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【MTGスタンダード】版図ランプ/ドメインランプ解説


自己紹介

 はじめまして、いーちゃんと申します。私は関東圏でマジックをしており、時々競技にも打ち込むことがあるプレイヤーです。これまで特に大きな実績はなく、THE LAST SUN 2019にて、29位まで勝ち残ったことが最高成績です。今回、2024年1月にチャンピオンズカップの店舗予選を通過できたため、この記事を執筆しました。
※この記事は、カルロフ邸殺人事件の発売前に執筆したため、基本的にはイクサラン:失われし洞窟環境での解説になっています。

ドメインランプとは?

 ドメインランプ(版図ランプ)とは、土地を伸ばすカードを用いて、ビッグマナのスペルを叩きつけるデッキです。版図をもつカードを採用しているため、5色で構成されていますが、メインカラーは緑と白の2色です。また、ランプ戦略に一辺倒というわけでもなく、《太陽降下》でボードコントロールも可能であり、ある程度の柔軟性も有しています。イクサラン:失われし洞窟からは《魂の洞窟》を獲得し、打ち消しにも耐性を得たため、2024年2月現在、スタンダードの環境トップに君臨しています。

キープ基準

 ざっくりとしたキープ基準は以下のようになっています。

先手:ランプ手段を優先的にキープ
後手:除去を優先的にキープ

 先手時はランプして押し付ける動きをし、後手時は除去でライフを護る動きをしましょう。また、《豆の木をのぼれ》があると、何かしらカードを引きにいけるため、ゆるめにキープすることも可能です。
 マリガンでデッキに戻すカードは、状況によって異なるため言及しづらいです。しかし、土地を伸ばしたいデッキであるため、基本的に土地は戻さないことは一貫しています。

メインボード

 《失せろ》以外のメインボードについて解説します。


デカブツを叩きつけることでしか得られない栄養がある

 このデッキのフィニッシャー枠です。《偉大なる統一者、アトラクサ》はフィニッシャー、ライフゲイン、リソース回復を1枚でやってのけます。そのため、私はこのカードを4枚採用しています。こんな化け物が、《魂の洞窟》から打ち消し不可になって出てくるのは悪夢でしかありません。
 《向上した精霊信者、ニッサ》が不採用な理由は、《向上した精霊信者、ニッサ》を引けなくて負けた試合はありませんが、《偉大なる統一者、アトラクサ》を引けなくて負けた試合は多いからです。また、《魂の洞窟》によって打ち消されないことも、《偉大なる統一者、アトラクサ》が優れている点です。《向上した精霊信者、ニッサ》は青系のデッキにはサイドアウトしますが、《偉大なる統一者、アトラクサ》をサイドアウトすることは基本的にあり得ません。


対アグロ最終兵器

 《怒りの大天使》は除去とライフゲインを両立し、中盤戦を支えるカードです。《偉大なる統一者、アトラクサ》と、“天使”のクリーチャータイプを共有していることも優秀です。キッカー用の赤マナと黒マナは《魂の洞窟》から払っても、打ち消し不可の効果を付与できます。
 《怒りの大天使》は、キッカーを2回した状態で使うことがベストではありますが、そこにこだわりすぎることはやめましょう。盤面やライフの状況によっては、4マナでブロッカーとして使うこともあります。


《装飾庭園を踏み歩くもの》からの《ゼンディカーへの侵攻》はブン回り

 《装飾庭園を踏み歩くもの》と《ゼンディカーへの侵攻》は、土地を伸ばすランプカードになります。3ターン目に《装飾庭園を踏み歩くもの》、4ターン目に《ゼンディカーへの侵攻》で土地7枚に到達可能です。そのまま《装飾庭園を踏み歩くもの》で攻撃することで、《ゼンディカーへの侵攻》の守備カウンターを0にし、裏面を唱えることが可能です。
 持ってくる土地ですが、基本的に序盤~中盤は、5種の基本土地タイプを揃えること(フルドメイン状態)よりも、平地を優先しましょう。《力線の束縛》を1マナで撃つよりも、《太陽降下》のために白2マナを用意することの方が重要です。


なぜか全体追放にトークン生成がついてる

 《太陽降下》は全体除去で盤面をリセットするカードです。《装飾庭園を踏み歩くもの》でランプし、4ターン目に《太陽降下》を撃つ流れは王道です。また、追放したクリーチャーの枚数分のパワー・タフネスを持つ培養器トークンを生成できるため、相手が後続を展開してもブロックできます。


なんで3点ゲインついてるの?

 《群れの渡り》は器用な使い方が可能なカードです。フルドメイン状態では3/3のビーストトークンを5体生成でき、2マナの起動効果を使えば、デッキから基本土地を探し、ライフを3点ゲインできます。フィニッシャー枠としても運用できますし、序盤におけるマナ基盤の整理や、ライフゲインによる延命等、様々な運用が可能です。


なぜかCIPで1ドロー

 《豆の木をのぼれ》5マナ以上のスペルをキャストすれば、1ドローできます。そのため、《力線の束縛》や《太陽降下》がキャントリップ(おまけで1ドローできるカード)つきのカードになります。これにより、リソース差をつけて物量で押し切ることが可能になり、1・2枚重いカードを打ち消されてもどうにでもなります。
 また、《豆の木をのぼれ》はキープ基準になり得るカードです。とりあえず序盤に置き、何かしらのカードを引きにいくことができます。そのため、土地2枚と《豆の木をのぼれ》があれば、とりあえずキープ可能です。


下環境では最強クラスの除去

 《力線の束縛》は除去カードなのですが、基本土地タイプにつき1マナ軽減されるため、最低白1マナでキャスト可能です。パーマネント除去であるため汎用性が高く、このデッキの序盤を支える重要なカードです。また、後手ではこのカードがあるかどうかで勝敗に大きく差が生じるため、ビートダウン対面の後手では、マリガンしてでもこのカードを探しにいきましょう。
 上述した《豆の木をのぼれ》との相性が非常に良く、1マナで土地以外のパーマネントを除去しつつ、1ドローできるようになります。


《スパーラの本部》+《ジアトラの試練場》+《力線の束縛》の安心感

 《スパーラの本部》、《ジェトミアの庭》、《ジアトラの試練場》は、それぞれ3種の基本土地タイプをもっており、5種の基本土地タイプを揃えることに大きく貢献してくれます。また、3マナ起動でサイクリングも可能であり、必要なカードを引きにいくことも可能です。
 1ターン目に《スパーラの本部》、2ターン目に《ジアトラの試練場》を置くことで、2ターン目にしてフルドメインを達成できます。こうすることで、2ターン目から力線の束縛を1マナでキャストできるため、基本的には《スパーラの本部》からセットランドしましょう。


ミシュラランドを除去できるのがえらい

 《耐え抜くもの、母聖樹》は土地でありながら、魂力によって、対戦相手の基本出ない土地やアーティファクト、エンチャントを破壊できます。このカードは、打ち消されずに土地も破壊できる《解呪》です。特に、相手のミシュラランド(クリーチャー化できる土地)を破壊できる点が非常に優秀です。《力線の束縛》では土地を触ることができないため、基本的にミシュラランドはこのカードで破壊するしかありません。超重要カードであるため、他に置ける土地がある状態で、《耐え抜くもの、母聖樹》を雑にセットランドすることは絶対にやめましょう。


なぜか《偉大なる統一者、アトラクサ》と《怒りの大天使》が打ち消されなくなる

 《魂の洞窟》は、イクサラン:失われし洞窟にてドメインランプが獲得した最高のカードです。このカードで”天使”を指定することで、《偉大なる統一者、アトラクサ》と《怒りの大天使》が打ち消されなくなります。《装飾庭園を踏み歩くもの》のために”恐竜”を指定することもありますが、基本は”天使”を指定しましょう。
 特にアンタップインしたい状況でなければ、《魂の洞窟》は手札に温存した方が良いでしょう。《偉大なる統一者、アトラクサ》や《怒りの大天使》をキャストする直前に《魂の洞窟》を置くことで、相手が打消しを構えていた場合、プランを乱すことができるかもしれません。


綺麗

 基本土地に関しては、白マナと緑マナの要求が多いため、《平地》と《森》を3枚採用し、《島》、《沼》、《山》はそれぞれ1枚ずつの採用となっています。
 私はイラストや色合いが好きなため、John Avon様のUnstableの基本土地を採用しています。色がハッキリとしているため、デッキから基本土地をサーチする際に、必要な土地を見つけやすいです。僅かな差ではあると思いますが、時間管理が重要なミラー戦では、サーチの時間を短縮できるかも?

※ご覧いただきありがとうございます。ここから先は有料とさせていただきます。《失せろ》の採用やサイドプラン、《ゼンディカーへの侵攻》の採用枚数には、かなりの時間をかけて検討しました。それらについて詳しく解説しているため、ご購入いただけますと幸いです。

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