【読書メモ】ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来
前置き
ほぼ自分用のメモです。
何か読んだらとりあえず読書メモを残していこうという試み。
kindleでマーカー引きながらざっと読んで、あとからマーカー見返して思い出しながら刺さった部分を振り返る、みたいなことをしているので、きれいな要約とか全体のまとめ解説みたいな記事ではない。
本書について
ゲノム解析とはなんぞや、みたいなところの基礎を把握したく、読みやすそう&kindle unlimited対象だったので読んでみた。
著者が経営するゲノム解析サービスを提供する企業の宣伝も含みつつ、一般の理解を得るために平易な言葉でゲノム解析の基礎知識や意義について紹介してくれている。
サクッと読みやすく、界隈全体の世界観が把握できます。
印象に残った内容・知見
ヒトゲノム計画を境に、「生命をデータとして扱う」流れが生まれ、生命科学の形が大きく変わった。生命科学は生物そのものを観察するというよりも、生物から得られるデータを扱う時代へ。
研究者に求められる資質も、知識・経験に基づいて仮説を構築する力から、データドリブンで仮説を構築する力、へ変化してきている。
ゲノム解読にかかるコストは年々小さくなってきている。
ゲノム解読機器(「シーケンサー」)の発展によるが、これはアメリカの理化学機器メーカーのイルミナ社が市場をほぼ独占している。
(そんなことあるんか……)
生命科学の目的:生命の法則性を明かす、すなわち生命現象を「再現できる・予測できる・変化させられる」こと
法則性を解明するためにはとにかく情報を集めること。こと生命科学においては「個体差」が大きく、必然的に大量のデータが必要になる。
大勢のゲノムを集めて、特徴と遺伝子の関連を浮かび上がらせる手法をゲノムワイド関連解析:GWASと呼ぶ。
GWASでは特にスニップ(ゲノム上で一部分だけが置き換わっているもの)に着目する。
あるスニップを持つ人はこういう傾向が高いです、みたいなことが分析できる
例えばパクチーの好き嫌いに関係するスニップも見つかっている
(パクチーの好き嫌いは遺伝子レベルで決まっている、っていうのは聞いたことあったけど、これか……。私は死ぬほど嫌い。)
特定の人を追跡して調査する研究:「コホート研究」
各地で大規模なゲノム解読プロジェクトが進行中。日本でも、東北大学主導で15万人規模の調査が進む。
ゲノムデータは1000人分で500TB規模。クラウドサービスに保存して共同利用するやり方が主流に。
各クラウド事業者は医療系に特化したサービスをいろいろ展開している印象だけど、これは確かに重要な領域。
後半半分くらいは、まだまだこの分野については社会に心理的な抵抗を持たれることも多いということへの啓蒙と言うかポエムというか、そんな内容。
(感情的な反発を受けることへの静かな苛立ちを感じる。)
「具体的な未来像は予見できないが、テクノロジーが発展することだけは見通すことができる」から、それを有効に活用するための議論は進めておく必要がある。
カリフォルニア州では着床前検査によって男女の産み分けが認められてる、っていうのは知らなかった。マジか。
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