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読書についてあれこれ

読書の方法や目的は様々ですが、皆さんはどのような読書をされているでしょうか。

多忙だから効率よく多くの情報を得るために早く読む。
多忙だからこそ読書の時くらいはゆったりと情景を味わいながら読む。     
疑問に思っている部分だけを適宜、辞書のように読む。         
ベストセラーや流行りの本だから取り敢えず読んでみる。        
仕事や専門の分野に関する本だからタスクとして読む。     
教養を得るために、難解で分厚いが毎日少しずつ読む。

本の読み方は目的や読書に充てられる時間、ライフスタイルによって異なると思います。私は何冊かの本を同時に読みます。それぞれの本を上にあげたスタイルに合わせて読んでいく事が多いです。ですから進行具合は本によって異なります。

私が同時に複数の本を読む理由は、自分にとって難解であったりつまらなかったりするとすぐに別の本に移ってしまい、読みかけの本には二度と戻れなくなる事があるからです。やはりせっかく読み始めた本をすぐに途中でやめてしまうのはもったいない気がします。そこで複数の本を同時に読むと、不思議と "難しい本も少しずつ進めていけばいいんだ" 、 "他の本も進んでいるから大丈夫" と安心感を覚え、時間はかかっても結果的には最後まで読み通せることが多いです。また気持ちにもメリハリがついて、読書中の集中力が高まっているように思えます(勘違いかもしれませんが(^^;、、、)。

これはあくまでも現在の私のスタイルであって、他にも様々な読み方をされている方がいるでしょうし、将来は私自身も変わるかもしれません。それに小学生や中学生の時は複数の本を同時並行に読むよりも1冊の本をじっくり最後まで読む練習をした方が良いのではないかと思います(ちなみに私自身は小・中・高と一部のミステリー小説以外、読書とはほぼ無縁でした😓)。

読書の目的も様々です。人によって皆異なりますし、社会人になればどんな本を何冊読めば良いなどというルールもありません。しかしある程度読書をしていると、その目的は違えど結果的には視野が広がり、物事を俯瞰して見られる力がついてくるのはではないでしょうか。

一方、受け身で何も考えずにただ読んでいると、作者に頭を支配されてしまい自分で考える力が失われるという指摘もあります。確かにただ情報を頭に入れるだけという読み方ではそうかもしれませんが、読み方の工夫でその危険性は回避できそうです。その工夫についてよくいわれているのは、

時々立ち止まり反芻しながら読む。
自分の経験に照らし合わせながら読む。

ということです。これは確かに重要なポイントだと思います。それに加えて私が効果的だと思うのは、

ここはと思った箇所の文章をそのまま紙に書き写す。

という作業です。文字を目で追うだけとは異なる思いもよらない気づきが得られる事があります。パソコンで文字を打つのでも良いです。私はこの作業で、いわば電車の窓からなんとなく眺めていた遠くの山の風景が急に目の前に大きく現れて、実際に登山をするような感覚に陥る事があります。そして文章の中に隠されていた本当の意味に気付いたり、文脈がより鮮明になってきたりします。付箋を貼ったりドッグイヤーをつけることもありますが、文章を書き写すことで得られる効果には及ばない気がします。

近年インターネットやSNSの普及で非常に多くの情報を様々な形の文で読むことが日常になっています。LINEで送る一言だけの短文から140字制限のTwitter、ある程度の長さのブログまで幅広く多くの人々が発信しています。私はこれらからも非常に有益な情報を得ており、今やインターネット、SNS、ラインなしの生活は考えられません。医学情報の取得や論文検索もインターネットがないと難しい時代です。

10万冊の蔵書を所有し「知の巨人」と呼ばれる渡部昇一氏(故人)は、

読書は「精神の食べ物」で、インターネットから得る情報は「サプリメント」である。ビタミンCはサプリメントからではなく、グレープフルーツを食べて美味しく摂取したい。

という旨を述べています。私は情報が氾濫している現代だからこその言葉として受け取っています。情報を鵜呑みにせず、自分の培ってきた見識をもって向き合う姿勢が大切であり、その見識を育むのはインターネットではなく読書からなのだと教えられた気がしています。

哲学者の安岡正篤氏は「知識」「見識」「胆識」という言葉を用いて、知識だけではだめで人格・体験から得た見識を持つこと、そして決断力・実行力を持った知識や見識が胆識であり、世の難局を救えるのは胆識を持つ人物であると述べております。ここからも情報を判断する力を育む必要性が窺えます。

読書の方法や目的は様々でその是非に関する議論も多々ありますが、読書から得られる根底にある大切なものは同じなのかもしれません。

皆さんはどのような目的で、どのような方法で読書をしていますでしょうか。是非教えて下さい😊

最後に安岡正篤氏の「人生の五計」より引用文章をご紹介したいと思います。取り留めのない文章でしたが最後までお付き合い頂きましてどうも有り難うございました。

われわれが日々の生活で心掛けるべきは、この朝の大事な時に愛読書を持つこと、読書ということであります。(中略)本当に自分の心を清め、自分の悟りを導いてくれるような精神的な、それこそ格・品格の高い書物、道の書物、心の書物、魂の書物、古人の名著、聖賢の書というものをたとえ1ページでも2ページでもよろしい、すなわち古人の短い文章でも手紙でも答案でも語録でも読むことだ。(人生の五計)



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