見出し画像

aiko 【約束】


aikoにはファンしか知らないであろう名曲が山ほどある。というか、なんなら世の中に知られている曲の中に名曲はほとんどなくて(さすがに言い方が失礼か)シングルのカップリングだったり、アルバムの中の1曲だったり謂わゆる表題曲ではない曲が凄まじく素晴らしいのはファンの中では周知の事実だ。


別にだからと言って、aikoがそれを隠そうとしているわけでもなくただただずっと日の目を見ないというだけなんだが・・・


そんなaikoの隠れた名曲を(隠れているかどうかの判断は申し訳ないが著者選択とさせてもらう)世の中の人に少しでも伝わったらいいなと思って説明というか、解説していくコーナー


昔、歌詞考察ってやってましたけどあれとはちょっと違って歌詞だけでなくメロディだったり、ライブでのこんな思い出があるみたいな複合的な話が出来たらなーと思っています。


1週間に1作品のペースで更新できればいいかなと思っていますが、まぁあまり期待せずに長い目でお付き合いください。


先に、お前誰やねんって方もいるでしょうから説明しておきますと、ファンクラブ歴は20年ですかね?会員番号は9000番台で、初ライブは2001年8月、忘れもしない声帯結節での1ヶ月の休養明けの一発目のライブでした


あのライブが開始してから数曲の間の足の震えは一生忘れないですね。初ライブに対する緊張とaikoがちゃんと声が出るのか?という緊張でとんでもない震えでした笑


だからこそ、今無理してライブやってますけど反対しています。またあんなんことになって欲しくないし、元々そこまで喉が強い人じゃないからもう年齢も年齢だし本当に無理しないで欲しい。


そんなことは本人にも常に伝えていて、常に肯定的なファンじゃないのに受け入れてくれて(いると勝手に思ってる)話しかけてきてくれるので(ライブ中や空港とかで)aikoは本当に優しくて懐の大きなアーティストだなーといつも尊敬しています。というか、あまりにも身近な存在すぎて売れてない駆け出しのアーティストを応援しているような距離感でいるんですけどよく考えたら紅白の常連の一流アーティストなんですよね・・・


そこがaikoのすごいところでもあります。
そんな身近すぎる人がとんでもない曲を簡単に生み出してくるから恐ろしすぎるというか・・・だからこそ、今たくさんの方にそれを伝えたいなと思ってこの企画を立ち上げてみました


そんな企画の1曲目は【約束】にしました。
みなさん(この場合のみなさんはファンの方)にとっても思い出深い曲なんじゃないかな?って思うので。良かったら【約束】をリピートで聴きながら読んでもらえると嬉しいです


アルバム【秘密】の最後の曲として2008年にリリースされたこの曲はaikoがインタビューで答えているように、ファンの人のことを歌っている恋愛ソングと言われています。


――最後の「約束」という曲ですか? <いつかまた逢える日まで元気でいてね>という歌詞が、ファンに向けたメッセージなのかなって思いました。

そうなんですよ。「約束」は、曲としてはラブソングなんですけど、ファンの人の事を歌ってて。ライブというのは、私の中では恋なんです。みんなマイクもないのに大声で話しかけてくれるんですけど、その瞬間、本当に一個一個に恋をしてしまう感じがあって。普段の生活のなかでは、初対面の人とすぐに近くなれる事はあんまりないので、余計にグッときてしまうんですよね。そういう風にいろんな人や場所から曲にする衝撃や感情をもらう事が出来て作れたアルバムだなって思いますね。


この曲あたりからですかね、aikoがファン向けの曲を書くようになってそれを恋愛というフィルターを通して届けてくれるようになったのは。あと、卒業をテーマにしたような曲がアルバムのラストに来るようになったのもこの曲からかな?と思います

このアルバムを引っ提げてのツアー、LLP11で最後の曲として歌われていましたけど最近全く聞かなくなりましたよね・・・というか、あの日を最後にこの曲は封印したのかな・・・


ファン向けの曲、と言っていますがグランドのくだりとか歌詞全体を読むと卒業の時の切なさをすごく思い出します。中学や高校の頃の卒業した時の淡い気持ちが蘇るというか。でもまさか作った本人もリリースした3年後にあんな大きな地震がきて、6月に予定していた仙台サンプラザ公演を最終日の後の8月末に延期して、この曲でツアーを締めるとは思ってなかったでしょうから(その後にダブアン1曲歌ってますが)あの日、仙台の人に向けて


【いつかまた逢える日が来るでしょう その日まで必ず元気でいてね】


と歌ったこと、歌えたことでこの歌をそれ以上に伝えることが出来なくなってしまったので歌わなくなったのかもしれないですね。


本当にこの歌詞がaikoの全てを物語っていると思っていて、とにかく優しいですよねaikoはファンに対して。【いつかまた逢える日が来るでしょう その日まで必ず元気でいてね】って言葉はどのアーティストでも書けるだろうし言えると思うけど、これだけ本気でそれを思っていてその想いに対してこれだけ完璧なメロディをのせられるアーティストって世の中でaikoしかいない。


そして、その歌詞を上回るぐらい自分が衝撃的だったのは最後の大サビの【どんな事があっても忘れたりしない 幸せも痛みも永遠の約束】


昔からずっと、永遠なんて信じない、信じられないって言ってきたaikoが(最近は少し永遠を信じられるようになってきた、と言い始めてる)【えいえん】という読み方ではないけど【永遠の約束】と、かなり強い言葉を使っているのが特徴的で、この大サビを聞くといつも震えて涙が出そうに今でもなるんですよね。


自分の恋愛や好きな人の気持ちに永遠を感じられないaikoでも、自分のファンに対する気持ちや思い出や約束には永遠がある、と。でもそれは事実でこれだけ長いことアーティストをしていて、たくさんのファンと交流しているのによくちゃんといろんなファンのことを一人一人覚えてますよね、aikoは。本当にファン想いなaikoだからこそ、書けた曲だろうしだからこそ我々ファンにもこれだけ響くんだと思います。


編曲は島やんらしい静かだけど繊細で丁寧な音数の少ない構成でaikoのボーカルもそれに合わせて控えめなんだけど、大サビ前のブリッジのところから突然aikoがエモーショナルになって、あ、ここからが本当に伝えたい事なんだなって感じが。


大サビは特にBGMの音がさらに減るので、aikoのアカペラみたいな状態で【どんな事があっても忘れたりしない 幸せも痛みも永遠の約束】
が流れてきて、涙腺崩壊しかけるところで
【いつかまた逢える日が来るでしょう その日まで必ず元気でいてね】


aikoは2コ以降の歌詞は後で書く派なので
【いつかまた逢える日が来るでしょう その日まで必ず元気でいてね】
この歌詞とメロディはもう決まっていて、その後に
【どんな事があっても忘れたりしない 幸せも痛みも永遠の約束】
この歌詞を譜割りを合わせて書いてるんですけど、もう本当に天才。みなさんこんな歌詞出てきます?メロディはもうサビのやつが決まっていて、じゃあそこに合う歌詞を書いてくださいって言われて、こんな素敵な想い絶対に出てこないです自分なら。


で、それだけで終わらずに最後に大事なことはもう一度言うのがaiko。
【元気でいてね】


ライブに行ってるファンの人ならよくわかると思いますけど、ライブの終わりにaikoは必ずファンに【じゃあね、元気でね、また必ず会おうね】と何度も念押ししてから舞台を降りていくんだけど、この曲でも同じ光景が


そんなファンへのメッセージソングを2011年の震災後のツアーの最後の曲に決めてセトリを組んだaikoも素晴らしいし、延期になった仙台公演でその曲を歌いあげて会場中を号泣させておいて、アップテンポで明るく終わるaikoも憎いですよね。


そして何より・・・それからこんな名曲を封印しちゃってるというのも・・・憎いというか悲しいというか、辛いというか・・・


aikoのことだから歌わない理由が何かしらあるんでしょうけど、久々のライブの最後の曲にしたセトリを組んで欲しいものです。今ライブで聞いたら涙腺崩壊するだろうなぁ・・・


まぁこの曲をシングル曲にしても売れないでしょうけど、でも後世に残すべきaikoの名曲10選と言われたら確実にファンの人は選んでくるかと。だってaikoはファンの人に向けてこの曲を作ってリリースして届けてくれたんですから。我々には痛いほど届いてますよね・・・でももっと世の中の人にも知って欲しい!!!!!


まだまだそんな曲がたくさんありますので、シリーズ化してお届けする予定です。そんな第一弾【約束】でした


どんな事があっても忘れたりしない 
幸せも痛みも永遠の約束
いつかまた逢える日が来るでしょう 
その日まで必ず元気でいてね
元気でいてね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?