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プロディジーの、これが好きー!

2018年のアルバム『No Tourists』リリース後、2019年3月にバンドのアイコン的存在だったキース(電撃ネットワークのあの人に似てる人)の自死によりツアーも無くなり、バンドの今後が心配な中、バンドは今ドキュメンタリー映画の製作中らしい。リーダーのリアムは新作を作っているという話もある。

そんなプロディジーは90年代後半のデジタルロックブームにきっちり乗っかり、ケミカル・ブラザーズと共に大ブレイクしたバンドです。

カニアルバムこと『The Fat of The Land』(1997年)はアホほど売れたね。プロディジーといえばこのアルバムが代表作と言われるんだけど、個人的にはあまり目立っていない、その次のアルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』(2004年)が一番好き。

リリースから長いこと経つけど、いまだに定期的に聴きたくなるアルバムのひとつです。

当時、カニアルバムが売れすぎて、さあ次はどんなアルバムを出すのかと期待されてから5年くらい経っていた中、バンドは製作中のアルバムの中から軽いジャブとしてシングル「Baby's Got a Temper」をリリース。

しかし、だいぶ待たされてリリースされたこの曲がカニアルバムをただ焼き直ししてるだけだと指摘され、めちゃくちゃ不評だった。実際、過去曲からサンプリングされた音が使われていたし。

それを受けてリーダーのリアムは製作中の曲を全部ボツにし、1から作り直して出来上がったのが『Always Outnumbered, Never Outgunned』なのでした。「Baby's Got a Temper」は黒歴史となったため、もちろん未収録。

このアルバムは実質リアムがひとりで作ったアルバムで、他のメンバーは参加していない。その代わり、ゲストにリアム・ギャラガーやジュリエット・ルイスが参加している。

やはり作り直されただけあって、前作のような疾走感のあるブレイクビーツは鳴りを潜め、ややミドルテンポなどっしりとしたタフなリズムを効かせた曲が多い。リズムに前作のような生音感を感じないのも大きな特徴かな。これも大音量で聴くと気持ちがいい。

カニアルバムももちろん何度聴いたかわからないくらいハマったけど、このアルバムは全然飽きが来ないんだよなあ個人的に。

ジュリエット・ルイスのパンク精神あふれる歌が聴けるのもあるし、80年代のシンセ・ポップ要素が入ってたり、マイコージャクソンのスリラーのビートを使ってたり、ニルヴァーナもカバーした「Love Buzz」のフレーズを使ってたりで、元ネタを知っているとニヤリとできるところが多々ある。

カニアルバム収録の「Firestarter」や「Breathe」くらい、知名度や人気のある曲が無いのが逆にこのアルバムにスルメ効果を生み出しているのかもしれない。

プロディジーの自伝映画?も楽しみではあるけど、新作がもし出るのならそっちのほうが楽しみだなあ。

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