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絶対的な悪はない:GLAY第86曲『MIRROR』(2007)
悲しい曲が多いGLAYやけど『MIRROR』ほど絶望的な曲は無いんじゃないだろうか?
お前に今何を伝えるべきかずっと考えている
黒いカードの中の結末を伝えようか まだ迷いながら
開け放たれたドアはたやすく出入りできるように見えたけど
打ちひしがれる現実に背を切られ 振り向くことすら出来ない
時に誇りさえ奪われ 信じた者の裏切りを見た
うすら笑いの影にこれまでの日々が悲しく思えた
海へ漕ぎ出した男達 陸で今日を生きる女達
掲げたプライドなんてものは とうに嵐にさらわれた
GLAYが訴訟問題をきっかけに自由な音楽活動が出来なくなった2005年。GLAYを取り巻く環境は激変したのだろう。その中で、これまで共に歩んできた仲間の裏切りにも出会ったのだと思う。
2006年に活動を再開して初めてのアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』のキラーキューンとも言える『MIRROR』には、そんな絶望と葛藤の日々を伺い知ることができる。
しかし、私はこの曲のタイトルが『MIRROR』であるという事に結構重要なメッセージが込められているような気がする。
「MIRROR」すなわち「鏡」、自分自身を映し出すものである。GLAY4人はやりたい音楽やファンや家族の事を思い行動してきた。しかし、そんな彼らを絶望に追い込んだ芸能界や、そこに蔓延る人達がいた。しかし彼らも何か大切なものを持って生きているのである。信念があり、プライドと守るべき家族がいるのである。彼らからすればGLAYは、とんだ「あまちゃん」なのかもしれない。
人と人とが争う時、どちらか一方が絶対的な悪ではないという事をTAKUROはよく知っているのだろう。それぞれに大切なものを持ち、信念を持つ者同士が争って、戦争すら起こり得る。
自分達の敵は、自分自身の「鏡」でもあるのだ。
人と争い傷つけてでも自分の大切なものを守り抜かねばならない時がある。それさは絶望なのかもしれないけれど、「愛する」という事だけはいつも美しい。争い合うもの同士がそれぞれに大切なものがあり、そこには「愛」があるはずなのである。
TAKUROはそんな思いで『LOVE IS BEAUTIFUL』と名付けたんじゃないだろうか。
『MIRROR』をリクエストしてくれた雷蔵さん、ありがとうございました♪
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