見出し画像

TERUやTAKUROにも影響を与えたであろう曲:GLAY第144曲『Ruby's Blanket』

個人的なGLAYベスト10に入るであろう曲『Ruby's Blanket』について。

忘れないよ 今のこの時を
忘れないで 最高のこの夜を
外へ出れば逆巻く風 時代に頬を打たれても
かまわないさ 思い出はポケットの中
誰も奪えない

「Ruby's Blanket」より

時は2011年。
GLAYのメンバー一人一人が作曲した曲を1曲ずつ入れてシングルとする初の試みがなされた。
そのシングルの名は「G4 Ⅱ THE RED MOON」。
曲目は、
1. everKrack(HISASHI作曲)
2. キリノナカ(TAKURO作曲)
3. MADBREAKER(TERU作曲)
4. Ruby's Blanket(JIRO作曲)
というラインナップで「RED MOON」のタイトルから想起されるような妖しいロックナンバーが多いシングルとなった。
そんな中で異色とも言えるのが、さわやかでエモいパンクナンバーの「Ruby's Blanket」だった。

この曲を聴いた時、前作の10thアルバム『GLAY』に入っているJIRO作曲の「Chelsea」を思い浮かべた。
単純なアレンジの明るくて爽快なパンクナンバーという括りでは、同じ系統の曲だったからだ。

曲のキャッチーさは「Chelsea」に軍配が上がるのだけど、「Ruby's Blanket」は聴いているうちにじわじわと好きになった。聴き比べていると「Ruby's Blanket」は、「Chelsea」よりも、よりプライベートで親密な印象を持つようになった。

あなたと私の別れと旅立ち書いた曲なんだけど、
"思い出はポケットの中 誰も奪えない"
という歌詞に私は心を掴まれた。
どんなに世知辛い世間の荒波に揉まれても思い出だけは誰も奪うことができない、そんな誇りだけでどれだけ力強く生きていくことができるか計り知れないな...そんなふうに思った。

そして「Chelsea」や「Ruby's Blanket」といった曲は、それまでのGLAYの軌跡の中で突然変異のように現れた曲なんだけど、これらの曲が後のGLAYに与えた影響は大きいのではないかと思っている。

それはつまり、2005年までに主にみられる"明るいけれども凝ったポップソング"と、2006年〜2009年までに主にみられる"ゴリゴリのロックチューン"だけではない、新たなGLAYの可能性を開いたというか、"単純で素直なポップス"を"おじさん達がやる"という一見ミスマッチながら絶妙なマッチングを導き出した先駆者的楽曲だと思うのだ。

このJIROの楽曲の雰囲気が、
TAKUROにおいては「Bible」という天才的な楽曲を生み出すことに繋がったと思うし、
TERUにおいては「Bleeze」や「疾走れ!ミライ」などを生み出すことに繋がり、これらは2014年〜2018年あたりのGLAYを象徴する雰囲気へと成長していったと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?