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暴落の予兆を察知するPART2

以前書いた
中期目線で暴落の予兆を察知する?

の続きです。
前回書いたときよりも、WEIの傾向がはっきりしてきたので情報アップデートします。

前回の投稿内容でいちばん重要なことを復習すると

1.株価は、GDPの速報値であるWEIよりも先行する

2.WEIが下がり始めた時、景気減速懸念で一度下げるが、本格的に下げるのはその後(二回に分けて下落する)

でした。
現在、WEIが下がり始めて、景気減速懸念が意識され第一回目の下げが終わったところだと、僕は思っています。
前回の投稿でも書いた通り、過去のデータを分析してみますと、景気減速懸念で一旦下げた後、株価は何事もなかったかのように又上がり始める、場合が多いです。WEIが下げ続けている、つまりGDP成長が減速しているにも関わらずです。

これは過去のデータからもわかります。

赤がWEI、緑がダウです。WEIが下がり始めてある程度下げた後、ダウが急落、WEIが下げ続けてもダウは持ち直しています。

この理由について、初めの景気減速懸念で
「ややっ、この先景気減速して株が下がるかもしれない」
と心配して一度下がり、
「なんだ、まだ大丈夫じゃないか? 経済は好調だ」
と持ち直し、
「ああ、決算悪い、もうダメだ」
といって株価が大幅調整する。

と説明しました。正しいか正しくないか理由はさておき、実際にこのような動きは、株式市場において常に発生しています(https://note.com/1570_1357/n/nc53e31274592
また、別の説明としては、利上げ前の業績相場では好決算を受けて株価が上昇しやすい、ということもあると思います。先行指標のWEIが下向きだからと経済指標が全て同じタイミングで一斉に悪くなるわけでばありませんから。

ですが、WEIが下落を続けていれば、遅かれ早かれマクロ指標が全滅し企業EPS、企業の実績が落ちて株価も下落、経済状態を反映した株価に調整されるはずです。

では、どの辺で株価が落ちるのか?
過去のデータである程度あたりを付けてみます。

WEIについては割と新しい指標なので過去データが少ないのですが、ピークを付けて下がり始めた後、ダウが急落したポイントをピックアップしてみます。

すると、WEI2.57あたりを下回ると、急落の可能性が高まるかもしれません(データが少ないため、確度が低いです。あるかも?程度でお考えください)

そこで、WEI2.57以下を危険ポイントと仮定して、現在のWEIを考えてみます。
現在のWEIは4.19、ダウントレンドですので現在の調子でそのまま下げたとして、いつ2.57まで下げるのか交差するポイントを求めると、

およそ、9月5日に交差します。(WEIは一週間遅れている指標ですので、念のため)
もちろん、WEIの落ち方が急になったり、緩やかになったすると交差ポイントは大きくずれます。特にアノマリーや企業決算タイミング等も考えると8月〜9月あたりは十分注意しておきたいところです。今後もWEIの動き(傾き)を毎週チェックしていきたいと思います。

また株価はタイミングだけでなく、上がりすぎ下がりすぎ(オーバーシュートアンダーシュート)するという特性もあります。ですから、現状は投資家センチメントが悪すぎて、下げ過ぎだと思われるため、ここで反発するという前提で先を考える場合、また行き過ぎて上がり過ぎのリスクも存在するわけです。上がりすぎた場合、つまりサマーラリーで株価が上がったら場合は暴落リスクが高くなると考えています。

まとめ

以上より、WEIが落ち始めると一旦大きく調整しても株価は何事もなかったように上がり始める場合が多いです。(景気循環においての終盤の業績相場に相当)しかし、WEIは経済活動を直接測定している、企業EPSに対し先行する指標ですのでここが落ちると、いずれ企業のEPSも落ちるはずです。そして株価はそのWEIに先行して落ちる。

現象が起きる順番をまとめてみると以下のようになります。
1.WEI減速開始
→2.株価調整
→3.WEI下落基調のまま株価復調
→4.ある所で株価大幅調整(タイミングは予測不可能)
→5.マクロ指標悪化
→6.企業業績悪化
→7.株価上昇
→8.WEI持ち直し
→9.マクロ指標改善
→10.企業業績改善

必ずしもこの動き通りになるとは限りませんが、このような流れを理解していないと株価の乱高下についていけないのでは無いでしょうか?

現在、逆イールド発生後の、いつリセンションが来るかわからない局面です。このような状態では、
マクロ指標の絶対値だけ見ていても株価の動きにはついていけません。
マクロ指標は絶対値というより、その傾向から先を読むことが重要だと思います。

そして今、ちょうど、太字の3.のタイミングに差し掛かっていると思います。続く4.の調整タイミングを予知するのは困難ですが、WEIの絶対値を使って大まかに推測できないかと考えてみたのが今回のお題でした。

いずれにしろ、現在起きている様々な懸念(インフレ、利上げ、QTなどなど)によりどの程度企業の業績が悪くなるか未だわからない状態です。今の時期はたとえリバウンドしたとしても、慎重になったほうが良いと思います。

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