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ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.05.27 COMING KOBE 2023@メリケンパーク

[1]12年前と28年前
 2011年、カミングコウベ出演を賭けた最終オーディションに落ちまして。その時からもう僕はカミングコウベと縁がないと思っていました。しかし縁というのはゆっくり周り廻ってくるもので、だらだらとドラムを続けていたら出演する機会に恵まれました。続けてみるものだな。
 1995年、寝ていた僕は母親に掴まれて押入れに投げ入れられました。その時から今と変わらず大阪に住んでいたけれど、初めて経験する大きな揺れに母親は咄嗟に反応していました。
 幼かった僕はそれが一体どれだけの被害だったのか、社会的な影響がどれほど深刻だったのかを理性的に俯瞰してみることはできませんでした。ともかくその揺れが怖かったこと、兄があたふたしていたこと、当時住んでいたマンションがその日を境に少し傾いて、ふすまが完全に閉まらなくなったこと、そんな身の回りに起こった尺度でしか捉えることができていませんでしたが、それでもそうやって思い出すことに少しでも意義があれば良いなと思っていました。しかしカミングコウベのイベント自体はそういうことに思いを馳せながら、全力で楽しみたいと乗り込みました。

[2]目まぐるしい
 深夜3時過ぎにZOOZと別れ、朝の9時前にガストバーナーと集合し、目まぐるしい幕開けでした。体はタフなもので、案外快調、きっとはるきちさんよりも快調、心も軽い状態でした。はるきちさんは日常の暗さに飲み込まれてなんだか負のオーラが出ている気がしました。

楽屋でのんびりするお二人
何故か真顔で自撮りするリズム隊

 ガストバーナーのライブは人間の限界に挑戦して、そこで何か化学反応が起きるはずだ!と思いながらドラムを叩いています。まあ感情が行方不明になったり、やたらと笑っているけれど。
 ライブ中ギターアンプの音を拾うマイクがすぐに傾いて何度も何度もスタッフさんが戻してくれたり、僕が無茶をするからシンバルを何度も直してくれたり、とにかく右に左にスタッフさんが慌ただしく動いていただいて、感謝ばかりしていました。僕にとってはトラブルはアトラクションの一部みたいなものだけど、スタッフさんは冷や冷やだろうなと思うと、もうただ感謝しかなく、感謝しすぎてなんだかスタッフさんが笑っていたのが最高でした。苦笑かもしれませんが。
 後はただ僕が暦の上で生まれた日だったということもあり、皆から祝ってもらって大感謝でした。生まれて良かったなぁ。

りっちゃんのセットリストはいちいち面白い

[3]仕事じゃないんだから
 少しピリついたはるきちさんのトークライブをみてひとしきり楽しんだあと、帰路につきました。帰りの車のはるきちさんは、朝会った時よりも目の奥に炎が燃えているような気がしました。
 家について少し寝て、起きぬけにぼーっとしながら、「また出たいな、何かを頑張ろう」と思っていました。この「何か」というのは、なんだろうとしばらく考えていましたが、ガストバーナーにとってそれは「楽しむことを頑張ろう」なんだなと結論がつきました。タモリさんがかつて「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!!」と言っていたのと同じ匂いがしています。
 真剣に遊ぶということ。それは幾つになっても変わらない楽しみを生むんだと思います。来年は今よりもっと真剣に遊べてたらいいなぁ。

この加納さんは家族旅行のお父さんみたいな顔してますね

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