ポーの一族へ

時折吸血鬼のようなことを思うのです

私は老人なのかもしれません

時は悠久に滑らかに流れゆくのに

瞬きの間の一生、一滴の輝きのためになぜこうまで濃やかに細部まで刻み込む必要があるのだろう

私は仏師でも細密画家でもないのですから

こうまでミニチュアに忠実に苦しみ悩み歓喜して笑い

なぜ。

人の世の上にたったようなことを思うのです

そう思うと人の濃度で生きた吸血鬼はさぞ、

さぞ苦しんだでしょう。


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