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骨粗鬆症について

 骨粗しょう症とは骨の量が減って骨が弱くなり、大きな力が加わらなくても骨折しやすくなる疾患です。日本には約1300万人いるといわれています。高齢化に伴いその数は増加しておりますが、治療を受けているのはわずか1/4で、残りの3/4である約1000万人の方は治療を受けていないか、あるいは診断もついていない状況であるといわれています。骨粗しょう症になるだけでは痛みがないことが多いため、医療機関を受診せず診断が遅れているのかもしれません。


 骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化に深く関与しています。その他運動不足、喫煙、過度な飲酒やダイエット、糖尿病、腎臓病、遺伝などもリスクに挙げられます。いずれも生体内で新たに骨を作る骨芽細胞と古い骨を壊す破骨細胞の働くバランスが崩れることで引き起こされます。


 骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)、腕の付け根の骨(上腕骨近位部骨折)などです。せぼねに骨折が生じると背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が低くなったりします。一度骨折を起こすと続いて新たな部位に骨折が起こる確率が2~4倍に増え、これを骨折の連鎖といいます。従って骨粗しょう症は早期診断・早期治療の介入が重要なのです。


 診断には骨密度を測定する機械を使用し、数値として表します。またレントゲン写真を用いて骨折の有無の評価をいたします。診断がついた場合は速やかに治療を開始します。

骨粗鬆症の治療は「運動療法」・「食事療法」・「薬物療法」の3本柱です。

骨粗しょう症治療の重要な目的の一つは骨折の連鎖を止めることであり、そのためには筋力をつけ転倒しにくい丈夫な体を作るべく「運動療法」が推奨されます。自宅内でできる片脚立ちやスクワットといったロコトレは多くの書籍やインターネット動画で紹介されているので参考にされると良いと思います。運動療法により、骨密度が上がることは様々な研究で報告されていますし、もう遅いということはありません。ご自身のペースで大丈夫ですので継続することが大切です。まとまった時間がとれなく生活の中で分散しても効果は見込めます。例えばスロージョギングなんかはお勧めですので、Twitterで過去にツイートしたものを参考に載せておきます。

食事療法」はカルシウムやビタミンD・K・B、タンパク質の多い食品をバランス良く摂取することで骨を丈夫にします。

骨粗しょう症に対する薬は近年種類が増えており、それらを適正に使用することで骨を丈夫にし骨折を予防できます。この「薬物療法」は経口内服薬と皮下・静脈注射があり、投与間隔も連日投与~1年に1回の投与まで様々です。骨折の危険性や年齢、全身状態、ライフスタイル等に合わせて使用しますので担当医に相談して下さい。


 骨密度は、程度の差はありますがどなたでも年齢を重ねると低下していく方向に向かいます。骨粗しょう症と診断された方、まだ診断はされていないけれども先ほど述べたリスクの高い方をはじめ、あらゆる世代の方においても、良い食生活や運動習慣を意識することは骨を丈夫にするために大変意義のある事だと思います。

お読みいただき誠に有難うございました。下記に参考ツイートを載せますのでご参照下さい。

<参考ツイート>

骨粗鬆症は子供の頃からの運動習慣が大切です👇


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