ちいかわに罪はない

[1]話が通じない
 やはり自分は、他人の無責任に押しつぶされる人間だ。「自分だけ良ければいい」とか、「やってもらって当たり前」という話の通じない人達の醸し出す瘴気に触れて、自分の心や体が動かなくなってしまうタイプの人間なのだ。
 僕は図太い人ほど残っていく社会と分かりやすく適合できない。そんな人達の挙動一つ一つで確実にダメージを受けてしまうのだ。弱い。
 「頑張ってるからどうでもいいやぁ!ちいかわ最高!」と吹っ切れてバランスを取れればいいけれど、しんどいものはしんどい。ちいかわに罪はない。
 無責任な人が、弱っていく優しい人たちを尻目に、誰かに面倒事を押しつけて家でぐうたらしていたり、おいしいものを食べているのが許せないのだ。そんな気持ちをポップに出すためだけに使われるちいかわは可哀想だ。

[2]夢の話をしよう
 最近はすっかりつまらない現実に一日の大半をもっていかれてしまって、年始に掲げた素敵な生活からは程遠い自分の姿に惨めになって、でも疲れて何もできずに眠り、起き、働く日々を送っている。昇格試験には受かったけれど、それはただ、社会から自分を切り離しにくくなる鎖が一つ増えただけに過ぎない。
 ワクワクすることに時間を使わなければならない。心がワクワクすることは、会社のデスクや山積みの書類の中にはない。ちいかわになりたければ、本気でなるために時間を使うべきだ。
 もっと夢の話をしたい。言葉に出すことが、疲れた体を動かす一手になる。夢の話をしませんか?ちいかわの他にはそうだなぁ、モルカーになりたいかな。アヒルのペックルでも良いよ。
 やっぱり気恥ずかしくてできないや。真面目な夢の話はお酒が入ればできるのにな。随分と生きにくい世の中に不平を言ってもいいけれど、その反面楽しくなるように工夫して生きなきゃいけないな。死ぬのも悪くないかもしれないけれど、それはまだ勿体無い。ちいかわの続きだって見たいし。
 そんな箸にも棒にもかからないことばかりを考えて、平日の労働をなんとか乗り切っていたのだった。

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