大切なのは「他人」?「自分」?
「自分は本当にダメ人間だ」
「何したい?わからない。今まで何してきた?わからない。」
「嫌われたくない、怒られたくない」
無意識にある自分の「あるべき」に囚われ、過去も現在も未来も「わからない」でいっぱいだった社会人8年目の感情と行動のビフォーアフターのお話です。
【自分について】
【年齢】29歳(受講当時)
【学歴】大卒 (知識:英語)
【業界】ホテル業
【経歴】新卒1社目 入社8年目
【職種】宿泊予約
【営業内容】宿泊予約の業績管理、宿泊プランの造成、チームマネジメント他
【得意技】人を笑わすこと、誰とでも話せること、英語
【仕事への疑問と葛藤】
小さい頃に親の都合でアメリカ、高校の留学でオーストラリア、中学、高校、大学も帰国子女が多い学校を卒業し、常に多文化に触れてきた自分は、
「海外の親しみやすいおもてなしと日本の丁寧なおもてなしを融合させた唯一無二の接客をしたい!」
外資系のホテル企業にマネージャー育成コースで入社しました。
入社後は宿泊予約のマネージャーとして北は北海道、南は沖縄まで全国5ヵ所を点々とし、いろんな土地に住める新鮮さや、人のつながりが全国に広がっていく楽しさなど、稀有な経験をしていることに喜びを感じながら過ごしていました。
楽しく仕事をしていた反面、ホテルで何か問題が起き、その原因の一部が自分のチームだったり、自分の詰めの甘さだったりすると、
「ああ、なんで自分はこんなにダメ人間なんだ」
「なんでこんなに想像力がないんだろう」
「なんでもっと能動的に行動できないんだろう」
と内省し、自分の経験値の浅さに反省するものの、同時にその無知さに自分を責め、自己嫌悪に陥り、解決に向けた行動もできないまま答えが出せず、時に身を任せ、会社に言われるがまま拠点の異動を繰り返していました。
それでもなんとかやり方を見つけ、なんとなくマネージャーとしてチームハンドリングの手応えを感じていた時、ちょうど上司との1on1があり、
「あなたは5年後どんな風に働きたいの?」
「このホテルにはあと何年いるつもり?」
など将来の展望や働き方について聞かれました。その時、その質問に対して心からの「こうしたい」「こうなりたい」が何も出てこなかったにも関わらず、間を埋めねば!と突発的に、
「新規ホテルの宿泊予約のマネージャーになりたいです!」
と会社が期待する回答をしていました。
また別の時、中学生に向けて、自分の職業について話す機会をいただいたのですが、自分の個性を出しつつホスピタリティの考え方を面白おかしく伝えられたと思ったのも束の間、中学生からの、
「ホテルマンのやりがいってなんですか?」
「ホテルで働いていて楽しいと思う瞬間ってなんですか?」
と聞かれた瞬間、これまた何一つ思い浮かばず無難に、
「お客様の笑顔が見れた時」
「サプライズしたいお客様のお手伝いができた時」
など、口先だけで回答をしていて、個人的になんとも後味の悪い講義となってしまいました。
【継続?転職?】
この面談と講義を境にキャリアについて考えるきっかけができた自分は、
「あれ、自分ってこの先何がしたいんだろう」
「ホテルマンとしての誇りは?」
と向き合い考えたものの、結論が出ず、先々のビジョンのなさに絶望し、現職への意欲の低さに途方に暮れ、
「思考が浅いだめ人間だ」
「自分には何も強みがない」
とこのままホテルマンを続けていく自信もなくし、かといって転職の方向性も見つけられないまま、また行動ができない、ダメ人間なんだ、と負のスパイラルに陥っていました。
「継続?転職?何がしたいのかわからない!!」
とモヤモヤが爆発寸前だったそんな時、ポジキャリのサービスを受け、みるみる人が変わっていった大学の友人の存在を思い出し、自分も転職のサポートをお願いしたい!と藁をも縋る思いで連絡をしていました。
【無料カウンセリング】
行動力ある彼女のおかげで、無料相談の日時が決まり、そこではカウンセラーとして岡さん(https://twitter.com/bln49980)にご担当いただきました。
面談では仕事でモチベーション高く働けていないこと、自分のやりたいことがわからず、数年先のことさえ見通せていないこと、など現職に対するもやもやをお伝えしました。
すると岡さんは逆に、
「どういう状態が理想なのか?」
「そうなるためにすべきだと感じていることは何か?」
「何がすべき行動の制限のきっかけになっているのか?」
などたくさんの切り口でお話しいただきました。
その中でも行動制限について、制限がかかっている理由に幼少期に受けていた母の「転ばぬ先の杖」をしてくれた厳しい教育があり、自分で人生の道を選択してきた感覚が薄い、だから今ビジョンが見えづらいのかも、と伝えた時に、
「じゃあその母親が「転ばぬ先の杖」じゃなかったら?」
「自分の道を築いてくれていなかったら自分はどんな人生になっていたのか?」
と問われました。
この質問に強い衝撃を受けました。今までそんな風に過去を疑問視したことがなかったからです。だからこそとても考え込んでしまいましたが、結論、
「すごくおとなしく、今以上に他人に気を遣い、世界の多様性なんて全く知らずに社会の「こうあるべき」の価値観に収まることに徹底してたと思う」
と答えていました。
母親からの厳しい教育をどこか「そのせいで自分は…」とネガティブに捉えていましたが、実は本当にありがたかったもので、だから今の自分と、この環境があるんだ、とポジティブに捉え直すことができ、世界が一気に広がっていく感覚を覚えました。
たった数十分話しただけで、何十年も抱えてきた内省の結論がガラリと捉え直せた。転職のためにポジキャリを受けようと思っていましたが、人生自体を捉え直して、自分の軸を探したい!そう思ったら早く、岡さんに勧められる前に受講の決断をしたのでした。
【キャリア実現コースへ】
そして「キャリア実現コース」の伴走トレーナーとしてアサインされたのが山下さん(https://twitter.com/YUKINOWILL)
初回の印象は自分から発される内省の言葉をハキハキバシバシとカテゴライズしていき、自分への「感情的な同情」ではなく、「論理的な同意」をされる方。
そしてこれが、自分の影と向き合うにはちょうど良い距離感でした。
彼女に伴走いただいたおかげで変わったことは沢山ありますが、その中でも自分が顕著に変わったな、と感じた回について少しお話ししたいと思います。
それは3回目の面談時。
人生と仕事理解ワークをしている時の話でした。トレーニング中、自分のことにも関わらず、過去や現在への想いをなかなか言語化できず苦しい時間が続いていました。そんな状態を見かねた山下さんが「アダルトチルドレンワーク」というものを加えてくださり、幼少期に辛かった経験、それに対してどう思い傷ついたのか、改めて大人の自分ならどう歩み寄るか、大人の自分が同じ状況に陥ればどう振る舞うか?など、それをしっかり時間をかけて紐解く手伝いをしてくれました。
その結果、子供の頃の感情の動きが現在の自分の考え方に無意識に直結しているとわかったのです。
子供の頃、自分の意思を聞いてもらえぬまま怒られ、進むべき道をはっきり示されていたことから、幼少期の自分が持っていたある感情と、ある処世術の存在に気がつきました。
【感情】
「嫌われたくない」
「怒られたくない」
「そのためには周りに合わせないと」
「周りと比べて自分はダメ人間なんだ、だから迷惑かけないためにもおとなしくすべきなんだ」
【処世術】
「自分の優先順位を下げて、感情に蓋をし、相手の求める正解を出していけば怒られない」
「至らない自分を見つけ続ければ周りから嫌われない」
つまり、内省して、自分がダメなんだと結論づけることが心の安定で、改善を考え、行動していくことは「嫌われること」「怒られること」へ直結すると思うために動けない。だが、動かないことからまた「失敗」が起き、また内省したのちにダメ人間と認定し…と、その負のループにはまっていました。
そんな中で山下さんに
「自分が行動をすることで相手は本当に怒るのか?すぐ嫌ってくるのか?」
そんな言葉を投げかけられました。その言葉に大人の自分が改めて考えた時、自ら出した答えが
「そんなことはない」
でした。
「あの時の振る舞い方はその時のベストな行動で、環境に適応し生き抜くために全力で頑張った結果。だから間違いではない。ただ、その同じ処世術を大人になった今発動させる必要はない。だって、他の人は母親ではなく、あなたを抑え込んでくる存在でもないのだから。」
このワークを通して、改めて現在とっている行動パターンと照らし合わせたことで、幼少期の経験から、人から怒られる、嫌われる前提で人と接していたことがわかり、すべての点が一本の線になった感覚がありました。
【気づきに留まらず仕事にも】
もちろんこの体験は気づきだけに留まりません。仕事理解のワークで自分のモチベーションは、怒られず、完全に心を許しきれている環境の中でなら、たとえどんなにトップダウンでも、自ら動いて疑問を解消させ、理解を深め、自分の言葉で下ろしていけた「自己主導的」な状態であることにも気付くことができました。
行動を制限しているのは過去の幼少期の自分とわかった瞬間から、
「今置かれている環境で自分のことを最初から嫌う人はいない。」
「ならもっと自分がモチベーション高くいられる状態に持っていこう!」
というマインドに切り替えるまでに時間はかからず、上司から与えられた指示に対して心から理解するために情報を集め、やり方が異なるメンバーがいたらとことん向き合い、それで出した結論から失敗すれば、とはいえあの時ベストな行動をした、と内省し、迷惑をかけたメンバーに駆け寄り時間を設けるようになりました。
前の自分であれば、
「嫌われるから、指示はとりあえずイエス、と言っておこう。」
「怒られるからやり方に違和感があってもやり通そう」
「怒られたくないから、みんなが失敗を忘れるのを待とう」
と黙ってやり過ごしていたであろう状況でも、泥臭く、人間臭く人と向き合い、共に乗り越えていくことを自ら選ぶことができていました。
【最後に】
最後の10回目、山下さんとの面談で印象的だった言葉があります。
「ポジキャリの3ヶ月間ですごく変わった、とご自身でおっしゃっていますが、常日頃からすごく考え、内省を繰り返して出てきていた点がこの3ヶ月で繋がり、一本の線になって変化として現れただけで、実際は自分の中に全部あったんですよ」
思えば自分の優先順位を下げ続けていた自分は、誰かを頼って助言をもらうことを避けていました。
「早く聞けば良かった。今までの内省の時間が全部無駄…」
「自分のことを曝け出すと相手に何思われるかわからない…」
そう感じ、後悔したくなかったからです。
ですが、ポジキャリを通して幼少期のネガティブと認知していた出来事を一つ見方を変えただけで一気にポジティブに捉えられ、自分の人生って、こんなに豊かだったんだと実感できるようになりました。どれも同じ自分の出来事なのに。
将来を思う心に少しでも靄がかかっているのであれば。
過去に対して少しでもネガティブな諦めがあるのであれば。
自分の中にすでにあるエピソードの捉え方を変えるお手伝いをしてくれる人たちとサービスがポジキャリにはあります。
サービスを受けるのに何も新しいものはいりません。
自分の身一つだけで大丈夫。
ぜひポジウィルのドアをノックして欲しいなと思います。
【最後の最後、自分のためにも】
今後ももちろん自分の軸がブレることがあったり、また過去の影に覆われて「自分はだからダメなんだ…」思ってしまう日もあるかと思います。
そんな時、いつでもこのノートと山下さんと過ごした3ヶ月に立ち返り、「とはいえ、」と唱えながら自己主導でいられる人生を歩んでいきたいと思っています。
そして最後に与えられた課題図書の中から一文、いつでも立ち返りたい言葉を置いてポジキャリを卒業し、未来に向かって進んでいきたいと思います。
「安心してもっと自分をさらけ出してもいいということを、影子にわかってもらいましょう。影子だって、自分の願望と欲望を主張してもいいのです。そのようにしてもあなたの好感度が下がることは絶対になく、むしろ上がるのです。なぜなら、そうすることで、周りの人はあなたのことを把握できるようになり、理解しやすくなるからです。」
※出典: 「本当の自分」がわかる心理学〜すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある シュテファニー・シュタール・著 繁田香織・訳
自分の心が安心できる場所と未来を皆さんもポジキャリを通じて見つけられますように。