第2話 内定式とTOEIC
ナベさんのおかげで、やっと内定がとれたTK工房
内定式を10月1日に控え、詳細連絡が来るのを楽しみに待つ
が、
全然連絡が来ない
もう9月も半ば
(おいおい、内定取消しとかなってないやんな?大丈夫かいな?)
ヤキモキしてる中
9月25日、やっと会社から内定式の連絡が入る
よかった!と思うと同時に、あまりの連絡の遅さに、少し会社に不安を覚える
案内を最後まで見ると、当日にTOEIC試験があるとのこと
ん?とーいっく?何それ、美味しいの?
なんせアメフトしかしてなかった大学生活
TOEICがどんな試験なのかも全然知らないTK工房
(まぁ、英語の試験なら何とかなるやろ。)
大学受験時、英語が唯一の得意教科で、瞬間最高的には偏差値70をマークしたことを未だに昨日のことのように思っていたため、余裕をかましてそのまま内定式当日を迎える。
当日、ドキドキしながら実家を出て、大阪市内のオフィス街にある本社へ初出社
来客用の正門から入り、受付でもらった名札を胸につけてエレベーターに乗り込む。15階にある講堂が集合場所で
そこには同期が約100人集まっていた。
メーカーだけあって(?)同期の内訳は、理系採用が7割、文系採用が3割程度
もちろんTK工房は、理数がダメで文系に逃げた、意識低い系文系
(ここにいる奴らが俺の同期になるんやなぁ)
と思いながら、もともとの社交性の高さも相まって、周りの同期に積極的に話しかける
内定者は皆同じ髪型、同じリクルートスーツで、一見個性など何も見当たらないが、実際に話してみるとなかなか濃い人材が揃っていて面白い
理系採用が多いということもあり、院卒が多く、中には博士課程まで終えている強者もいた
中でも一番インパクトがあるのは韓国人のリ・ソンヨン
小柄、色白でどう見ても弱そうなのに、年齢は29歳、軍隊経験もあるという
話を聞くと、大学から日本に留学してきたため、日本語はクセがあるものの、ネイティヴレベル
そして英語はTOEIC950をマーク
こんなハイスペックなやつもおるんや!
TOEIC受けたことないとか言うてる場合じゃないと、一人反省するTK工房
そうこうしてるうちに内定式も始まり、社長始め、取締役のおじさんたちの挨拶が順次行われた
が、正直何一つ印象に残るような内容はなく
(なぜ偉い人たちは、こんなにつまらんことしか言えないのだろうか。)
と眠気と格闘しながら、無事に意識を飛ばすことなく、乗り切った
あっという間に午前中が終了し
社員食堂で昼食を済ませた後、講堂に戻ると机と椅子が並べられていた
人事担当「はい、それでは今からTOEICを受けてもらいます」
ご存知の方が多いかと思いますが、TOEICとはマーク式の英語テストで、リスニングが45分、リーディングが75分で構成されています。
全200問で、全て3〜4択の中から答えを選ぶため、わからなくても塗っとけば、ある程度なんとかなる面もある。
テストの構成は初めにリスニングがあって、それが終わると自動的にリーディングの時間になります
(リスニングなんか全くやったことないけど、大丈夫かな)
しかし、いざ始まってみると、余裕で聞き取れる
なんや、やっぱり俺すごいやん!
などと思っていたTK工房。
5問目くらいで全く何を言っているかわからなくなる始末。
そこから地獄
知らない言語を45分間一方的に浴びせられる
もはや白目になり、ボケーっとしてたら、何やら辺りが静かになった
あ、45分終わったんやな!
これすら気付けないレベルの人間がそこから75分リーディングにとりかかるも、もう集中力も残っておらず、散々な状態で初TOEICを終えた
後日届いた結果が515点で、これは全国の大卒平均
かつての得意教科が見る影もなく、英語を真面目に勉強しなおそうと心に誓うTK工房だった
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