ひよこ日記　イタリアマンマにやり込められるアルベルト

アルベルトがタジタジとなり、しかもなぜか照れたような表情をしているのをはじめて見た。

マンマは何事かをわたしに向かって機関銃のごとく喋っているけどさっぱりわからないけど
歓迎されてるっぽいのはよくわかる。

こういうときのために持ってきてたエルンスト先生作製の翻訳機をポシェットから取り出し耳に掛けてみた。

あんたまた遊びじゃないでしょうね？！こんな清純そうな女のコ引っ掛けて！遊ぶのやめたんじゃなかったの！フラフラしていたらマンマが許しませんよ！

…ちょっと…めちゃくちゃ面白いんだけど

アルベルトは弁解するかのように
いつの話をしてるの？ずいぶん昔のハナシをしないでくれる？ひよこちゃんって言うんだ。遊びじゃないよ。見たらわかるでしょう？僕は本気だよ。

まぁ…あんたが連れ歩いてたコ達とはえらく違うものねえ。

僕の大切な人だから

ほんとかい？

当たり前でしょう！なんてこと言うんだひよこちゃんの前で

耐えきれずに吹き出したら

アルベルトがひよこちゃん、言葉わかるの？としまったという顔された

これ持ってきた。翻訳機見せると

はあ…聞かれちゃったか。と苦笑いして
マンマ、残念だけど今の会話彼女全部理解できてたみたいだ。

マンマはそれがどうしたと言わんばかりに

ひよこちゃん！

はいっ！

ようこそ。ニッコリとマンマが微笑む

で、結婚式はいつなんだい！アルベルト！
わたしを呼んでくれるんだろう？

えっ！？いやまだその…

いつものアルベルトが目を泳がせているとマンマがさっさと決めなさい！なにしてるの！とまくし立てている

アルベルトは困ったなあ、あとからちゃんと説明させて？といってる。

いや違うよマンマそうじゃなくてね…と言いたいがまだ黙っておこう。

奥からぞろぞろと男の人がでてきた

アル！待ってたんだよ！
兄弟！！一杯はじめようぜ！
口々に声をかけられてハグやら握手の嵐。

ここにいるかわい子ちゃんは？

アルベルトが連れてきた女性だよ。

僕はマリオっていうんだ。ローマの街を案内するよ素敵なお嬢さん！

あんなやつほっといて僕と付き合わないか？

素敵な思い出を残したくない？かわいい人。

…ここの人達はフレンドリーだけど皆そろって機関銃のように早口で喋るな…
つか、さすがイタリアだな。挨拶と女性を口説く文句がワンセットなんだね。と感心していたら

アルベルトがガシっと引き寄せて
ちょっかい出すなよ？出したらただじゃおかない。血の雨を降らせてやるからな。

ツッコミを入れたかったがややこしくなりそうなので黙っていた。

ヒューヒュー！血の雨だとよ。こりゃ相当だな！とか

おめでとう！とか

こんなのやめて僕の所にお嫁さんにおいでよ？

アルベルト！ついに！やったな！

やめとけ。アルベルトを怒らせたら厄介だからな。

いろんな言葉が飛び交う

マンマが手を出したら承知しないよ！とわらわら群がっている男の人達を一喝した。

アルベルト！しっかりしなさい！
ひよこちゃん。こっちにいらっしゃい。キッチンに案内してあげる

アルベルトはヤレヤレって顔してた

こんなアルベルトはじめてみた。すごく新鮮で面白い