スピードと価値観

[1]スピード
 忙しさというのは死までの距離と、生を考える時間を奪ってしまう。今月いっぱいまでは忙しさに身を任せるのだけど、同時に忙しいという事実だけで「本当にやりたいこと」からは逃避している感覚が強くある。
 来月からは本当にやりたいことに向き合って人生を少しずつ転がしていくつもりだけど、同時にゆっくり人と話したいという気持ちがある。自分の価値観の変化を、誰かの脳を経由して解釈する作業が必要だなと感じている。
 会社にいるとどうも思考停止してしまうようで、千と千尋の神隠しで名前を取られた千尋が千として働いているのと同じで、働いていることに安心感を覚えてしまうし、正直労働すればするほど居心地が良い。しかし本当にやりたいことは会社のデスクにはこれっぽっちもない。忙しさと労働で、そういった人間的な考えは奪われてしまう8時間が、平日に用意されているだけなのだ。

[2]価値観
 朝起きて、少しだけ時間を使って2年前の自分の発言や考え方を見返していた。なんだか僕はやはり、過去を見て今の自分を鏡のように写す作業が好きみたいだ。今回のターゲットが少し近い過去だった。
 2年前から変わっていないようでもう随分と変わっていた。細胞レベルで別人になっている。「捨てなければ前に進めない」という言葉は常々僕の頭の中から消えずに残り続けている言葉だけれど、痛みを恐れず捨てたり、痛みを恐れず意識的に変えたり、スタイルを変えたりする瞬間が近く訪れる可能性があるなと、直感的に感じている。それは大きなものか、小さなものかは分からない。
 それだけ価値観の変化や、元々持っていたものが強固になっているし、時代も変わっている。少し先の未来が見えたら過ちも犯さないのだけど、未来が見えないがゆえに人生は面白いし苦しいし吐き気を伴う。恐らく、転機なんだろう。なるべく自由な発想で、吐き気を抑えながら人生を楽しみたいと思う。

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