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散文

4月以降、投稿が滞ってしまった。年初の決意はどこへやら。記事にできそうな体験は山ほどあったのだが、なかなか時間を取れずにいた。


記事を書けなかった理由の大部分を担うのが、未だに『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をやり続けていること。さすがにエンディングを迎える気配は見えてきたが、かれこれ2ヶ月以上、平日の仕事終わりやら予定のない休日やら時間を見つけては勤しんでしまっている。もう世間では絶賛され尽くしているとは思うが、あのゲームは凄い。社会人になってあまりゲームをしなくなった人間でさえも虜になり、一気に文化的な生活が奪い取られていくイメージ。さらには副作用として、身の回りで動かせそうなオブジェクトを探したり頭上を確認したりする癖がついてしまった。視野が広がったと前向きに捉えることにして、今日は一旦ゼルダやめておこう。


最近行ったワンマンライブは、Tempalay、スピッツ、iri、Lucky Kilimanjaro。どれも良かった。TempalayではメンバーAAAMYYYの出産報告に対して「人間が生まれたー!」と斜め後ろで絶叫するおじさんがいて、どこか青春を感じた。"生命"を歌う彼らにはマッチしている野次なのかもしれない。だんだん声出しも戻ってきたけど、声出しOKだった頃も自分は歌ったり野次飛ばしたりは全くしていなかったなーと思い出して、周りのオーディエンスの声に耳を澄ます方が楽しくなっている。
スピッツでは、4人全員でボーカルを務める「オバケのロックバンド」に心打たれて泣きそうになった。iriは今年発売のアルバム『private』の世界観通り、ややしっとりとした構成が新しかった。ラッキリはなんと言っても、コロナ禍に届けられて自分を救ってくれた「光はわたしのなか」を冒頭から聴けて感無量。一つ一つライブレポ的に記事にしたかったけど、もう鮮度がない。

Tempalay 全国ツアー「ドォォォン!!」


6月に北海道へ旅行をしてきた。記憶があるうちでは実は行ったことのなかった都道府県、北海道。札幌〜富良野・美瑛まで自然を堪能する旅だったが、とにかく気持ち良かった。ラベンダー畑を見たくて四季彩の丘とファーム富田という観光名所を回ったところ、前者は名前通りの彩り豊かな光景が広がる一方で、後者はおそらくまだ満開の花が咲いている状態ではなく、畑作業をしている方々すらいた。ある畑に種を植えるのは人工的な作業だが、その種が生育することは自然の営みである。写真では満開の一瞬が切り取られることがほとんどだが、今回2つのスポットを見比べたとき、炎天下に成長中の緑の葉や茶色い土が目立つファーム富田の方が特に印象的だった。

6月末、四季彩の丘
同じく6月末、ファーム富田

実は最近、仕事の都合で海外の話が上がっていて、生活の拠点ごと海外に移す可能性が浮上していた。魅力を感じる一方で、それって国内で色々やり尽くした人が更なる刺激を求めて選ぶものじゃなかろうかと思う。そういう意味では、国内で行けていない土地なんて数え切れないほどあるし、まだまだ日本で楽しみたいことも山ほどある。そんな中途半端な状態で、突然異国の地に行ったってストレスの量が上回ってしまうのではと思ってしまう。もう少し考えなければいけない。


7月に初めて友人の個展に行ってきた。"友人の個展"という単語をこれまで使ったことがなかったが、響きが良い。けれど、個展を開催している友人は今のところ1人しかいないので、この友人にだけ使える言葉なのかもしれない。写真展だったが、技術的な良し悪しというよりは撮影者の意図を楽しむ時間だった。自分も日常的にスマホでカメラを構えるときは、無意識ということは決してなく、良いかもと思って写真を撮るわけである。では、なぜこの人はこの位置からこの構図で写真を撮ろうと思ったのだろう、と。フィルムの向こう側だけでなく、フィルムの手前にある感覚ごと楽しむ展示だった。
その友人はなんとバンド活動も行っているため、ライブもセットで観ることができた。多趣味かつ多才であることが素晴らしいのは言わずもがな、自分の好きなことを文化として形にする発想と行動力にも脱帽する。一方で私は、同じような文化を好きでいるのに、消費してばかりで自分からは何も生み出せていないんだなーと、正直かなりくらってしまった。

個展


私生活の話も少しだけ書いてみた、そんな散文。

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