愚かな女の独り言
あなたを信じていた。
ううん、信じていたかった……。
自尊を翳して嘯くヤンチャなところが好きだった。
自信に満ちているあなたが眩しかった。
まるで希望しか見えていない少年のように……。
あの言葉──「俺に任せておけ」──そう聞こえた。
あの言葉──「俺について来いよ」──そう聞こえた。
だから信じた。
信じ続けていたかった。
だけど、嘘だったのね。
信じてきたのに、結局は嘘だった。
おかげで、私は失望のドン底。
孤独な部屋で泣き崩れた。
独りで食べるカップ焼きそばも味がしないわ。
……美味しくない。
全然美味しく感じない。
あれだけの自信を吐いていながら、いざ本番となった途端に一変。
……根性無し。
一緒に積み上げてきたものを投げ捨てて、台無しにしてくれたわよね。
おまけに必死と足掻く私の顔に、一転してペッと吐き捨てた。
これまで信じてきた想いを嘲笑うかのように……。
それでおしまい。
私達は御別れ。
酷いのね。
騙していたの?
あの自信満々な言葉、全部嘘だったの?
私の気持ちを惹くために……。
夜食、美味しくない。
美味しく感じない。
……あなたのせいよ。
胸を締め付けるのは、あの最後の酷い仕打ち……。
あなたは、それで知らんぷりにサヨウナラ。
見捨てられた私は尻拭い。
酷い仕打ち……。
きっとあなたは、私の事なんか知った事じゃないんでしょうね。
ふふ……ふふふ……なんだか可笑しくなってきちゃった。
自分が無様で……滑稽で…………。
あなたなんかゴミ溜めでくたばればいいのよ!
わたし、もうあなたなんか見たくない!
二度と信じない!
出会わなければよかった!
ごめん、嘘。
私は、これからもあなたと付き合うでしょうね。
それしかないもの。
あなた無しの生活なんて有り得ないもの。
だけど、ひとつだけ訊かせて?
どうして、あんな事を言ったの?
出来もしない事を、どうして自信満々に言えたの?
最初から私を騙すつもりだったの?
……ううん、違う。
あなたは心の底から「自分なら出来る」と思っていたのよね?
ただ実力が追いつけなかった。
いえ、これは〝不幸な出来事〟だったのよね?
きっと、あなたのせいなんかじゃない。
だから、もう一度信じてみる。
あの言葉を……。
あの自信満々な言葉を……。
何度でも言っていいよ。
それでも、私は信じるから……。
信じ続けるから……。
何度でも……。
何度でも…………。
「マジックカット──こちらのどこからでも切れます──」
その自信満々な言葉を…………。
[終]
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