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ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.08.26(京都二条GROWLY)→08.27(富山ソウルパワー)(MAGICツアー)

↑合成感が異常にある僕。ヤジマX(feat.ガストバーナー)のライブを後ろから見ながら笑顔。

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 富山のライブが終わって打ち上げをしていると、「はやお先生はすごいよ」とヤジマさんは僕に語りかけながら凄い力で肩を揉んでくれた。痛みではなく、嬉しさで泣きそうになった。
 ヤジマさんとこんなに仲良くなるなんて思っていなかった。というか、ドラムを認めてもらえるなんて思っていなかった。僕みたいなドラマーに興味なんてないと思っていたから不思議な気持ちだった。
 2日間共にしたヤジマX(feat.ガストバーナー)。加納さん、りっちゃんがヤジマさんと演奏することになり(それを「寝取られ」という表現でりっちゃんがライブ中に言ってたけど、割と僕も以前から思っていた)、特に僕はドラマー同士ということもあり「寝取るなら、膝から崩れて脳が壊れてしまうくらい華麗に良いライブをして寝取ってくれないと怒るぞ!!」と思っていました。そんなツアーの振り返りです。

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 京都の朝。ヤジマさん、加納さん、りっちゃんがスタジオに入る一方で、はるきちさんと2人で1時間ほどゆっくり話していた。ガストバーナーのこと、音楽のこと、これからのこと、バンドをするということ。なんでもないこの時間が、実は京都富山二日間のハイライトだったりする。
 「気を遣いながらバンドするって大事なんだなってみんなに教えてもらったんだよね。気を遣うっていうのはお互いを尊重するって意味なんだけど、ガストバーナーを始めてからみんなに教えてもらった。まだまだ迷惑かけちゃうけど。」
 はるきちさんはそんなことを言っていた。本当に生きるのが下手だなと思う瞬間がいくつもあったり、喧嘩もするけどなんだかやっぱりこういうところがはるきちさんなんだよな。何気ない会話が、このツアーの核になるような気がした。
 そうこうしてるうちにスタジオが終わった3人が出てきて、そんな話もなかったかのようにきゃっきゃっと盛り上がっていました。

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MAGICツアー京都編


 歴史は踊るの小林右京君。どう考えても僕が大好きなタイプの人間で、もっと話し込んでみたかった。多分、書架に並べられたなら僕と同じジャンルへ振り分けられるタイプの人間な気がしている。今度飲みに行きたい。きっと、なにか変な癖で意気投合してしまいそうだ。終活クラブの皆は、何だか以前にも増して破裂してしまいそうな風船のような空気感が増していました。
 京都GROWLYでツアーができたのが何より嬉しい。店長の安齋さんは、何度でも言うけれど、安齋さんがいなければ僕はもうとっくにドラムを叩いていない。色んなものを過去にして、後悔と一緒に波風立てず生きていたに違いない。そんな安齋さんが褒めてくれたのがまた、僕にとっては格別に嬉しいことだった。

集合写真

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 GROWLYを後にして、深夜の京都から明朝の富山へ、はるきちさんの実家に向けて車は走り出しました。同乗してくれたヤジマさんと過去の清算話をしグルーヴを高め、まどろみ始めたらもうそこは富山でした。朝5時、ボロボロでドロドロな我々を迎えてくださったはるきちさんのご親族の皆様ありがとうございました。
 はるきちさんは「富山でワンマンができるようになりたい」と言っていた。実家にお世話になって、僕はその理由が少しわかった気がする。故郷に錦を飾りたいという意味もあるのかもしれない。でも、なんというか、そうでない照れのような、前向きにもどかしい部分もある気がした。沢山の朝ごはんをいただいていると「この家の時計は全部ちょっとずつ合ってないからねー!!!」とお母さんが教えてくれた。実家では、沢山の時計が至る所に置いてあるというのは万国共通の現象なのだろうか。

実家に飾ってあったミソッカスのポスターに幽霊のように映り込むヤジマさん


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 実家を後にしソウルパワーへ。個人的に初めてのライブハウスだったけれど、なんて良い場所なんだろう。パキッとして明るくて澄んでいる。大抵のライブハウスはじめっとして暗くて澱んでいる。真逆だった。オーナー兼エンジニアのとしおさんのパワフルさ故に、澄んだ空気が集まってきているような気がしていた。

MAGICツアー富山編

 セクマシのライブに痛く感動して、「大人」の可能性が拡がりました。僕はやっぱり自由な大人になりたい。いや、もう半身くらいは自由なのかもしれないけど、自由には果てがない。なんだか色んな人の人生や思想が交差しつつ、くだらないことで大笑いする二日間でした。ソウルパワーの冷凍庫にアイスを入れ忘れたままにしてしまったので、取りに行く口実を作ってまたライブしにいけたらいいな。
 月曜の早朝に名古屋に到着し、一人で近鉄電車に乗って大阪に向かう特急の中で、とても寂しくなった。周りがスーツで溢れて月曜が進行している中、僕は酷く日曜を引きずっていました。少しずつ現実に引き戻されていく感覚が、逆にツアーが本当に特別な日だったことを教えてくれました。驕ってはいけない。本当に関わってくれている人たち全てのおかげで僕の人生は楽しい。それは対バンだったりライブハウスの方だったりお客さんだったり何よりメンバーだったり。振り返れば数年前は、どこか感謝の気持ちに濁りがあったのかもしれない。今はそんなことない。

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 改めてヤジマさん。凄く、凄く人間でした。良いところも悪いところも着飾っていない、ありのままの人間で、本当に素敵で駄目なところのある人でした。どろどろの姿が愛おしかったです。
 今度、ヤジマX KYOTO、ヤジマX(feat.ガストバーナー)、ZOOZ、ガストバーナーで4マンできたら良いですね。互いにボロボロになって最後に抱きしめ合いたいです。そんな未来を朧げながら勝手に妄想して、次のツアーに繋いでいきます。

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