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相場観(2022年4月~2022年9月)

ツイッターの方では散発的に相場観書いているんですけど、結構ごちゃごちゃなのでまとめておきます。

っていっても大したこと書いていないです。いつも書いているEPSの先読みを使った至ってシンプルな思考。先に結論を書いてその理由を書きます。

まず4-5月の短期予想以下の3つのシナリオを考えました。

①4月から5月にかけて、日経は意外高になる
②一旦大幅に下げて、5月にそこそこ戻す
③このまま揉み合い(ボラティリティ高めで方向性がない)

それ以降、9月までの中期予想

④5月以降は下落、FOMCを消化して一旦相場は落ち着くが8月から下落が始まり9月暴落
⑤5月の下落は極短い期間、直ぐに上に行き初め、6-8月は高ボラティリティのまま乱高下しながらも年末向けじわじわ上がり始める

とまあざっくりこんな感じです。順に説明します。

①4月から5月にかけて、日経は意外高になる

EPSの先読みに関して言うと、4月は特異月になります。これは2018年の日経、PERのチャート。有名なサイトからの画像です。

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注目すべきは、4月前後です。

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まず、見るところはPERの推移。5月過ぎにカクンと下っています。決算発表が進んで予想PERが修正されたわけですが、株価の方といえば4月前後からPER14に向かって一直線に上がっています。これは決算のひと月前から市場参加者のEPS先読み精度が上がって、5月過ぎのPER14を先取りしている。と考えられます。この動きが以前の記事で書いた”答え合わせ”の部分です。一年のうちでも重要な決算が集中するこの時期はこういった株価の動きになりがちです。

これと同じ現象が、今回も起きる可能性があります。つまり今後、米国経済はFRBの引き締めによって減速することは間違いないのですが、企業決算自体は過去の実績です。すでに米国の経済指標は減速の兆候が現れていて先行きを示すガイダンスも下向きです。とはいえ、過去の実績である決算時自体は未だ好調でそれは日本企業においても同じだと考えられます。

ですから予想EPSを先読みして単純に上に行く可能性があるわけです。

ただ注意してもらいたいのが、上に行くと言っても、今季の決算に向かって動くわけで決算次第ではかなり上に行くこともあれば横ばいということもありえます。また上に行く場合でも2018年の例を見てわかる通り、5月を過ぎたらその先の決算が悪くなることを警戒しズルズルと下げ始めています。総合的に考えて、5月以降もどんどん上げるという可能性は低いと思います。

②一旦大幅に下げて、5月にそこそこ戻す、③このまま揉み合い

この2つは同じ理由です。短期筋の動向からです。EPSの先読みとは無関係ですので、ここでは割愛します。

④5月以降は下落、FOMCを消化して一旦相場は落ち着くが8月から下落が始まり9月暴落

EPSから株価を先読みする場合、テクニカル要素も重要になります。EPSが正当な株価を指し示すと仮定して、テクニカル自体はそれとは無関係に市場参加者を誘導します。結果、しばしば両者の間が乖離する場合がありますが、乖離はいずれ修正されます。そういう時期は値動きが分かりやすいというわけです。(例の個人的な下落注意報はそんなタイミングで出しています)

もし、5月に日経がテクニカルも巻き込んで上げ過ぎたと判断される場合は、5月以降下落するかもしれません。ですが逆にテクニカル的に下げすぎた場合、6-7月はEPSの影響を受けにくいため材料消化で一旦は上に行くことも考えられます。その時は、断続的に変化するEPS(恐らく下落)を連想される経済指標に振られる展開を予想します。(FOMCの関係で更に下落することも考えられますが、そこは予測困難なのでここでは割愛で)

ですが、9月以降の決算期に向けてEPS修正(下落)がはっきりしてくる場合はその過程において暴落の可能性が高くなります。なぜ暴落(急落)が考えられるかというと、市場参加者は経済指標が悪くなることに敏感になっている筈なので上がりすぎている場合は落ちやすい、シンプルにそれだけのことです。ただ、そういった理由で落ちる場合、アノマリー的には9月暴落を連想しがちですが、今回については踊り場になるのが8月以前とワンテンポ早くなることが考えられ、9月に下落に備えるでは遅い可能性が高いと思います。

⑤5月の下落は極短い期間、直ぐに上に行き初め、6-8月は高ボラティリティで乱高下しながらも年末向けじわじわ上がり始める

このシナリオはFRBがうまくハンドリングして、景気後退を避けられた場合です。指標の目安としては一番わかり易い所で米国GDP成長率が2%以上確保できた場合かと思います。これはFRBの高官たちが予想している数字です。

さておき。散々書いている通り、EPSで先読みする場合、概ね二段階にわけて考えると予想しやすいと思います。(前回の記事参照)

それで行くと、FOMCが通過して株価が下落したとして、そこで株価が落ち着いて一旦は上に行ってもおかしくないと思います。前提として、アメリカ経済は現段階で十分強いということで、そういった状況が確認され、FRBの予想が正しいという事が示唆されるデータが出てくると、下値を確認しながら上に行くと言うことです。

個人的には、現在、米国のインフレ率は7%、この7%が株価に反映されていて、先々正常化するのであれば、通常2%を引いた5%が剥られる、つまり言い方を変えると非常に乱暴ではありますが5%近くのバリューが現在の株価に付加されている、かもしれないと思います。つまり現在の米株価のバリューが正当であってFRBの経済予測が正しいとしても株価が上がるとは限らないかも?と思います。

なので一見、⑤のシナリオのような値動きをしつつも、いきなり暴落する、ということも視野に入れたい所。ただし、そうはいっても株価が絶対に調整すると市場参加者が決めつけていれば、案外それとは逆に行ったりする、ということも考えておかないと危険だと思います。

とまあ、ちょっとどっちつかずで何いいたいかわからないかもですが、要するに5月の山を超えて意外と株価が堅調な場合は、どう動くかわからない極めて難しい相場になると思います。

今回のまとめ

ここ半年先の相場は近年稀に見るややこしさで、アップサイドリスクは殆どなく、ダウンサイドリスクの評価が難しい(どのくらい下げるかわからない)状態にあると思います。こういう時合では短期筋に振り回されやすくボラ高めと見るべきだと思います。(主に日経)

すでに長期投資されている方には関係ないと思いますが、今から投資をする方は、避けた方がいいし、中期投資される方もお休みして様子を見てもいいのではないでしょうか?

繰り返しになりますが重要ですのでもう一度

以前の記事で書いた通り、株価は二段回にわけて調整します。現段階で、初期の下げ要因(厄災、戦禍、経済引き締め)の評価が終わっただけで答え合わせ(企業EPS、実績への影響)が終わっていません

3つのリスクが企業売上に与える影響は、すべて予想が困難です。こんな状況は近年なかった歴史的な出来事です。

つまりダウンサイドリスクの底が見えない。

確かにアップサイドリスク、つまり株価上昇余地も十分あります。

が、

ダウンサイドリスクに対してアップサイドリスクはあまりにも見合わないものだと思います。リスクをとるデメリットのほうが多すぎます。上記3つのリスクの答え合わせ(企業EPSへの影響)出揃った時点で再度、買い向かっても長期で考えれば全く遅くない。

と思います。

最後に、個人的なお話。

僕自身、リーマンショックの時こっぴどくやられてしまいましたが、今になって思う最大の失敗は、株価下落で資産を減らしたことではありません。

二度に分けて株価下落した2回目のタイミングで、明らかにバーゲンセールと分かっていても、そこで買えなかったことです。

今回、そういったバーゲンセールが来るとは限りませんが、少なくとも2024年までにリセッションが来るというのはほぼ間違いないと思われます。

絶対ということが言えない、株の値動きにおいて、リセッション直前か、リセッション中が、株価の底になるのは、ほぼ100%間違いありません。

リセッションは、めったにこない大チャンスだと思います。今度こそリセッションをがっちり捕まえたいと思います。

これらの2つのチャンスがある為、僕は常にキャッシュポジション多めで今回を乗り切るつもりです。特に予想EPSの半年先の個人的予想から逆算して、少しでも高めの場合はできる限り買わない方針です。

※ここで書いたことは私見です。データなどご自分で調べてご確認されることをお勧めします。


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