りんた

Human Resources × Data Science I am a futur…

りんた

Human Resources × Data Science I am a future data scientist in a Japanese company providing human resources solutions. ♡ coffee, programming

最近の記事

面白いとは ③ 〜面白くあるべき文章と面白くなくてもいい文章〜

世の中にある文章は面白くあるべき文章と面白くなくてもいい文章に分けられる。 説明書は面白くある必要はない。読者に仕様が伝わればいい。もし説明書に面白いアメリカンで大袈裟な表現があっても邪魔と思われてしまう恐れがある。 論文も面白くある必要はない。正確には、学術的に興味深いとより評価されるが、面白いことよりも主張に新規性があり論理展開に無理がなく説得力のあることの方が求められる。面白さはマストではない。 新聞も面白くある必要はない。事実を明確に伝えてくれさえいばいい。面白いフ

    • 面白いとは ② 〜少なくとも不快ではない〜

      面白いとはどういうことなのか。長年の教育経験のある校長先生に聞いてみたい。いや、少し考えれば校長先生に聞くの無筋だと分かる。校長先生の話はえてして面白くないのだから。 面白いとはどういうことなのか。なかなか難しい。答えなんてないのかもしれない。答えがあればお笑い芸人は全員すべり知らず、校長先生も知識と経験で朝のおもしろトークができるはずだ。 真正面から面白いという概念に立ち向かうのは難しそうなので、より広い概念の言葉から攻めてみる。 面白いは快か不快かでいうと、快の感覚だ

      • 面白いとは ① 〜連載のきっかけ〜

        noteに価値のない文章を投稿するということは、ネットに無駄な情報を増やすという種類の迷惑行為をしているのと等しい。というのは少し過激かもしれない。 しかし、ネットに公開する文章は一定数の読者に価値を認めてもらえるレベルのものでなければいけないというのは私の持つ倫理観の1つだ。 そうなると価値のある文章を書くことにおのずと興味が湧く。 友達に文章を読む理由を聞いたことがある。友達曰く、文章の中でも特に小説を読む理由は〔面白い〕からであるとのことだった。教養や語彙力が身に付くか

        • 不自由が自由に先立つという仮説

          人類が「自由」という概念を獲得するよりも前に、「不自由」という概念を獲得していたのではないかと思う。 紀元前何十万年も前、つまり人類が社会性を獲得する前、どう行動するのも当人に委ねられていた時代には人類の誰一人として、自由という概念も不自由という概念も持っていなかったはずだ。それからホモサピエンスが言葉を使うようになり、集団に秩序が生まれ出した時、あるホモサピエンスはこう思った。「なんかみんなと同じ規範で動くのだるいな」と。「不自由」誕生の瞬間である。 彼は不真面目だから、み

        面白いとは ③ 〜面白くあるべき文章と面白くなくてもいい文章〜

          怖いもの見たさエンターテイメント

          村上龍の短編『トパーズ』を読んでいる。村上龍作品でいうと、過去には小説の『限りなく透明に近いブルー』とエッセイの『すべての男は消耗品である』などを読んだ。 村上龍の文章には引きつけられる。それはもうすごい引力で激しい暴力的で性的な世界に吸い込まれる。描写が主観的で具体的で生々しいからあたかも自分が暴力的で性的な体験をしたような感覚になって胃の調子が実際に悪くなる。体験したくないことを体験させられる。村上龍の描く世界なんて生まれてから死ぬまで垣間見る必要なんて無いと本気で思うの

          怖いもの見たさエンターテイメント

          英語学習、あるいはTOEIC学習

          だらだらと、無目的に英語学習を続けている。 現代社会において〔成長せねばならない〕の見えない圧からうまく身をかわすことのできない人がいるように、私も英語学習のやめ時を見失い黙々と英単語学習や英語長文読解をする日々を送っている。 私の所属する会社は完全に国内市場向けで、英語などだーれも使っていないらしい。だから英語力が上がったところで今の職場では役に立てる見込みはとても低いし、転職も考えていないから、仕事で英語が役に立つことはしばらくないだろうと思う。 ではなぜ英語学習を続けて

          英語学習、あるいはTOEIC学習

          退屈な日常に対抗できる、手のひらサイズの突破口

          「人生は小説よりも奇なり」という慣用句は、小説が人生よりも平均として奇であることをフックに成り立っている言葉だ。逆説が効いているからそこにユーモアが生じている。 小説ほどとはいかずとも、自分の人生を奇なものにしたいと私は常々願う。私が文章を書くのも、自分の人生を奇にしようという企みなのだ。とはいえ、脚色や切り取りで人生を奇に仕立ているわけではない。日常的な文章習慣があることで、世界の見方が少し鋭くなったり、普通見逃してしまうような景色や感情に敏感になれたりするのだ。結果とし

          退屈な日常に対抗できる、手のひらサイズの突破口

          いい天気に見合う食事

          休日である程度早く起きれて空が青く晴れ渡っていると、その天気に見合う食事がしたくなる。 曇りでどんよりした空模様ならば諦めがついて、適当に日中を過ごす気も出てくる。ただ天気がいいとなると話は変わってくる。どうにかこのいい天気を満喫したいというもったいない精神が湧き出てしまう。 ファストフード店に行こうか迷う。ファストフード店でハンバーガーとサイドメニューをテイクアウトし、公園で食べるという方針だ。悪くないけど他も考える。老舗中華はちょっと違う。牛丼屋も今日に限っては違う。

          いい天気に見合う食事

          ジュンク堂へ

          人と一緒にいるのが嫌になった。人と一緒にいるのがここ最近までは好きで、友達といることが比較的多かったのだが、ネガティブな言葉の音色や非明文的な悪意に辟易してしまった。 滅入ってしまったのか、「気の合わない奴と会いたくない」と思うのと同時に仲の良い友人とも話す気が失せてしまった。一時的な〔一人になりたい症候群〕を発症している。回復の見込みはまだない。 数人の人と一緒にいると話題の選び方がややマス向けに傾き、個人的な話題はあまり出さなくなる。私は人とおしゃべりをするのが好きだっ

          ジュンク堂へ

          話を合わせる後輩の話

          25歳で大学に居座って学生をしている。身分は大学院生だ。大学院生とは、大学院という機関で研究活動の基礎を実践ベースで2年間学び、その2年間での学びを修士論文という形式のある程度厳格に決まったフォーマットに落とし込む作業に躍起になる人を指す。研究の楽しさ面白さに目覚めたものは博士後期課程に進学しアカデミックな世界での生きる道を探し、そうでない人は俗世での平凡でそこそこな人生を夢見て就職活動をする。 大学に居座っていると大学生1年生と話す機会がある。この前話した大学1年生はAとい

          話を合わせる後輩の話

          『人を動かす』の呪い

          有名な自己啓発本にデール・カーネギーの『人を動かす』という本がある。その本の最も重要な主張の一つが「相手が悪いと思っても指摘しないこと」である。どんな人間であれ自分が悪いなんて思わないから指摘したところで無駄である、というのが根拠だ。 最初に『人を動かす』を読んだときから指摘しないという方針には納得したし、納得し続けているからこそ読んでから5年以上経っている今まで指摘しないという方針は守り続けている。 最近久しぶりにチームを率いるポジションにつくことになった。性格が真っ直

          『人を動かす』の呪い

          さよならの準備はできている

          人間にとってさよならは辛いことだけど、人間の仕組みとしてさよならを許容するようにできているのではないかと感じる。 そう思うようになったきっかけがある。高校時代、二週間の語学研修でオーストラリアの家庭にホームステイした。最終日にはファミリーと涙の別れをし、いつでも連絡を取れるようにとFacebookで繋がった。問題はここからで、Facebookで繋がっているにも関わらずその後ファミリーと疎遠になってしまった。今思うと、帰国の空港でもうキッパリ会えないという方が別れとして綺麗だ

          さよならの準備はできている