幻想のコミュニティ

[1]幻想はあるほうがいい
 コミュニティなんて腰をかけるための幻想だ。バンドをしているおかげで、自分はこの世に存在してていいかも、という安心感を持っている。
 だだ、世の中色んなバンドが解散したり生まれたりしているのをみれば分かる通り、バンドなんて脆くて儚いコミュニティの一つに過ぎない。例えばZOOZやガストバーナーが何の予兆もなしに突然練習もライブもしなくなったら、あのバンドは存在していたのか、僕はバンドに所属していると胸を張って言えるのか怪しくなってくる。
 コミュニティなんてそんなもので、バンドを辞めたらバンドマンではないし、大学を中退したら学生でないし、会社を辞めたら会社員ではない。コミュニティであったり界隈であったり、そういった目には見えないものを言葉で線引きして、僕たちは安心したり仲間意識を持ったり時に敵対視したりしている。
 僕たちはそんなコミュニティの垣根をいちいち気にしたりしないで、次々渡り歩いて、時々そこに腰掛けたりしている。人生はそんなことの繰り返しだと思うけれど、何だか当たり前のようにコミュニティから離れたり文句を言ったりするのは妙なことだなと思う。

[2]責任
 僕は「責任を持つ」ことが好きだ。変かもしれないけれど、「責任を持つ」ことにワクワクしてしまう。責任を持てば持つほどやりたいことの選択肢は増えるし、首を突っ込んでいる方が主体的で楽しいことも多い。ただそこに「リスクがある」だけだ。
 なんでこうまでして「責任を持ちたがらない人」が多いのか。気持ちは分かるけれど面白くないなぁと思う。人間なんて、生まれた瞬間からリスクだらけなのに。いずれ死ぬし。
 何かミスを犯して責任をとっても死にはしないのに、まるで爆弾のたらい回しのように誰かに責任を押し付けあっている様は果てなく醜い。そして不満が多い人は他人に責任を押し付けて自分は何もしなかったりする。
 そんな他責な人生は楽しいのだろうか。でもきっと本人は楽しいんだろうな、そこは否定はしちゃいけないんだろうな。ただ僕にとっては面白くないだけ、分かり合えないだけかもしれない。人の数だけ人生がある。お勧めはするけど強制はできない。あ、でもそうか、誰も「16ビートはやお」なんて名乗る人生やりたくないか。分かる分かる。でも、僕はそんな自分の人生が楽しかったりする。

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