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ロードバイクにお金をかければかけるほど必ず幸せになれる、、、わけでもなさそうだ

これまで何台もバイクを乗り換えてきて、ついにBianchi Ortre XR4にCampagnolo Bora Ultraを履かせてDura-aceのDi2で固めるというところまで行った。リムブレーキとはいえ最高峰も最高峰である。性能に関してはツールで十分に証明されている。見た目も申し分ないかっこよさである。これに乗って幸せになれないわけがない。そうした無知な私の幻想はガラガラと音を立てて崩れることになったのだった。

何がダメだったのか

ホイールとコンポに関してはオーバースペックではあるが間違った選択肢ではなかった。中古で回しているので出費としても新品を買うほどの痛手ではない。問題はフレームであった。体重63kg、身長170cmでレースに出るわけでもなくロングライドやヒルクライムをマイペースに楽しむ私にはこのフレームは強すぎた。まるでフレームから「お前程度の貧脚など相手にしていない。帰れ。」と言われているようだった。
一応補足しておくと、乗り心地はとても良く、剛性も高いので反応は最高であった。ただ素人の私でもわかるほど、このバイクの性能が自分の体格と自分の乗り方に全く合っていないということを感じさせられたのである。

登りで重いと感じたがパワーがあれば楽なのだろう

同じバイクでも別の人が乗ると

ではこのバイクはパワーがない人間は誰が乗ってもダメなのかというとそういうわけでもないらしい。弊社の社長は186cm、85kgの巨人だがこのフレームを痛く気に入って4年間乗り続けていた。社長もレースに出るわけでもなければめちゃくちゃ速い剛脚というわけでもない。しかし彼曰く、私が好むような軽量オールラウンダー系のバイクはやわすぎてぴょこぴょこ跳ねて進まないバイクと感じてしまうそうだ。体格が大きければむしろこれくらい強いフレームの方が身体に合っているのかもしれない。

社長は4年ほどortreに乗り続けた

この失敗で気づいたこと

どうしてもロードバイクは機材にお金をかければ一定速く楽になってしまうのでお金をじゃぶじゃぶ流し込めばもっと速く楽になると感じることもあるかもしれない。
しかし当たり前といえば当たり前の以下の基本に立ち返ることが大事だと気付かされた。

正しい箇所に正しい量の課金をできているか

もちろん各人の懐事情というものがあるのでそれに合わせてということにはなる。新品に拘らないのであれば中古も素晴らしい選択肢だと思う。
あとは費用対効果も考慮すべきである。使える予算が限られている中でフロントやリアのディレーラーをアップグレードするよりはクランクやシフター、ブレーキに予算を回した方が効果を感じやすいだろう。
何十万もかけてホイールを買い替えなくても、もしかしたらタイヤを変えるだけで今抱いている不満は解消されるかもしれない。もはや空気圧を変えるだけで満足いく乗り心地になるかもしれない。

自分の身体や乗り方に合うバイクの種類を理解する

最新のバイクになってくるとある程度どんな人がどんな乗り方をしても最高のパフォーマンスが引き出せるようなバイクになってきている。
EmondaとMadoneの統合などの流れが今後どうなっていくのかは楽しみである。

あくまで私の考え方だが、自分の力だけではどうしようもない極限の状態でバイクの性能にどう助けられたいかをイメージしてみるといいのではないかと思う。(そこまで乗り込まないにしてもイメージするだけでいい)

  • 平坦のトップスピードや巡航速度をとにかく上げたいのか

  • 坂道で少しでも楽したいのか

  • 長距離走って疲れ切った時にもう一踏ん張りしたいのか

などなど

あとはバイクの設計思想がどのような目的を持って作られているかである。
私はロングライドを楽しむ派なのでエンデュランスモデルがいいと思ってDomaneに長いこと乗っていたがその後の乗り換えたUltimateやEmondaの方が楽に走れたのだ。というのもそもそもDomaneはパリ〜ルーベのような石畳のレースで走らせるために作られたバイクだ。日本の道を長距離走れば必ず山にぶつかり、そのバイクの衝撃吸収機構の重量としなやかさに逆に苦しめられることになるのである。設計時に想定される状況と自分が楽に走りたい状況がミスマッチしていないかはよく考えるべきである。

まだまだ研究は続く

と、いうのが私が今のところ持っている考えだが、これは今後の技術革新や環境の変化によってまた意見が変わってくる可能性がある。時折こうして、どういった観点でバイク選びやアップグレードをすべきかなどを書いてみようかと思う。
ここに書いていることもあくまで個人の意見なので、人によって感じることはさまざまだろううが参考程度に思っていただければ幸いである。

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