生はただの変人ではなかったようで
事前課題としてたくさんの書物の読後考察エッセイだったり朝と夕方の運動プログラムだったり食事プログラムだったり、それを各専門のトレーナーと相談しながらひよこのためだけの健康的でなおかつ美しく年を重ねるための外見的アプローチプログラムを作り上げ、Eメールでひよこに送りつけてきた。プラハで直接レッスンする前にこれをこなせられなければあんたあたしのレッスン受ける資格無いから。といわれており朝から晩まで細かく指定されたあれこれを文句の一つも言わず淡々と黙々とこなしている。

それぞれの分野の専門のプロと一緒になって一人のレッスン生のためだけに個人プログラム作り上げるなんぞそれだけで結構な値段がするとおもうのだが、ヨハン先生はどんな人脈を使っているのか分からないがこれはほんの序章だったりする。

ひよこは会社でもそんな感じで自分に割り振られた仕事を手早く片付け、後輩に引き継ぎするために午後を使い、人材育成部の仕事もやって、ハルと一緒にちゅーぎんの査定業務もこなし、今までだったら途中途中で休憩したりカフェでコーヒー飲んだり、友達とキャーキャー騒いだりそういうのもなくなった


ひよこがプラハで勉強したいことがあるので退職をしようかと考えているとミラ部長に打ち明けると次の日に上役交えて面談があり、ミラ部長が留学はあなたの人生だから大いに勉強してきたほうがいい。だけど休職という形も検討してみてはくれないか。とものすごい引き止められて最終3ヶ月間だけ休職するという形になった。それ以上引き続き留学したい場合はまた改めて話合いをする。という。
上役はオレも退職か？とざわついたそうだが、それはない。いまのところは。ときっぱりいっておいた。

仕事と留学の板挟みになったひよこはメンタルが削られていた。

時々資料室の死角になる奥まった場所でこっそりとうずくまって音も立てずに泣いていたりもあった。たまたま資料室に用事があって資料を取りにいった時にうずくまっているひよこを見つけて気分でも悪くなったのかと心配し、どうしたんだ？と声をかけると顔を上げさせるとそんな感じなのでここは婚約者という特権を振りかざして気持ちが落ち着くまでハグしたり、温かい飲み物を飲ませて安心させたりそういうこともあった。

そんないろいろを片付けてひよこはプラハに旅立っていった。

無性にさみしくて追っかけたい気持ちを抑えて毎日電話で話をして暇さえあればメッセージのやりとりをして我慢が利かなくなってから
直接プラハに行ってきた。
ぴよぴよはまさに彼女が望む彼女になってきていて、ほんの少しの間にぐっと見違えていた。

ひよこは留学期間中ヨハン先生が用意してくれた彼のアパートメントを格安で借りていて
ひよこの趣味でまとめられたインテリアの中で夕食を作ってくれた。
食べ慣れた味のひよこのご飯はほんとうに美味しくて心身ともに満足した。

美味しかった。ごちそうさま。

どういたしまして！

ホテルに戻るんだったよね？

ああ。明日仕事あるしな。

そっかあ。また明日あえるかな？

ああ。もちろん。一緒に食事しよう。
家でも外でもどちらでも構わないよ。

もう夜も更けたからここでいい。
わかった。

じゃあね。

またな。

…くっやっぱ無理。充電が切れる

なにどうしたの？

どっちがいい？

なになんのはなし？

ここかオレがとまってる部屋か。

は？

どっちかで一緒に寝る。どっちがいい？

いやわたしはどっちでもいいけど…

オレ…こっちにする。

着替えとかは？

取りに帰って戻る時間がもったいないから明日早めにここを出る。

今からなら洗濯して乾燥機に入れたら下着とシャツなら乾いてアイロン掛けできるけど…その間が困るよね？

それいいな。

でもその間服ないじゃない。

着ないからいいんじゃない？

着ないんだ？

着ないだろ？

風邪ひくよ？

831

はい？

637

いや、全然わかんないんだけど？

知らない？これ。

うん。わかんないや

しかたないな。特別サービスだ。

耳元でヒソヒソ囁く

めんどくさっ！そんな数字あるんだ？
お前めんどくさいてなんだよ（笑）

そんなまだるっこしい言い方しないで直接いえばいいじゃん。

これは遊びなんだよ。数字の暗号遊び。

玄関のドアの外のところでやりとりをしているのでもう一度家の中に入ることにした。

リラ・マイ・リラ。
今日は一緒にいたいんだけど。

前みたいに電話越しじゃなく、目をじっと見て

しばし無言。

お、お風呂入れてくるね。洗濯しなきゃ！！
あ、お茶碗洗わなきゃ！！

たぶんあれものすごい照れてるんだろう。
顔が赤かった。

いいって。オレがするから。とパタパタ動き回りだしたぴよぴよ改めリラマイリラに話しかける

こういうとこは変わってないんだな。

よかったよかった。

リラ・マイ・リラって大事な場面で呼ばれてみたいなーて軽く酔っ払って言ってた。
よっぽど憧れてたんだな。あのシーンに。

今日は月夜の晩だったな。さっきキレイな月がでてた。

あとから2人で見てみよう。

今度はプリンスエドワード島にも連れていってやりたいな。

ニジマスのムニエルて美味いんだよなー。

フレッド？ほんとうに着替えどうするの？

着替え？
あー、その件なんだけど。