見出し画像

ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.07.08 金沢vanvanV4/ 07.09 新潟RIVERST

(ヘッダー写真:大川茉莉)

[1]
 金沢新潟のライブが終わってほぼ寝ずに大阪まで帰ってきたのは月曜の昼だった。そのまま家の用事を終わらせ倒れるように寝たけれど何故か1時間ほどで起きてしまった。体は疲れているのにどうしても金沢、新潟のライブのことを思い返したくて暗くなるまで外を歩くことにした。
 歩いている時に考えがまとまりやすいものだから、この二日間のこと、自分の人生の座標とを照らし合わせて「本当に自分の人生でやりたいことってなんだろう?」と考えていた。

[2]
 ライブハウスへ向かうバンドの機材車は、バンドによって特徴があまりにも違う。ガストバーナーの場合はできるだけ機材車を小さくして、4人身を寄せ合って音楽もラジオもかけずに話ばかりしている。ある意味強制的に4人で同じ空間に居る時間はとても貴重で、僕はこの時間が大好きだったりする。
 大半を占めるくだらない話の合間にちょこっと人生の大事な部分を確かめて、金沢に着いた。我々がライブハウス入りして間もなくHEREの面々も会場入りし、やっぱり今日僕たちライブするんだな、と思った。出会えたことが嬉しすぎて道路にスマホを落としてバキバキになった。調べると修理費は5万らしかったけど、死んだらお金なんて持ち越せないし、目の前のHEREとMARSBERG SUBWAY SYSTEMの面々を見ると、ちょっとでも今が楽しい方が良いなと思ってそんなちっぽけなことどうでもよくなった。

みんなかっこよかった
HEREのライブを横から見ていました。
打ち上げ中、どこでも眠るはるきちさんと襲いかかる壱さん


[3]
 HERE、マズバグ(マサシ)と同じ宿だったので、大人の修学旅行のように朝まで遊んでしまった。

マリオカート、ヒデさん強かった。人類で一番速いと思っていたのに負けてしまったのでシラフでリベンジしたい。

 諦めない方が人生楽しい。中身のあるような無いような話をたくさんしたり聞いたりして朝になり、冷蔵庫のように冷えた部屋で数時間寝て目覚めたら寝る前と変わらず酔っ払っていた。
 酔いが残った頭で、青春に年齢やライフステージで区切りをつけるような決断は、潔くてかっこよいけど僕には合わないなと思った。諦めの悪いのが僕の長所だ。

[4]
 新潟に着いたガストバーナー。なんだか湿度が高く、お化けがいるとかいないとかの噂に飲まれそうになったので「塩を買いにいこう!」とマサシ(マズバグ)のヒデさんとりっちゃんでコンビニに行った。
 ひとしきり「味の素でお化けは騙せるのか」という議論をした後、ヒデさんは食卓塩を買っていた。りっちゃんは塩コショウを買っていた。これはお化けを舐めすぎて怒られると思ったが、僕も買ってきた鳴門の粗塩がシンプルに美味しくてただただ舐めていた。
 そして終活クラブ、野蛮な僕たちを温かく迎えてくれて、彼らとも長い仲になるだろうなと思った。
 終始修学旅行のような空気だったけれど、「かっこいいライブ」が真ん中にないとそれはただの修学旅行にすぎない。みんな本気だったし、これからも本気だ。やはりかっこいいは正義だ。

[5]
 はるきちさんが翌日の朝から仕事ということで早々に新潟を発ち、名古屋に向かった。加納さん、りっちゃんが寝た車内で、はるきちさんとなんてことない会話をしていた。
 「最近本当にお客さんからパワーもらうんだよね。ライブの前は明日仕事か…と思っていたけれど、ライブが終わってからは凄く前向きな気持ちなんだよね」とはるきちさんは言っていた。
 確かにお客さんから「ありがとう!」と言われる何倍も、僕たちはお客さんに「ありがとう!」と言いたい。時間や労力やお金をかけてライブを楽しんでくれて、生きるパワーをくれて、ありがとうだけで済ませて良いのだろうか。これはライブをすると毎回思う。
 大阪に月曜の昼帰ってきた僕は、疲労よりも満足感と終わってしまった寂しさが襲ってきた。この寂しさが続くうちに少し歩いて、考えをまとめて、人生の意味を考える。
 結局僕たちは、そんな日々が愛おしくてまたライブをしてしまうんだろうし、音源を作ってしまうんだろうし、バンドをしちゃうんだろうな。「楽しく生きる」というのは単純だけど、単純だからこそ難しい。人生でやりたいことは「楽しく生きる」を実践するということだ。ZOOZもガストバーナーも、沢山ライブや音楽活動が控えていてとても楽しみだ。まだまだ人生面白い。

朝5時のSAでクレーンゲームをしたものの、一つもちいかわの命を助けることはできなかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?