見出し画像

ITに強い税理士「クラウド型会計ソフトは小規模事業者の味方だ!」

こんにちは!愛知県刈谷市の税理士、榊原です。
かなり涼しくなったことで趣味のテニスで気持ちよく汗をかけるようになり、まさしくスポーツの秋を堪能しています。\(^^)/

税理士の仕事をしていると、お客様から会計ソフトの選び方についてご相談を受けることがよくあります。
会計ソフトとは、複式簿記により、総勘定元帳と財務諸表を作成するシステムです。
簡単にいうと、会社の収支を記録して報告するための帳簿作成ソフトです。

ここでは、会計ソフトを選択するポイントなどを税理士の目線からお話します。

まず会計ソフトをざっくり区分すると

  1. クラウド型会計ソフト

  2. インストール型会計ソフト

  3. ERPシステム

の3つがあります。

ERPは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略です。

ERPシステムは、会社の

  • 会計業務

  • 人事業務

  • 生産業務

  • 物流業務販売業務

といった基幹となる業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るための基幹統合処理システムです。

ERPシステムを導入しているのは大規模なグループ企業が多いため、ここでの詳細を割愛しますが、私はクラウド型会計ソフトのことをERPシステムをダウンサイジングしたシステムのようなものと考えています。

今回は、会計業務を効率化できるクラウド型会計ソフトについてご紹介させていただきます。


クラウド型会計ソフトとは、文字通りデータがクラウド上に保管されている会計ソフトで、データ処理は常にインターネット環境が必要となります。 

クラウド型会計ソフトのメリット

  • 常に最新のソフトウェア

  • 他社とのデータ連携が得意(FinTechやAPI連携、CSV取込)

  • BCP(企業の災害対策)

  • 会計ソフトのほかにも給与や請求書、経費システムなどと連携し、圧倒的な事務効率化を実現

常に最新のソフトウェア

クラウド型会計ソフトは、自身のパソコンやスマートホンにインストールせず、ベンダーが管理するサーバー上で運用さています。
そのため常にバージョンアップやバグ修正作業が行われていますので、閲覧するたびに最新のソフトウェアを利用することができます。

※デメリットにもなることもあります。 これについて後述します。

他社とのデータ連携が得意

クラウド型会計ソフトの特徴として、他のクラウドサービスとAPI連携やインターネットバンキング情報のダイレクト取込などが可能です。 

インターネットバンキングやクレジットカード明細、電子マネーの利用情報、楽天市場、Amazonなど、さまざまなデータを連携し活用することができますので、データ入力の手間が大幅に削減できます。
弊所でも、この機能は積極的に活用しています。

例えば、勤怠管理ソフトから勤怠データを給与計算ソフトにAPI連携し給与計算を実施しています。
その後、給与計算ソフトから会計ソフトへ仕訳データをAPI連携するといった運用も可能です。 

BCP(企業の災害対策)

データもクラウドに保管されているため、災害等でパソコンやスマートホンが故障したり紛失したりしたとしても、大切なデータは守られます。

パソコンやスマートホンが壊れてしまったとしても、クラウド型会計ソフトにとっては単なるビューワーでしかないため、データは保護されます。

災害時の緊急融資などの場面でも役立つことでしょう。 

クラウド型会計ソフトのデメリット

  • 仕訳入力機能はかなり貧弱な印象

  • サポート体制に不安あり

  • 常にメンテナンスが実施されている

  • 情報漏洩リスク

  • データ連携の弱点

  • ベンダーの信用リスク

  • インターネット環境がないと使えない 

仕訳入力機能はかなり貧弱な印象

他社とのデータ連携が得意な分、クラウド型会計ソフトは、仕訳入力の機能がかなり貧弱な気がします。
インターネット環境のため、速度に差が出やすく、全体的に遅めな印象を受けます。

データ連携を積極的に活用しているのだから仕訳入力はほとんど行わないだろう、という考えで運用されているのでしょうか?(-ω-;)

仕訳入力を行っていた人がクラウド型会計ソフトを初めて利用すると、かなり処理速度が遅いと感じるはずです。 

サポート体制に不安あり

クラウド型会計ソフトでは、インターネットQ&Aやチャットボットによるサポートが主流です。

電話サポートに対応しているベンダーもありますが、ほとんど機能していない印象を受けました。電話しても、長時間待たされます。

すぐに答えてくれるチャットボットを利用しても、適切な回答を得られないケースが多いです。

インターネットQ&Aも詳しく丁寧に記載されていますが、ITや経理事務に関する知識がまったくない人にとっては、わかりにくいと思います。

常に監視とメンテナンスが実施されている

これはメリットであり、デメリットでもあります。

クラウド型会計ソフトは、ベンダー管理のサーバー上で運用されるシステムのため、メンテナンス等でソフトウェアにエラーが起きると、ほぼすべてのユーザーがエラーになってしまいます。

事実、メンテナンスのため閲覧できなくなることは、業務上よく発生しています。

情報漏洩リスク

クラウド型会計ソフトは、IDとパスワードがわかれば誰でも閲覧できますので、パスワード管理がずさんだと簡単に情報漏洩事故が起きてしまいます。
会社のデリケートな情報なだけに、情報管理は適切に行わなければなりません。

クラウド型会計ソフトを利用していた従業員が離職した際に、パスワード等を変更するなどの対応をとらなければ、外部から閲覧できる状態になってしまう可能性があります。

データ連携の弱点

データ連携についても、現状は万全ではない印象です。

Amazonでの売買やAirレジなどを連携した際に入ってくる複雑な取引データについては、手動による仕訳修正が必要なケースが多いです。

※ある程度パターン化したものをAIに覚えさせることで工数は少なくできます。

特にネット通販を行う人は、工数が膨大になる可能性があります。 

また、そもそも連携元のサービスがトラブルを起こした場合、自動的にこちらも連携不能になります。
この場合、クラウド型会計ソフトからは手の施しようがありません。

ベンダーの信用リスク

これはクラウドサービス全般に当てはまるかもしれませんが、ベンダーが倒産等した場合のデータの保護、出力方法などについてあらかじめ確認しておかなければなりません。

クラウド会計ソフトがおすすめなお客様

榊原税務労務会計事務所ではクラウド型会計ソフトを、以下のようなお客様へおすすめしています。

  • 経理担当者がいない(社長が自分で経理処理を行っている)、または比較的小規模な事業者(ひとり社長)

  • 榊原税務労務会計事務所で入力代行(記帳代行)している事業者

ひとり社長

クラウド型会計ソフトの最大のメリットは、なんといっても効率化です。
少し前までは、ERPシステムに搭載されていたような一気通貫処理が、クラウド型会計ソフトで実現することができます。

起業・開業したばかり社長は、営業や商品開発に、広告宣伝、経理とやることがたくさんあります。
そんな中で、会計ソフトへ入力している時間などないはずです。

そこで、クラウド型会計ソフトを利用することで、入力を行わずして、仕訳が完成するような仕組みづくりをすることで、社長は適切な財務データを基に本業に集中することができます。 

弊所で入力代行している事業者様

弊所で入力代行する場合には、クラウド型会計ソフト「マネーフォワードクラウド」を利用していただいています。
データ連携を最大限活用することで、通常の入力代行よりも工数を減らし、安価な価格でサービスが提供可能となります。 

榊原税務労務会計事務所の取り組み

クラウド型会計ソフトは、現状ではデメリットのほうが多い印象です。

しかし榊原税務労務会計事務所では、事務所方針と合致するソフトであると判断したクラウド型会計ソフト「マネーフォワードクラウド」について積極的に推進してます。
なぜなら、クラウド型会計ソフトは適切に運用すれば、事業者様にとって、事務効率化と経営面で大きなメリットがあるからです。

クラウド型会計ソフトを適切に運用できるように、弊所ではさまざまなご提案や丁寧なサポートを提供しています。

クラウド型会計ソフトの導入をご検討中でしたら、ぜひ榊原税務労務会計事務所までご相談くださいませ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?