病院初日から衝撃

病院ボランティア初日は、予想通り、?!の連続でとても刺激的だった

州立病院のようなポジションの大きな病院の分娩室に配属されていたが、

妊婦健診に一回来ていればよし、という感じ
勿論6回くらい来ているしっかり者もいるが
2-3回の妊婦健診で出産に挑んでいる人は多い

とてつもない多産婦が多いイメージだったが、普通に30代初産婦もたまにいる。初日は3人目の経産婦とかとりわけすごい人はいない感じだった。(後日行ったヘルスセンターの方が、多産婦は多い印象)

推定児体重は腹囲✖︎子宮底で出すから日本での測定方法よりブレが生じやすい
その数値を元に巨大児診断ですぐcsする
羊水混濁が少しでもあればNRFSでcsする(破水後放置していてとてつもないドロドロ羊水のこともかなり多いが)
結果的に、月経膣分娩390、cs180で、帝王切開がかなり多い
そして、簡単に出るからという理由で縦切開。
多産のアフリカでは、基本的に下から産みます、できるだけcsはしません、と聞いていたので、この数字には驚いた(他のクリニックとかはcsしないから、逆にすごい集中してるのもあると思う)

ルートは直針のかなり長いものなのに、なぜか16G選択!手首に取るのが基本。なんでそんな太いのにするのって聞いたら、血管が入りそうだからって言われた。

第一期のときにマッサージとかはしない。一人一人へのケアはしないらしい。マッサージをしたら、しないんだよと言われた。

セパレーションはないから、内診も隣で行われる。カンガと呼ばれる布を巻いてみんな過ごすが、すぐはだけてしまい、裸同然で立っている妊婦さんもいる

胎児心拍モニターなんてない。ドップラーも一台あるのみ。基本的には木かプラスチック製のトラウベを使う。これが難しい!途中からはほとんどの人の心音を確認できるようになったが、最初はかなり苦労した。
児心音の確認はそのトラウベで行う。基本的にトラウベは30分ごとにやるらしいが、その様子はなく、気づいた時にやっている感じ。もし仮に心音が落ちていても、ベースしか確認できないから発見することはむずかしい。

陣痛室分娩室ともに寒いこと!
鳥肌が止まらない。なぜ?というくらい窓は全開で、風がビュービュー入ってくる。少し閉めると、いつの間にかまた全開になっている。妊婦さんもガクガク震えて、家から持ってきているチャイ(暖かい生姜ティー、あるいは生姜ミルクティー)を飲んでどうにか暖をとる。

骨盤はかなりしっかりしている
スルポンと生まれることの多いこと!
ペンギンと呼んでいる手動の吸引機は使うが、吸引チューブを用いて電動で引くということはない。そんなものはない。インファントなんてない。酸素投与なんてない。せいぜいルームエアのバギングをするくらい。
基本的にストレスも少なく生まれていそうな赤ちゃんが多いから問題ないのかもしれないが
小さい子や元気のない子は大変。あたたかい場所も、蘇生グッズも揃っていない
一応、産後しばらく赤ちゃんが置かれるところは毛布が敷かれ、上からヒーターの熱が当てられるが、どれくらい温められるのかといわれると自信がない

滅菌手袋はおろか、身滅菌手袋や針などほとんどの物品が常に欠品状態。
昔、JICAの人が「KAIZEN」というプロジェクトで5S活動を行ってきた形跡はある。薬剤の名前が書かれた箱、滅菌手袋など物品の名前が書かれたカゴはあるが、それはほとんど空っぽで意味をなしていない。
補充するためには師長の持っている鍵を使い倉庫を開けなくてはならないが、師長がいつでもいるわけでもなく、いざという時に何もない状況
(その後、私は毎日のように朝の物品点検をして、師長に補充を依頼して、揃える習慣がついた。後半にかけては、私が点検せずとも、物品が何もない状況は減ったと思う)
結局5Sとか、毎日の点検ってすごい大事なんだなと実感した

母乳は100%、産後1時間後から同室開始。csだろうと2時間くらいからは同室が始まる。経膣なら8時間〜1日で退院。
それで体重が増えないケースも沢山ある。低体温になることもある。でも、基本的には自分達で授乳手技や育児手技を獲得している。
ここで私は少しモヤっとした。母親学級もあるし、産休もあるし、学もある日本人は、なぜ、母乳はしないし、自分じゃできなくておんぶにだっこな人が多いのか。アフリカは周りに出産してる人がたくさんいるっていうのはもちろんあるけど、でもでもスタッフ任せで、自分の体のこと、自分の赤ちゃんのことに興味がない人が多いと思う。
日本でも、もっとおっぱい頑張りたいって人が増えてくれたら良いな、せっかくの素晴らしい母乳あげてほしいな、と助産師としては思ってしまう。

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